《シスコンと姉妹と異世界と。》【第66話】文化祭③
9時の文化祭開始から1時間。客足はゼロであった。その間會話を楽しみつつも、ナビ子はややイライラしていた。
開始1時間で飲食店にる客はまぁ當然の如くいなかった。他所でも飲みの販売や軽食も振る舞われているし、現狀はもうどうしようもない。お腹空いてない中で客寄せの聲を聞いても響かないだろう。
それに、開始の合図からすぐにオープニングセレモニーも始められた。衛兵部隊もとい軍からの參列者も多いらしい。その中に父さんもいるらしかった。……母さんもいるかな?
生徒代表として姉さんが登壇してちょいと小話をするってのはアリスさんから聞いていた。どうせならそのまま歌ってステージにしちゃえばいいのに。お捻りあるかもしれんし。
(まぁようするに大半のお客さんは來場するなりセレモニー會場に直行してるらしい、ということだ)
(だとしてもこんなに味なものを放っておく人間の脳が理解できないのですが……)
(そのうち來るだろうさ。でもまぁお客さんがいつくるか分からない以上、だらけてられないのも疲れるんだよなぁ〜)
(分かるじゃないですか)
(……おっぱいがどうかしたか?)
(なっ……!!)
ナビ子のチョキが俺の右目を貫通してすり抜ける。
(を指さしたのではなく、わたし自を使えという意味です!)
(ああ、探査魔法を起させて待機しとけばいいのか! それを先に言ってくれよ〜)
(察しが悪すぎます)
(だってそんなを張って自分の親指でを指してたらさ、見せつけてるようにしか見えないし……。それから連想できるのはおっぱいしかないじゃんか?ナビ子ってプロポーション抜群なんだし。 姉さんならまだわからないでもないよ? 自分を示してるんだ、ってのは)
本人には口が裂けても言えないな。セクシーな裝と聞いて、ぬりかべ役じゃないのかと考えがよぎったことも言えないな。うん、言えない。死にたくない。
(プロポーションをお褒め頂いたことは恐悅至極でございます。が、こんど人間になった時には告げ口させてもらいますからね。お姉様は貧だから無意味だ、と)
(この薄者!! てかそこまでド直球の投げ込んでなくね!? 會話のキャッチボールだろ? 捕ってくれよちゃんと〜)
(言わなきゃいいんですよ……)
真っ向からのド正論である。來い、ぬりかべバリアー。
______45分経過。
(もう2時間近いぜ? みんなも飽きてきてるしさぁ……)
(何もしていないのに飽きるだなんて、鍛錬が足りませんね)
(今の姉さんっぽいな)
(訂正します。いや、訂正しなさい)
(俺の方を正すのかよ!?)
(失禮、噛みました)
(違う、それはわざとだ)
(噛みましね)
(悪意しかじられねえよ! どんだけお前真っ黒だよ!)
(だから黒ではなく、赤だと言っているじゃないですか、ほら)
(裾をめくるなーー!!!)
(見ましたか? 求不満なんですね)
(み、見てない見てない)
(何でしたか?)
(赤だろ?)
(やっぱり見てるじゃないですか)
(お前が散々言いふらしたからだ!!)
(はっ、人のせいにするとかショー様のはお豬口よりも小さい様ですね)
(人を鼻で笑った上でそんな目で見るな。天下人か)
(求不満の猿めが)
(泣くぞおい!! 信長んなこと言ってねえだろ!?)
(泣いてないで笑顔で接客してください。お客様が來るようですよ?)
「お嬢様のおかえりですー!!」
「「「おかえりなさいませ、お嬢様!!」」」
「なるほど……これはちょっと気持ちいいねぇ〜♪」
「ショーくん、邪魔するぞ」
「サニーさんにゾラさん、じゃなかった。お帰りなさいませ、お嬢様」
「いやーん、グッとくるぅ」
「なんだか照れるな……」
「それでは當店の簡単な説明をさせて頂きますね!」
ローズが會話に割り込むように話を始める。俺は退散、というより注文に備える。
「あ、ショーくん。セレモニーのお客さん達にここオススメしといたから、もう數分でここは戦場になると思うよ?」
「はい、頑張りまーす!」
俺はサニーさんの言葉を軽く考えすぎていたこと、け止めすぎていたことを、この後すぐに後悔することになるのだった。
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