《シスコンと姉妹と異世界と。》【第32話】護衛任務
「なんも起きないな〜、モーリスぅ〜」
「それに越した事は無いじゃないか」
馬車の荷臺で揺られながら俺は暇を持て余していた。
サニーさんたちと仲良くさせてもらうようになってからおよそ2ヶ月。とことん男友達が出來なくなった。前世でもそんな友達に囲まれるタイプでは無かったが、ここまでくるとは。
まぁ確実にといる事が多いので反を買ってしまっているのだろう。ほぼメインとはいえ、高みの見のような気分である。
それでいて魔法の授業でも、割と我ながら優秀な績を出せていると思うし、剣においてもモーリス以外の同級生相手なら十分勝負になる。
私怨が絡むからか相手が力む時が多くて対処しやすいだけなんだけど。
なんと言うか、廚二の萬能のようなにどっぷり浸っているような今日この頃。
まぁあれから1人で任務に行くことは無くなったのだけど。さすがに事はそう上手くいくように世界はできていないはず。同じ狀況になったとして、助けが來る可能なんてほぼ無いはずだから。
Advertisement
だから今こうして、モーリスと2人で貨運搬の護衛任務に付いているのだった。
「なんも起きないのに報酬貰っちゃって良いのかなぁ、って思っちゃうわけだよ」
「タダでいいのかい!?」
話を聞いていた行商人が満面の笑みを浮かべる。
「ショー、適當な事言うんじゃない。學校と契約してるんだから僕らでどうこうできる問題じゃないよ」
「ですって」
「そんなぁ……」
落ち込まれても、そんな期待値の高い話じゃ無かっただろうになぁ。同をう為の巧妙な手口なのだろうか。
「おーい兄ちゃんたち、そろそろ休憩にするぞー!」
後ろの馬車から聲が聞こえた。
「分かりましたー!」
し行った先の原っぱに馬車を停め晝食を兼ねた休憩。収納魔法のかかった箱、もといアイテムボックスから、姉さんが頑張って作っていたおにぎり4つを取り出す。収納時の狀態を保つのでまだ溫かい。形の悪さもそのままだ。
「はいよ。モーリスの分も姉さんが作ってくれたんだ」
「いいのかい? 丹込めて作ってくれたんだろう?」
「やっぱりそう見えるか」
「まぁ……ね」
「だよな。まぁ姉さんが気合いれて作ったんだから、食べてあげてよ。俺も4つは食べれないし」
「うん。そういうことなら遠慮なく」
「どう?」
「味い。疲れたに丁度いいよ」
「そっかそっか」
……すげー白米が塩辛いけど。中はコブシシで作ったチャーシューだ。もう片方のはトンカツがっているようだ。最早きりたんぽみたいな形してるけど。
まぁ水分補給もしたくなるし、そういう意味でも疲れたに丁度いい、という事なんだろう。
「ご馳走さまでした」
「ごちそーさん」
「お腹もいっぱいになったし、あともうひと頑張りだな」
「眠くなっちまうよ……ふぁぁ」
「寢るなよ。まだ任務中だ。帰りは急がないし宿を取ってもいいかもしれないね」
「お言葉に甘えようかな……」
外泊なんてほとんどした事無いから正直楽しみ。
「そういえば、こないだ話してた新しい魔法はどうなの?」
「思ってたより上手く……」
(ショー様! 前方200m先から6人、こちらへ走って向かってきています)
「おっさーん!! とめてー!!」
「賊か!?」
「かもしれない。用心しておくにこしたことないから!」
「どうする、ショー」
「相手の出方次第じゃない? 誰かもわかんないしね。一応魔法の用意はしておくけど、モーリスが好きにやっていいよ」
「はいはい、援護よろしくね」
(そろそろ見えるはずです)
「あれは……」
「巷で噂されている盜賊共でしょうな」
「やっぱりそうっすよね……」
服というより布をにまとっているじで、いかにもってじでわかりやすい。ただ、その割に裝飾品が豪華な気もするが。
「おうおう。わかってると思うが俺たちはここいらをナワバリにしてる盜賊様だ! 生命が惜しけりゃ積荷を置いていきな」
と、お決まりの文句を並べる。が問題がひとつ。
「この世界に銃とかあったのかよ……」
ミリタリーものはそんなに目にしたことが無いから、あれがどんな仕組みなのか全く分からん。ラノベでちょろっと読んだのと、ゾンビ撃ち殺すゲーム(途中で諦めた)くらいで。なんだろ、ショットガン?
気させれば銃ってなんとかなるんかな……。取り敢えず、霧でも作ってみるか。よっ……10分くらいでいいか。
「おいおい、霧とか都合がいいなァ。俺らの行の発見に時間がかかるってもんだ」
局所的にドーム狀に霧ができてるんだから、目立つと思うんですけどね、傍から見てたら。
「モーリス、視界が悪くなったけど」
「大丈夫、無問題だ」
「おいおい、やる気かァ? 2対6だぜ? 謝るなら今のうちだぜ?」
「託はいいから、盜賊らしく早く襲ってきたらどうだい?」
「糞ガキ共が、舐めやがってェ……!! お前ら、やれ!!」
【書籍発売中】砂漠の國の雨降らし姫〜前世で処刑された魔法使いは農家の娘になりました〜【コミカライズ】
アレシアは『眠っている時に雨を降らせる力』を持っている。 両親はそんなアレシアを守るために大変な努力をして娘の力を隠していた。 ある日、アレシアは自分の前世での記憶が甦る。アレシアは昔、水系魔法に秀でた魔法使いアウーラだった。國のために前線で戦い、國王との婚姻も決まっていた。しかし、謀略による冤罪で二十三歳の時に処刑されてしまう。 そんな前世だったからこそ、今世では名譽や地位よりも平凡で穏やかな暮らしを守りたい、誰かの役に立ちたいと願う。 眠ると雨を降らせる女の子アレシアが前世での後悔を踏まえて人に優しく前向きに生きていくお話です。 少女時代から成人までの長期間が描かれます。 ゆったりした展開です。 ◆GAノベル様より2022年5月13日頃発売開。コミカライズも進行中。
8 126【書籍化決定】公衆の面前で婚約破棄された、無愛想な行き遅れお局令嬢は、実務能力を買われて冷徹宰相様のお飾り妻になります。~契約結婚に不満はございません。~
「君に婚約を申し込みたい」 他に想い人がいる、と言われている冷徹宰相に、職務のついでのようにそう告げられたアレリラは。 「お受けいたします」 と、業務を遂行するのと同じ調子でそれを受けた。 18で婚約を破棄されて行き遅れ事務官として働いていた自分の結婚が、弟が子爵を継いだ際の後ろ楯になれるのなら悪くない。 宰相も相手とされる想い人と添い遂げるのが、政略的に難しいのだ。 お互いに利があるのだから、契約結婚も悪くない。 そう思っていたのだけれど。 有能な二人の、事務的な婚約話。 ハッピーエンドです。
8 80ライトノベルは現代文!
ライトノベルが現代文の教育要項に指定された20xx年。 んなぁこたぁどうでもいい。 これは、ごくごく普通?の高校生が、ごくごく普通に生活を送る物語である
8 97黒月軍事學園物語
能力を持った者や魔法を使う者が集まる學園、黒月軍事學園に通う拓人が激しい戦闘を繰り広げたり、海外に飛ばされいろんなことをしたりと異常な學園生活を送ったりする物語
8 64最強転生者の異世界無雙
勉強もスポーツもそくなくこなす高校生、悠馬。 そんな彼の人生は、唐突な事故で終わりを迎えてしまう。 だが、いろいろあって彼は異世界に転生することとなった。 悠馬の才能は異世界で発揮されるものだった! 悠馬改めユーマの二度目の人生が今、始まる! ※主人公は基本的に他人を助けようとするけど、どうでもいいことで面倒臭いと感じたら冷たくなることもあります。 ※殘酷な描寫は保険です。 ※アドバイスを下さるとうれしいです。 ※主人公は苦戦するかも怪しいレベルでチートにしたいと思ってます。苦手な方はご遠慮ください。 ※主人公はヘタレ系ではありません。
8 66天才高校生は実は暗殺者~地球で一番の暗殺者は異世界で通じるのか~
主人公、黒野影秀は世間一般で言う天才高校生である。學校で知らない人はいないと噂されるほど有名人だ。 曰く、告白された回數は二桁以上だとか 曰く、大物政治家と知り合いだとか 曰く、頭脳明晰、スポーツ萬能、家事もできるだとか そんな彼には秘密があった。それは、暗殺者であることだ。しかもただの暗殺者ではない。世界で一番と言われているほどである。 そんな彼がある日、異世界にいってしまう。 ~~~~~これは天才で暗殺者である人物が異世界にいって、自由に無雙するのがメインである話~~~~~~ 天才=才能がたくさん チート主人公ですが、バランスをとることを目標に書いていきます 作者は怠け者のため超不定期です。ご了承くださいm(*_ _)m 作者は廚二病です。廚二臭くても文句は受け付けません。 ネーミングセンスありません。 変なところがあったら気軽に報告下さい。
8 60