《シスコンと姉妹と異世界と。》【第68話】文化祭⑤

「そんな、なんで怒ってるんだよ〜」

「ふんだ!」

「悪かったって〜」

「ん!」

「ん?」

「デートなんだから男がの子を引っ張っていかなきゃダメなんだからね! ……これで許してあげる」

「なんかホントに周りからしたらカップルみたいなんだろうな、俺たち。じゃ、行こうか」

もしくは強烈なシスコンとブラコンのペアに見られるだろうか。にしても、腕を組むだけで良いのだろうか? なんつーかお仕置きが軽いような。決してしがってるわけでは無いのであしからず。

「……」

「どした? 顔真っ赤にして……熱に當てられたか?」

「大丈夫! お兄ちゃんじゃないんだから!」

「わかったわかった。んじゃどこから行く?」

「ごはん!!!」

______。

「とりあえずこの案図によると校庭に店が出てるみたいだな」

「じゃ、そこまで早くいこ!」

「おいおい、引っ張るなって。男が引っ張っていくんだろ?」

「うぅ……。無くなっちゃうから急ご!」

「さすがに無くならねえだろ……」

そんなこんなで校庭に到著。正直目の前の景を疑いたくなる自分がいた。

「おいおい、と言ってるだけじゃどうにもならんぞ……」

「すごーい、知らない名前のお店がいっぱいだ〜」

すごーい、知ってる名前のお店がいっぱいだ〜。

「……ローズはどこから見ていきたい?」

「あれ! 投げってやつ!!」

新鮮味ゼロなんだよなぁ……。他のとこも見たじ値段は400円均一。いくら任務で貯蓄があるとはいえ、お財布は一旦空になるだろうな。

「らっしゃい! 姉ちゃん達、投げやってくかい? このっかを投げて景品がの中をしっかり通ればそれが貰えるって寸法さ。もちろん、引っかかったりしたらダメだぜ?」

「したら1人分お願いします」

俺はやった事あるから投げはいいや……。

「えーお兄ちゃんやらないのー?」

「ローズが何か獲ってくれるんだろ? 俺はそれを楽しみに待ってるよ」

「じゃあ嬢ちゃん1人分で400円だ。で、っかは5つだ。あ、そうそう、魔法を使うのはナシだぞ? じゃなきゃ遊びにならねえやい」

そりゃごもっともだ。商売あがったり。

「いっくよー。お兄ちゃん見ててね!」

「あいよー」

「えい! やぁ! とお! たぁ! ……やったぁ!!」

「おお、おめでとう。しゃぼんだま、だな」

投げとかの景品ド鉄板頂きましたー。

「最後決めろよー」

「あの瓶なんだろ、なんかのソースかな? とりゃ」

「やるな嬢ちゃん! こりゃ參ったなぁ〜」

おっちゃんも楽しそうでなんかいいな……。

「なにこれ?」

「香水だな。何の香りだったかは忘れちまったが……。それをに振りかけてやればどんな男もコロンと落とせるってもんだ。プレゼントにも喜ばれるだろうよ」

……駄灑落なのか、それは?

「へぇ〜、ありがと!」

「ありがとうございました」

「イイってことよ。まだまだ目一杯楽しんでこいよ!」

投げを終えて次はやっぱりご飯らしい。ローズの腹の蟲が聲高に鳴いたのが聞こえた。

「……何食べたい?」

「うぅ……恥ずかしい。じゃあね〜……あれ!」

「お好み焼きかぁ〜」

「お兄ちゃんは嫌だった?」

「いや、食べたことないから嫌いも何もないって。ただあっちのタコ焼きってのも気になったからさ」

「タコ焼きのタコって、あの赤いやつ?」

「だろーなー。せっかくだしひとつずつ買って半分こするか」

「うん! ご馳走になります!!」

「はいはい。したらお金渡すから、お好み焼き買ってきてくれ。で、あそこのベンチに集合でいいか?」

「わかったいってくる!!」

んな急がんでも……。さて、俺もたこ焼きだな。

「ほう……」

なんと手際のいい……。銀●こバイト歴1年ちょいだった俺が言うんだから間違いない。タコも大きいし天かすもタップリ。濃いめのソースに躍る鰹節。うんまそ〜。

「たこ焼き1つお願いします」

「あいよぅ!! 箸で平気か兄ちゃんは?」

「大丈夫です。あ、2膳お願いします」

「彼と分け合うってか? 羨ましいなぁオイ!!」

「……まぁそんなとこです」

「はいよ、お待たせ。お幸せにな!」

「泣かないでくださいよ!?」

「ほら、いけいけ。冷める前に食ってくれい」

「あざーっす」

すげえ元気なおっちゃんだったな……。緒不安定疑も拭えないまんまだったけど。

「お兄ちゃん買えた?」

「はじめてのおつかいじゃねーんだから買えるって。ほら、たこ焼き」

「タコどこ?」

「この中だぞ? さすがにアレを丸々焼いて食うのは骨が折れるんじゃないか?」

「へぇ〜中にってるんだ」

「そ。足の切りってるんだ」

「じゃ、早速頂きます! あーん」

「あ、馬鹿!!」

「あ、ふぁ、ふぁ、あふい」

「お決まりのやつかよ! ちゃんと水も用意してあるからほら!」

「……ぷはぁ。熱かった……溶巖食べたみたいな」

「味は?」

「水で飲んじゃったから……」

「もうし冷ましてからちゃんと味わってみな」

「うん。……じゃあお好み焼き食べよ。はい、お兄ちゃん、あーん」

「あーん」

「あーん」

「「へ?」」

「おふたりさん、お熱いところ悪いんだけど相席してもいいかな??」

謎のが頬をソースで汚しながらキメ顔でそう言い放った。

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