《【書籍化】マジックイーター 〜ゴブリンデッキから始まる異世界冒険〜》25 -「異世界6日目:ローズヘイム へ出発」

紋章Lv4

ライフ 40/40

攻撃力 21

力 3

マナ : (赤×2)(緑×6)

加護:マナ喰らいの紋章「心臓」の加護

裝備:心繋きずなの寶剣 +18/+0

補正:自の初期ライフ2倍

+1/+1の修整

召喚マナ限界突破6

昨日の夕方に、集落の魔法陣から2ゴブリンが召喚され、配下は18になった。

毎日3は自で増えるから、1ヶ月経てば100を超える。

ただ、人口が増えると問題になってくるのが食糧問題だ。

幸い、ゴブリンは雑食の極みにあるので、人間が食べないような蟲でも平気で味そうに食べる。

なので今のところは大丈夫だが、ちゃんと先々のことを考えておかないと大変なことになるだろう。

ネスさんには、留守中にゴブリン達を好きに使っていいと説明しておいた。

街で農作の種を買うことも忘れないようにしようと思う。

レッサードラゴンの卵は、予定では昨日羽化するはずだったのだが、まだ羽化する気配すらない。

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ネネが必死に溫めたり話しかけたり世話してくれているらしいので、そのままネネに任せることにした。

勿論、見ゴブを常に護衛として付けてあるので大丈夫だろう。

一通り準備を済ませ、ネスの里を出ようとすると、ワイバーン運搬の手伝いをしてくれた3人組(ガル、ポチ、ゴリ)と、ネスさんとネネが見送りをしてくれた。

「気ぃ〜付けぇろよ〜」

「お土産期待して待っててもいいですよねっ!? ねっ!?」

「ネネも! ネネもお土産しいっ!」

「マサト君、あなたなら何も心配ないと思いますが、森の移は十分に気を付けてください。それと、しで良いのでレイアにも気を掛けてくれると、里の長として嬉しいですね」

「え? あ、はい。もちろんですよ。任せてください」

「ちょっ、ネス! 何を言っている! マサトも真面目に答えなくていい!」

「あーっ! レイア照れてるーっ! かわいーっ!」

「ネネ! 私は照れてなどいないだろう! 噓をつくな!」

「ガハハっ! 賑やかな見送りになったな! 1人だけ寡黙な奴が混ざってるがぁな!」

「……行ってらっしゃい。気を付けて」

「あっ! ゴリさんが珍しく喋りましたよ! ガルさん!」

「ポチ、そりゃあゴリも潰れてる訳じゃねぇ〜んだから喋るくらいするだろ。なぁゴリ? ガハハ」

賑やかな見送りに後ろ髪を引かれながらも、必ず戻ってくると皆に約束して集落を出る。

隣にはダークエルフのレイアがいる。

お互いにカーキのフード付きローブを著ており、気分はさながらファンタジー世界の主人公気取りだ。

気分がとても良い。

冒険しているという実が芽生え、それがワクワクとなってを駆け巡っている。

気持ちを落ち著けないとスキップしてしまいそうな気分だった。

(なんか…… 現実世界より充実してる気がするなぁ……)

集落を出て歩くこと數時間。

一つ気付いたことがある。

それは長時間歩いた程度では疲れないということ。

傷の回復スピードもそうだが、この世界では回復力というものが現実世界よりも強くなっている気がする。

は試しとレイアを背負い、更に走ること數時間。

「マ、マサト。そ、そろそろ、休憩しないか?」

「あ、疲れた? じゃあ休憩しようか」

人一人背負って走っても、軽いジョギングをしているのと変わらない程度の疲労

これなら5日と言わず、2日くらいで辿り著けるんじゃないだろうか。

適度な巖に腰掛けながら考え事をしていると、ふと視線の先で何かがいた気がした。

「野犬共だ。奴らは賢い。恐らくあの一匹は偵察だろう。この匂い袋がある限り近付いてくることはないと思うが……」

(野犬か…… 集団で襲ってこられたら厄介だな…… 警戒しておこう)

「剣牙獣にジャガーに野犬にワイバーン…… 後何が出るの?」

「そうだな。火傷蜂ヤケドバチや腐毒蛾フドクガ、巖熊ロックベアや木蛇ツリーボアあたりは特に注意が必要だな」

「蟲の名前が如何にもなじで嫌になるな…… 腐毒って、れた箇所が腐る系の毒?」

「そうだ。腐毒蛾フドクガに接近を許してしまった時は、失明くらいは覚悟しておいた方がいい」

「運が良くて失明なのか。蟲怖すぎる」

「安心しろ。腐毒蛾フドクガのテリトリー付近は、草木が鱗で白くなっているはずだ。周囲の警戒を怠らなければ遭遇は避けられる」

「それ先に言って!? 俺何も考えずに突っ走ってたからね!?」

「私が警戒していたから大丈夫だ」

「この森、俺の想像以上に危険がいっぱいだった……」

巖熊ロックベアは巖に擬態した大熊、木蛇ツリーボアは木に擬態した大蛇とどちらも怖いが、毒系じゃなければ多分大丈夫だろう。

レイアを背負いながら移と休憩を繰り返し、夜は大木の枝の上で仮眠を取ることになった。

夜中に何回か木の上から落ちたが、まぁ慣れてないから仕方ないだろう。

高所から落ちても痛いで済むのだから今一危機が湧かなくて困るが……

異世界6日目はほぼ移で終わるも、マサトの気持ちは終始晴れやかなものだった。

――數日後

二人は都市に行くことで大きな波を巻き起こすことになるのだが、この時の二人は知る由もなかった。

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