《シスコンと姉妹と異世界と。》【第88話】貸し出し権⑭(サニー編)
「地図によればこの辺の商店街みたいなとこの並びにあるらしいんだけど……」
(合ってる?)
(はい、問題ありません。ですが……)
(ですが?)
(後ろの5人組に後をつけられてますね。5人組のさらに後ろの6人もグルだと思われます)
(合計11人もいるのかよ。……、キズ者ってじ?)
(観客を食いにしようとする卑劣な猿です)
(……、辛辣だな。庇う余地はないけどよ)
(人間ですのでご安心ください。損壊の恐れはありません)
(傷害の現行犯逮捕とかないよな……。まぁ正當防衛か)
(一応、皆様に知らせておいた方が良いかと思います)
(だな。ありがと)
(いえ、どういたしまして)
すーっとナビ子の姿が消え背景に混じり去る。
はぁ……。
「どうしたのショーくん、溜息なんかついちゃって。幸せが逃げちゃうわよ☆」
「まぁ、面倒は呼んじゃってるみたいですよ。皆にテレパス繋げますか?」
「あいよー」
察しの早いサニーさん。すごく助かる。
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(はーい、ちょっとショーくんからおはなしー)
(非常に面倒なんだけど、後ろに5人と6人の集団、計11人につけられてる。ちょっと裏路地って撒くか殺しめるかしなきゃだと思うんだけど……)
(本當か!?)
(そーっと後ろ見てみて。いかにもってのがいるから)
(こんなことなら制服で來ても良かったですね……)
(あら、ステラは返り浴びた真っ赤な制服で登校したいの?)
(なんでアリスは殺る気マンマンなのかな……)
(だってゾラ、撒くだけじゃ他の人が被害に遭うかもしれないじゃない? それならとっちめて衛兵に突き出した方がお得じゃない)
得っていうのかそれ……。という言葉を呑み込んだ。
「キャッ」
ローズの手を引き、道を一本る。そこにはちょっとした広場のように開けたスペースがあった。なんというご都合主義だろうか。
「さて……待ちますか」
「足音が凄いね。油斷も隙もあるよ」
「ゾラこそ油斷しないでよ〜」
「ショー、どうする?」
「どうするっても無力化するんだけど……。姉さん得持ってないよね?」
「問題ない。格闘戦でもどんとこいだ」
「魔法は思い込みが大事だっていうから、私の腕は鋼で出來てるって念じてみれば違うかもよ」 
「ショーがそう言うのならやってみよう……」
刀をイメージされて文字通りの手刀になった場合、チンピラのバラバラ和えが出來上がることが予想される。それは是非とも避けてもらいたいが為の鋼イメージだ。
「ローズも平気か?」
「……、うん」 
いつの間にやら人繋ぎになっているが、ローズが離せと言わないから俺からは何も言うことはない。もしかしたら『Resonance(共鳴)』的なパワーアップが図れるかもしれんし。やり過ぎ注意なのは否めないな。
「おうおうおうおう、見せつけてくれるじゃねーの、おう?」
チンピラ共がガニでいかにもそれっぽく登場。てか、すげーおうおう言ってるけど……、アザラシかな? オットセイかな? どっちでもいいか。
「そんなにはべらせてさぞ大変だろうなぁ……。だから俺達が代わりに貰ってやるよぉ!!」
「それが嫌なら有り金だけおぶっ!?」
うわぁ……。見てるこっちまで痛くなってくる。決まり文句を唱えてる相手に対しての容赦ない、ローズの魔法による土の円錐がチンピラ1人の間を捉えていた。間違いなく1人これで戦闘不能になった。そこを手始めに狙うローズが怖い。
「なっ……、や、やってくれるじゃねぇかぁぁぁああ!!」
殘り10人が一気に押し寄せてくる。
あぁ、ヤバイな……、と思った。そんな正直に突っ込んで來たらこの人たちのが危な過ぎる。
サニーさんのマグマパンチ(今勝手に俺が命名)が炸裂してる人もいれば、ステラさんの持參したであろう本が巨大化しそれに挾まれてる人もいるし。本の蟲エサである。
ゾラさんはどこかに忍ばせていたのか小型ナイフで応戦。みごとに服だけを切り裂く辺りその技の高さが伺える。見たくないものも伺えるが……。
「ショーくん、どうしたの?」
「アリスさんこそ。なんか俺らが手を出す必要も無さそうだなって思いまして」
「でも、最後は男の子がカッコよくキメないとよ?」
「いいとこ取りしちゃっていいんですかね……」
「良いんじゃない……のっ!」
全重を乗せた肘打ちが男の水下みぞおちを綺麗に捉える。ぐぇっ……、ときをらしながらその場に伏せてしまった。
「じゃあローズに合わせるわ」
「ん……、じゃあ箱作って」
「ハイかしこまりました〜」
殺られず殘っていた4人を纏めて一つのガラスケースに閉じ込める。その様はまるで蟲かごに囚われたようだ。姉さんが毆りかかったタイミングで箱を生したため、そのまま拳は箱をぶん毆り中の人達は衝撃でもみくちゃになっていた。姉さんは驚いたせいで拳の化を解いてしまったらしく……。
「いっくよー」
ちょっとしたの玉が蟲かごの中に作られた。
「おいおいなんだこりゃあ?」
「こんなとこ閉じ込めやがって、さっさと出しやがれ!!」
「ば、バカ、刺激するようなこと言うなっ」
「アイツのあの目見ろよ……。絶対に何人か殺ってるぞ……」
蟲かごの住人達はそんなことを話していた。今更気付くなんて遅すぎるんだよ。タダでさえ遅れ気味だった晝メシが更に遠のいたとなればそりゃおかんむりだろう。その癖瞬殺する魔法でなく、ジワジワいくんだから余程キレてるかな……。
「おい! なんとか言えよ!!」と男が壁を毆りながら怒鳴ると、「あっちぃ!!」と地面に倒れ込み「わちちちちちちッ!!」と被害が拡大していった。
あのミニ太がガラスケースをじわじわと暖めているのだ。お兄さん達、靴履いてて良かったね。サウナ狀態にどこまで耐えられるだろうか。
「ショーくん、これどうするの?」 
「とりあえず気の済むまでやるんじゃないですか?」
「おーい!! 嬢ちゃんたち〜!!!!」
遠くから大きな聲を出しながら駆け寄る一つの影があった。
[完結しました!] 僕は、お父さんだから(書籍名:遺伝子コンプレックス)
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