《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》圧勝劇

「やれやれ……」

シュンはぽりぽりと後頭部を掻いた。

ーーやっぱ戦う羽目になったか。

めんどくせぇ。

シュンは寢ぼけ眼をこすりながらも、《勇者》アルスの鬼気迫る眼を真正面からけ止めた。

自分が間違ったことをしているとは思っていない。

いくらモンスターといえど、問答無用で殺すのは間違っている。

それでは人間もモンスターと同様だ。

ふいに服の裾を引っ張られるがあった。

振り向くと、うつむいたロニンが、控えめにシュンの服を摑んでいた。

「なんだよ?」

「なんで……お兄ちゃんは私を守ってくれるの?」

もじもじするロニンに、シュンは肩を竦めてみせた。

「さあ。知らん」

「へ?」

「とにかく下がってろ。巻き込まれて死なないようにな」

「う……うん」

言われた通り、ロニンは數歩下がった。そのまま逃げ出せばいいものを、律儀にシュンを見守っている。

それだけ、ロニンはこの村人に興味が湧いていた。

かつて自分にこれほど優しくしてくれた者なんていなかったから。

そりゃあ魔王の娘だし、ちやほやされたりはしたが、どこか他人行儀のようなものをじていた。父でさえロニンをそのように扱っているようにじた。

けれど、シュンは違う。

態度はかなりそっけないけれど、自分のことを真に気にかけてくれている。

そんな気がした。

ーーだから、勝って。お兄ちゃん。

というは長く続かなかった。

まさに一瞬の出來事だった。

猛然と振り下ろされた勇者の剣を、シュンは軽々と避けきってみせた。

そして。

シュンは人差し指だけを立てると、勇者の額にそっとれた。

それだけ。

たったそれだけだった。

勇者のはビクンと痙攣けいれんした。

そのままガクンと膝を落とし、白目を剝いて倒れた。

そうして、あまりにも呆気なく、村人と勇者の戦いは終わったのだった。

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