《シスコンと姉妹と異世界と。》【第159話】北の幸⑳
「あのー、呼び出されちゃったんですけど、行かなきゃダメですかねあれ」
無理だとは分かっているが、一応サニーさんに問いかける。
「まぁ、まだ十時くらいだし行ったほうがいいだろうね」
「ですよね……」
ええ、わかってますとも。分かってるんだけども。
正直面倒なのは否めないの……。
いくら日本人が風呂好きとは言っても、寢る前に風呂るとが火照って寢付けなくなるのが俺だ。
「そんなに長風呂はしないんで、鍵は開けといてもらっていいですか?」
「お安い用よ。行ってらっしゃい」
「まぁ、一旦部屋戻らないとっすね」
まだ、置いてけぼりにされたから外だし浴だし。
「あー、そのショーくん?」
「はい?」
「んん……、やっぱり後でゆっくり話したいな。起きて待ってるから、出來るだけ早く帰ってきてね?」
「ははは、はい!」
お願い、というじで首を傾げられ思わず張してしまった。
貞殺しだよ。
會話も程々に部屋に戻りタオルを取って溫泉へ。
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よく考えたらさっきナビ子とっただけで、大浴場使うのは初めてなのか。
そういう意味ではっておかなきゃだな。アンケートも書かなくちゃいけないんだし。
「姉さんはいるかな……」
更室に來てみると、そこに人影は無し。
日本でよくあるように、棚に淺めのカゴが並べられている。
そのうちの一つに、浴が綺麗に畳まれてカゴにれられている。姉さんだろう。しっかりと下著が見えない様になっているから。
手際よくポポンといでカゴに突っ込む。
が、隣を見て畳み直した。
「よし、行くか……」
今なら戦に向かう武士の気持ちがわかるような気がする。
「むっ、來たか……」
姉さんは白の肩までしっかり湯船に浸かっていた。
「ごめん。待たせちゃった?」
「いや、さっき來たばかりだ。気にしなくても平気だよ」
「ショーもるか?」
「洗ってからにするよ」
「なら、わたしが背中を流してやろう」
そう言いながらザッと立ち上がる。
思わず見れてしまったが、何のことはなく。
そのにはタオルが巻かれていた。無念。
「どうした? 遠慮しなくていいぞ?」
「いいの? 俺が姉さんの背中を流すんだと思ってたけど」
「お前が終わったらわたしもしてもらうからいい」
そう言って俺を座らせて、背中をり始める姉さん。
「いところは無いか?」
「左の肩甲骨らへんをお願いします」
「承った。たまには姉弟水らずの付き合いというのも悪くないだろう?」
「夫婦水らず、は聞いたことあるけど……」
「あれ? ……まぁいいか、細かいことは」
水に流すことにしたようだ。
「昔を思い出すな。こうしているとさ」
「そう? なんかこないだも一緒にったような気がするけど」
「あぁ、そう言えばそうだったな。あの時のショーはわたしの膝枕の上で凄く泣いていたな」
そんな返しを食らうとは思いもしなかったですよ。
「々キツかったんじゃないかな」
「今は平気か?」
「おかげさまでね。じゃあ前もお願いします」
「いいのか?」
「……、やっぱ自分で洗います」
ヘタレな自分にけなくなる。
「ん。そしたら、わたしの方を頼もうかな」
「前から?」
「弟を手にかけるとは、姉失格だな……」
「超ごめんなさい」
大ここまでってから十分ちょいくらいだろうか。
サニーさんとの約束もあるし、あんまり楽しんでもいられないのが悔やまれるなぁ。
「下がるから気を付けてな?」
と言われたので、手すりに捕まって極めて靜かに降りた。
「セーフ。もし『大丈夫』とか言ってたらアウトだっただろうな……」
姉さんがポカンとしているのにふと気付いた。
「どうしたのさ? 実はさっき案外待たせちゃってた? 逆上せてない?」
「……タオルを忘れるな」
「……」
返す言葉も無かった。
「ただいま戻りましたー」
「うあー、おかーりー」
うつ伏せのままのサニーさん。
起きちゃいるけど、死が喋ったような絵面なんだが。
「お茶れてあるから、良かったら飲んでね」
ムクリと起き上がりながら機の上を指さした。
「ちょうど良かったです、早速いただきますね。……、冷たくていいっすね」
「魔法で冷やしておきましたっ」
「それでぐったりしてたんすか?」
「そんな燃費悪くないよ!」
「冗談ですって! んな、こぼしちゃうから! 押し倒さないで下さいよっ」
テレポッ! でとりあえずコップは機に。
ボフッとな。
「押し倒すなんて言わないでよ! わたしが癡みたいじゃん!」
「実際にもうベッドに押し倒されて上を取られてますが」
否定できる要素ゼロだろ。
今誰かにってこられて目撃でもされたら、襲われた男として弄られ続けるハメになるだろう。
まだ合意の上でならな、広まってもそんなに痛手にゃならないんだろうけど。
ま、姉妹とじゃなくてサニーさんとだから、倫理的には流されてもセーフだろ。年齢以外は。
「もう、エッチなんだから」
「それ普通の子側の臺詞でしょ!?」
「だって、下りてくれないじゃないですかぁ?」
と、煽るように言い放つ。
「むぅーーー…………」
不服そうにしながらも俺の上から退いて佇まいを直すサニーさん。サニーさんなりにも々と葛藤があったのだろうか。
「で、お話というのは……」
「ショーくんがやけに冷靜なのがムカつく。慣れっこってことなの?」
「あーいや、そんなことは……、いや噓です。寮では三人で同じベッドで川の字に寢てるんで……」
「なんですとっ……、驚愕の事実……」
サニーさん、フリーズなう。
「……、もう寢ます?」
「待って、言うからっ。……、よし」
こっちに向き直って。
ドキドキ……。これはアレか、アレなのか?
「ショーくん……」
「はい……」
見つめ合う二人。二人だけの世界のような錯覚。
「なんで、同時に二つの魔法使えるの?」
「ふぇ?」
そうですよね。ちょっとピンチ救ったことあるくらいで思い上がるなって話ですよね。
所詮友達の弟に過ぎないのに調子乗るなよってことですよね。
ちょっと凹むぜ……。
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