《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》こんな村人がいたら勇者なんていらないんじゃないかな
「はは……なにを言うかと思えば」
額に手を當て、乾いた笑いを浮かべるアルス。
「まさか、そのが実は善良な心の持ち主でしたーーみたいなことを考えているわけではあるまいな!」
「…………」
シュンは答えない。
「よく聞け! そいつはな、昨日、とある村を襲ったんだ! 村人たちはいま、この窟に捕らえられている。俺は彼らを助けにきたんだよ!」
「あっそ」
今度はシュンが乾いた笑みを浮かべる番だった。
「ちなみに、その村人たち、もう俺が助けてあるから」
「……なんだと?」
渋面をつくるアルスに、シュンはひょいとある方向を指さした。
薄暗い窟の壁際に、中年の男が二人、シュンを見守っていた。アルスに睨まれるなり、ひゃあとを隠してしまったが。
「あれな、俺の親。めんどくせーことについてきやがった。他の奴らはもう、とっくに帰ってる」
「ば……馬鹿な……」
アルスは二の句が浮かばず、ただ呆然と立ち盡くした。
てっきり噓だと思っていた。
ここまで反則的な強さを持つ男が、まさか本當に村人であるはずがないと。
なにも言えないアルスに、シュンは言葉を続けた。
「んでもって、村を襲ったのはロニンじゃねえよ。魔王の命令だ。途中でモンスターに吐かせた」
「……なんだって?」
「もしロニンが勇者に負けそうになったとき、村人を人質に取るつもりだったらしいな。つまりこれは全部、魔王の計らいなんだよ」
そして、アルスはそのことをまったく知らなかった。
決めつけていたのだ。
村を襲ったのはロニン。村人を捕らえたのもロニン。
すべて、ロニンが悪いのだと。
「な、わかったろ?」
とシュンは言ってみせた。
「あんたはロニンのことを実際によくわかっていない。なのに、すべての元がロニンだと思っていた。これがどんなに馬鹿馬鹿しいか、わかるか?」
「ぐ……」
アルスはなにも言えなかった。悔しさを抑えつけるように、歯をきりきりと軋ませる。
それだけシュンの言い分は正しかった。
ロニンはまだ世界を知らないのだ。
ただ魔王の娘というだけで、人類の憎しみと殺意をそのにけてしまっている。
ロニンという、小さなの子の本質も知らずに。
すっかり論破されてしまったアルスは、どうしても劣等を抱かずにいられない。
このシュンという男はいったいなんなのか。
この強さ、この思慮深さ。
すべてにおいて、村人の域を超えている。
もしかしてーー《勇者》である自分すらも。
「お……おのれ……」
いつしか、その劣等は憎悪に変わっていた。
アルスは剣の先をシュンに向け、なかば自棄になって言った。
「貴様がなんと言おうと、そのは魔王の娘。本質がどうであろうと、殺すべき宿命の敵だ。もし邪魔するのであれば、貴様とて殺してやるぞ」
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