住民達が準備にいている中、俺は人手をどうしようか悩んでいた。

紋章Lv4

ライフ 40/40

攻撃力 3

防力 3

マナ : （赤×2）（緑×18）

加護：マナ喰らいの紋章「心臓」の加護

裝備：なし

補正：自の初期ライフ2倍

+1/+1の修整

召喚マナ限界突破6

［SR］ 猩紅しょうこうのダイヤモンド （2）

［マナ : （赤）］

［マナ生（赤）］

［生贄時:マナ生（赤x2）］

［耐久Lv1］

［SR］ マナ封じのペンダント  （1）

［マナ : （赤）］

［マナ生 : （赤）］

［マナ生限界2/10］

［耐久Lv1］

支配下にあるモンスターは、確か計15。

こちらに連れてきているのは4。

赤マナは4に、緑マナは13だ。

この集落の人達を守れるくらいの戦力はしいけど、今いるゴブリン達だけだとやっぱりし心許ない。

それにワイバーンのい皮を切り裂けるくらいの武も必要だ。

（……あ、武か！）

すかさずデッキを確認する。

［SR］ 心繋きずなの寶剣　（5）

［裝備補正　+X/+0　※Xは支配モンスターの數］

［裝備コスト（3）］

［耐久Lv2］

（……あった）

このデッキにっていた唯一の裝備品。

支配モンスターの數だけ攻撃力が上がる、不思議な武。

小型モンスターを大量に召喚して、この武で止めを刺すといった戦略のキーカードだ。

ただ、そもそも敵プレイヤーにリーチの短い武で攻撃できる狀況自が稀なため、ゴミSRとして扱われているカードでもある。

召喚コストも、裝備コストも安くない。

耐久Lvも低いため、呪文ですぐ破壊される。

更には、小型モンスターを大量に召喚して維持できる戦況もそんな簡単には実現できない。

故にゴミSR武。

（でも、この世界なら相當強いんじゃないだろうか……）

この時點で、既にマサトは15のモンスターを支配下に置いていた。

ということは、これを裝備するだけで +15/+0 である。

（……それ強くね？）

マナも潤沢にあるので、今のうち召喚しておこうと決斷する。

（これでワイバーンも楽に捌けるはず）

俺は、主に緑マナを使うイメージをしながら、裝備品の召喚を行った。

「心繋きずなの寶剣、召喚」

大気中から緑の淡い粒子が目の前に集束し、刀のないT型の柄が目の前に現れた。

心繋きずなの寶剣のグリップを、握ったり念じたりしてみるが、何も起きない。

（やっぱり裝備コストを支払わないとダメか）

今度は、裝備コストを緑マナで支払うイメージで念じる。

すると全から柄へと緑の淡いが走った。

紋章Lv4

ライフ 40/40

攻撃力 3 → 18

防力 3

マナ : （赤×2）（緑×18 → 10）

加護：マナ喰らいの紋章「心臓」の加護

裝備：心繋きずなの寶剣 +15/+0

補正：自の初期ライフ2倍

+1/+1の修整

召喚マナ限界突破6

攻撃力18！！

バトルを一発で終わらせるくらいのエンド級の強さになった。

これで、こっちの攻撃さえ屆けば、大抵のは破壊できるはず。

ただ、MEでは武を破壊できる呪文があるから過信はできないが。

心地よい全能に包まれながら、改めて寶剣の柄を握り直す。

そしてイメージする。

る刀が生えるイメージ。

すると、柄から半明に輝くの刀が出現した。

（おお、これは最高にカッコいい！）

刀の長さは10cm〜1mくらいまで自在に変えることができたが、灣曲させたりはできなかった。

でもまぁ十分チートだろう。

解道の目処をつけたマサトは、次に人手について考え始めた。

（うーん、人手…… 人手ねぇ……

手持ちのマナでゴブリン5～10くらいは一気に數を増やせるけど、長期的に考えた方がよい気もする……）

今一気に増やすか、長期スパンで倍々に増やすかで迷う。

（マナは有限だからなぁ。

まぁ、ゴブリン15フルで稼働させれば運搬くらいなんとかなる気も。

うん、今増やすより、今後のことを見據えて大量に増やす方向のがいいか）

今後の方針を決めると、魔法陣を展開する場所について相談するため、マサトはネスへ相談しに向かうのだった。

◇◇◇

「ゴブリンを召喚する魔法陣を、この集落に？」

「はい、私が使役するゴブリンを、毎日１ずつ、自召喚する魔法陣をこの集落のどこかに設置したいのですが…… ダメですかね？」

ネスさんは、し驚いたような表のまま固まっている。

（やっぱり唐突すぎたかな……

そりゃいきなりよそ者から村の中にモンスターを召喚する魔法陣作っていいかと聞かれたら不安になるよな……

あーくそ、失敗した……）

「いくつか、質問しても？」

ネスさんは直から復帰すると、驚きの表から一転、真剣な表になった。

そして相手の思考を読むような鋭い眼で、いくつかの質問を切り出した。

「そのゴブリンが、私たちを襲わない保証はありますか？」

「は、はい。私が使役するゴブリン達は皆一様に私と意識が繋がってますので、私が命令しない限りは、間違っても危害を加えることはありません」

「もし仮に、私たちに危害を加えてきたら…… マサト君はどうしますか？」

「私の命令なしに、守るべき対象に危害を加えることがあるとすれば、それは悪意に対する自己防衛か、その行為が最良の手段かのどちらかのはずです。悪意を持ってこの集落の人に危害を加えるようなことはありえません」

ネスさんが抱くのはごく普通な不安だ。

そしてその可能はないと斷言できる自信がなぜか自分にはあった。

これもゴブリンとの繋がりをじられるからだろうか。

ただ、それを相手に証明するとなると難しい問題だ。

結局は、信じてもらうしかない。

「では、この集落にその魔法陣を作る理由は何ですか？」

「この集落を守りたいから…… じゃ、ダメですかね」

「なぜ、この集落を守りたいと？」

「それは…… こんな過酷な環境で暮らす人達の助けになりたいと思ったからです。いや、自分なら助けになることができるという驕りも正直あります。でも、レイアに対して向けられた皆さんの笑顔を見て、溫かい気持ちになったのも事実です。寢床をお借りする恩もあります。そんな理由では、ダメでしょうか……」

邪な気持ちなど一切ない。

それだけは事実だ。

俺の気持ちが伝わったのか、ネスさんは表を崩しながらこう言った。

「マサト君の想いは伝わりました。きつい言い方での質問になってしまって申し訳ありません。私も集落の皆の命を預かっている、皆の安全については妥協できないのです。どうかお許しを」

「あ、いえ、そんな……」

「魔法陣は、そうですね…… 集落の北西側の壁沿いに窟があったはずです。そこを自由に使ってください」

「あ、ありがとうございます！」

「いえ、お禮を言うのはこちらの方ですよ。ご存じの通り、この集落には戦える者がない。外敵からを守ってくれる存在が増えるのは、それだけでありがたいものです」

ネスさんと暫く話をした後、俺は集落の北西側にあるとされる窟へと向かった。

集落の北西側は、ガルドラ山脈の麓にあたる褐の巖山が隣接していた。

ところどころに大小の窟がある。

どうやら倉庫として使っているようだ。

一番大きな窟にると、中に木箱が積まれているのが目にった。

奧は暗くて見えない。

俺は寶剣を取り出して、刀を出現させる。

案の定、の屆かなかった窟が見渡せるくらいの明るさになった。

（ライト代わりに使えるとか、なんて萬能な剣なんだ…… いや、夜に使ったら悪目立ちし過ぎるから使い難いかも？）

窟は外と違いひんやりとしている。

先へ進むと窟も徐々に狹くなっていった。

天井に手が屆くくらいの高さになったところで立ち止まる。

（これ以上先に何があるのかわからないけど、この辺でいいっしょ）

「ゴブリン召喚の大魔法陣！」

（と、もういっちょ！）

「ゴブリン召喚の大魔法陣！！」

赤と緑の淡い粒子が、暗闇を幻想的に照らしながら幾何學模様を構築していく。

の線は壁を這うように浮かび上がり、魔法陣を形どっていく。

紋章Lv4

ライフ 40/40

攻撃力 18

防力 3

マナ : （赤×2）（緑×10 → 6）

加護：マナ喰らいの紋章「心臓」の加護

裝備：心繋きずなの寶剣 +15/+0

補正：自の初期ライフ2倍

+1/+1の修整

召喚マナ限界突破6

［SR］ 猩紅しょうこうのダイヤモンド （2）

［マナ : なし］

［マナ生（赤）］

［生贄時:マナ生（赤x2）］

［耐久Lv1］

［SR］ マナ封じのペンダント （1）

［マナ : なし］

［マナ生 : （赤）］

［マナ生限界2/10］

［耐久Lv1］

マナを大量に使うと、なんだか気分がいい。

散財したときの爽快というかなんというか。

取り急ぎ、この窟には見ゴブ1を見張り役として立たせておく。

（召喚されたゴブへの案役として一応ね。大丈夫だとは思うけど）

窟を出ると、いつの間にか青かった空が赤く染まっていた。

日がガルドラ連山へ沈み、麓にある集落はゆっくりと暗闇に包まれていく。

そしてぽつぽつと家々に明かりが燈り、食を唆る炊き出しの匂いが風に運ばれてやってきた。

人がいる。

今はそれだけで安心する自分がいた。