《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》引きこもりの無雙劇
「な、なんだこいつは!?」
「強い、前よりはるかに強いぞ!」
ディストの暴れっぷりに、モンスターたちも驚きを隠せない。
「ふはははは! だから言っているだろう! 俺はロニン様のご加護をけているのだと!」
「い、意味わかんねえんだよ!」
悪態をつきながら、次々と襲いかかってくるモンスターたち。
魔王城からも続々とモンスターたちがやってくるが、ディストは華麗なまでに薙ぎ倒していった。
ーー意味がわからないか。俺もだよ。
実際、ディスト自も驚きであった。
この強さ。この力。どれを取っても以前とは比べにならない。
そりゃあ元幹部だし、そこらの一般モンスターに負ける気はしない。
けれど、これだけ多くの敵を相手にするのはさすがに無理だった。力が持たない。
にも関わらず、疲労はいっこうに訪れる気がしない。 
まだまだ俺は戦える。その気になれば一人でも奴らを全滅できる。
「グルルルルラアアア!」 
び聲とともに、ゾンビが襲いかかってくる。知のかけらもない、ただの當たりだ。
「よっ!」
その攻撃が屆く前に、ディストはゾンビの額に手刀を浴びせた。ほんの軽く、だ。
「ガッ……」
たったそれだけで、ゾンビは倒れてしまう。
おそらく、自分のになにが起きたかわかっていなかったろう。
ーー素晴らしい!
これが引きこもりというものか!  
ディストが悅に浸っていると、ふいに、敵からの攻撃がぴたりとやんだ。
誰もまったく仕掛けてこない。
「つ、強い……」
「勝てねえよ……」
どうやら諦めてしまったらしい。ディストを円形に囲んだまま、モンスターたちはじろぎもしない。
「どうした諦めるのか? 俺はまだピンピンしてるぞ」
「ぐ……」
それでもモンスターたちはかない。
ーーこれで終わり、か。
作戦はとりあえずの功を納めたと言っていいだろう。
城下町には、気絶させられたモンスターたちのがうずたかく積まれている。
あとは、こいつらも気絶させて、俺も城のなかへ……
ディストがそう考えた、その瞬間。
「なにを手間取っている」
ふいに、地に響くような太い聲が聞こえた。
「四天王様!」
「お待ちしておりました!」
モンスターたちが敬禮して、列の間をあける。
その隙間に現れたのはーー大柄の獣男。
全が黒りするに包まれており、その軀は見上げんばかりに大きい。
二つの赤い眼球と鋭い牙。
奴から発せられる兇暴的な立ち居振る舞いに、ディストとしても寒気をじずにはいられなかった。
ーー四天王か。わざわざ城下町に出向いてくるとは……!
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