《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》それでもおまえは魔王なのか

ーーなんて。

ーーなんて馬鹿馬鹿しい結末なの。

父親とセルスを見下ろしながら、ロニンは必死に激を抑え込んでいた。

それは怒りによる震え。

力強く両拳を握り締めなければ、自我を保つ自信がなかった。

魔王城の最上部。

天蓋付きの白いベッドに、魔王が好んで弾くオルガン。漆黒の絨毯には埃ひとつ落ちていない。

見慣れたはずの父親の部屋。

だがそこに、いてはならない者がいる。

セルス。

ロニンの敵対者にして、時期魔王の有力候補者。

そんなが、父と的接を持っていた。

おそらく、父がロニンを見捨てことと無関係ではあるまい。父は自分のに負け、ロニンを捨てたのだ。

そして。

許せないのはそこだけではない。

ふと耳を澄ませば、モンスターたちのび聲があちこちから聞こえてくる。

おそらく、ディストと一般モンスターとの戦いが、いまも続いているのだろう。つまりモンスターに負傷者が続出しているのだ。

なのにーー

そのモンスターの頂點に立つ男は、そんな悲鳴をまったく無視してかき消して、ひとり事にいそしんでいる。

それでも……

それでもおまえは魔王なのか!

ロニンの気迫のこもった眼力に、魔王は一瞬だけたじろいだようだった。

だがすぐに平靜さを取り戻し、銀の長髪をかきあげながら立ち上がった。

「これはこれはロニンよ……久々ではないか」

ぎろりと睨みつけたまま、ロニンは父の全を見回した。

長い銀髪が腰のあたりまでび、白の小顔はなかなか形に見える。

瞳は紺碧に輝いており、強者たる雰囲気を強く漂わせていた。

これからぐところだったのであろう、漆黒のマントが若干れている。

數秒ののち、ロニンは冷たく言い放った。

「……あんたに、魔王の資格はない」

「ほう? しばらく見ない間に隨分とでかい口を叩くようになったじゃァないか。ん? いったいなにがあったのだ」

父の威圧的な言にも、ロニンはまったくじなかった。

ただまっすぐと、力強い瞳で魔王と対峙する。

魔王は面倒くさそうに舌打ちすると、ロニンの肩越しからシュンに目をやった。

「貴様の差し金かな? 要注意人Bよ」

シュンはいつも通りの飄々とした態度で肩を竦める。

「ちげーよ。おめェがあまりにゲスすぎるからじゃねえのか、魔王さんよ?」

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