《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》貞だから仕方ない

「つ、辛い……」

ベッドで寢返りを打ちながら、ディストはいた。

引きこもり生活を始めて一週間。

なにもすることがない。

隣の部屋でロニンと會話する分には《レベルアップ》に支障ないが、それだと長速度が遅いらしい。

やはり、自室に完全にこもってこそ真の引こもりであるーーなどと村人はドヤ顔で言っていた。

納得できないが、いまは従うしかない。なにしろシュン自がレベル999なのだから。

隣室のロニンといえば、音たてずじっと引きこもっている。部屋から出たようすもない。

素直にすごいと思う。

魔王城では、暇を持て余して部下にちょっかいばかりかけていたのに。だからおてんば娘などと呼ばれていたのに。

ーー変わられましたな、ロニン様。

その長が、嬉しくもあり寂しくもじる。

ロニンが変わったのは、ディストではなくシュンのおかげなのだと。

ならば、俺も頑張るしかない。

引きこもるだけで本當に強くなれるのか。どうしてもそこに疑問をじてしまうが、どうせいまは足を痛めている。   

どの道俺には引きこもる以外の選択肢はないのだ。

そう思って再び寢返りを打とうとした瞬間ーー

「うぎゃーーーー!」

突然の悲鳴で意識が覚醒した。

いまの聲はーー間違いなく……!

「ロニン様!」

いてもたってもいられず、ディストは自室を飛び出した。

隣室の扉を勢いよく開けながら、大聲を張り上げる。

「ロニン様、どうされましたか!」

「ディ、ディスト……こ、これ……」

顔を真っ赤にしながら床にへたれこんでいるロニン。

その手に持っているのは。

が描かれた、すけーべな本。

「これがベッドの下にあって……ディスト……なにこれ……?」

「いや、なにと言われても……」

口ごもるディスト。

おおかた、あの村人が隠すのに失敗したに違いない。

ーーあの不敬者が。ロニン様になんてものを……!

「ちょいと失敬。村人に問いつめてきますゆえ、その本を貸していただけますかな」

「う……うん……」

おそるおそるといった表で本を差し出してくるロニン。

その怯えた表。可そうに。本當に怖かったんだろう。  

怒りを発させながら、ディストはロニンの部屋を出ると。

すけーべな本の表紙をひらと見やった。

ごくりと唾をのむ。

ーーどうしよう、村人を怒鳴るのは當然としても、なんか……

ディストは周囲を見回すと、自室に戻り、その本をこっそり楽しんだのであった。

ディストは貞であった。

ーーそのような波えながら、シュンの《引きこもり修行》は続いた。

    人が読んでいる<引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください