《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》學園へご招待

「あ、ああ、ああんっ」

「だ、駄目だ。イク、イクぞぉ!」

「お願い、イクなら一緒に!」

「あああああっ!」

どうでも良いけど、賢者タイムで自分のナニを拭くときって、なんとも言えない虛しさがある。

「……ふぅ」

そんなことを思いながら、シュンは濡れた紙くずを放り投げた。

スカッ。

殘念ながらゴミ箱にはらず、床に落ちてしまった。

「めんどくせー」

ぶつぶつ言いながら、シュンは立ち上がり、紙くずをゴミ箱に捨てる。

魔王との戦いから一ヶ月。

シュンはひとり、平穏無事な毎日を過ごしていた。いつもの引きこもり生活である。

ベッドで寢転がり、腹が減ったら菓子を頬張る。退屈になったら本を再読するか、すけーべな本を開いてオナニーする。それの連続だ。

特になにも起こらない惰の日々。

反して、ロニンやディストは現在、魔王城で多忙な日々を送っている。なにせ二人は魔王とその側近なのだ。さぞ忙しいことだろう。いまは領地を拡大するために闘しているとのことだ。

そしてすなわち、それは人間側の土地を奪うことを意味する。

シュンとしては複雑な気分だった。ロニンを応援したいところではあるが、モンスターの行範囲が広がれば、それは他の人間が苦しむことに直結する。

人間とモンスター、雙方がバランスよく共存するーー

それはムシの良すぎる考えなのだろうか。結局どちらかが泣きを見るしかないのか。

そんな答えの出ないことを考えてしまい、シュンは大きなあくびをする。

ーー考えるだけ無駄だ。めんどくせぇ。

シュンは自室を出て、リビングにった。買い溜めしていたパンを取るべく、棚に手をばす。

だが。

ーーない。

「ありゃ」

シュンは思わず素っ頓狂な聲をあげる。

そういやつい最近、全部食べちまったばかりだったな。すっかり忘れていた。

そうなると、まずいことになる。

村人救出の際に貰った資金や食が盡きつつある。あと數日もすれば、俺は死へのカウントダウンを迎えることになる。

よくよく考えれば、それも當然だ。

合計で四ヶ月も引きこもっていたうえに、うち二ヶ月半はロニンとディストを養っていたのだ。村人から譲りけた資産など、湯水のごとく消えてなくなっただろう。

やべ。どうしよう。

いい加減に働くしかないのか?

いや、絶対に嫌だ。なにがなんでも働きたくない。

ーートントン。

そんなことを考えていると、ふいに扉をノックする音が聞こえた。リビングの扉ではなく、玄関からだ。來訪者である。

「はいはい」

シュンはズボンを履くと、玄関の扉を開ける。

顔を出したのは母親であった。

「あ、シュン。起きてたのね」

「なんだよ」

しかめ面で答えるシュン。

「あのね、別に嫌だったらいいんだけど……都から連絡が來てるのよ。あなたに學園に學してもらいたいって」 

ーー學園。

「それだ!」

シュンは思わずび聲をあげた。

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