《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》これが俺にできる唯一のこと

やっと家に著いた。

ふわあっと大きな欠をしながら、シュンは自宅の前で背びした。

ーー疲れた。マジで。

先の戦いを除けば、ほとんど外出などしなかったシュンである。

それがロニンにねだられたからとはいえ、自分から外に出るとは。

口の端に自嘲の笑みを刻みながら、シュンは扉の取っ手を摑む。

瞬間。

シュンはぴくりときを止めた。

ーーこの気配。

まさか。

シュンは険しい表を浮かべたまま、沈鬱な聲を発した。

「ロニン。先にってろ」

「……え?」

目をぱちくりさせるロニン。

「大事な用を思い出してな。すぐに帰ってくる。先にってな」

「う……うん」

ロニンには否やのあろうはずもなかった。

むしろ、一刻も早く帰宅しなければ、せっかくの引きこもり生活が無駄になる。

言われるままに、ロニンはひとり家にった。

ーーでも、変だ。

シュンが《大事な用》だって?

ほとんど村民と流がないくせに、いったいなんの用があるというのか。

さっきまであんなに帰りたがっていたのに。

それら不審な點はあったものの、ロニンは素直に自室に戻った。

妙なさわぎを、無理やりに抑えつけながら。

ーーやはり來たか。

妙なさわぎを無理やりに抑えつけながら、シュンは走っていた。

途中、驚いたように村人たちが振り返ってくるが、気にしていられるほどの余裕はない。

ーー急がなければ。

ーー急がなければ。

さっきじた悪寒。

あれは気のせいなどではない。

間違いなく、大量のモンスターが村に向かってきている。

そして、その原因も明らかすぎるほどに明らかだった。

魔王の娘、ロニン。

モンスター中でも地位の高い彼を、魔王側が放っておくはずがないのだ。

きっとこの一週間、死にもの狂いで捜索していたに違いない。

こうなることはわかっていた。

魔王の娘を匿かくまうということは、これだけの危険が伴うのである。

しかし、それでも約束したのだ。

最低でも彼が《引きこもり》を取得するまでは守ってやると。

たかだか一ヶ月間。

には冷たい男だと思われたかもしれない。

だがシュンにとっては途方もなく長い日數でもあるのだ。

それでも構わない。

そもそも良いイメージを持ってもらおうとも思っていない。

ただ、ロニンというのため。

シュンは村から遠く離れた場所へとひたすらに走った。

それが、分かちあえるはずもない彼のためになると信じて。

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