《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》ぼっち確定フラグ

とうとう學式だ。

シュンは制服に著替え、姿見で自分の姿を確認する。

すこし大きめのブレザー。順調に學園生活が送れれば、これを今後三年間も著ることになる。

隣ではロニンも著替えを済ませていた。紺のセーラー服に、元には赤いリボン。大きなも相俟って、かなり似合っている。年頃の男子學生ならば間違いなく二度見してしまうだろう。

シュンはおもむろにロニンのをパンパン叩いてみた。

「あっ……。な、なにするのいきなり!」

尾が出てねえか確認したんだよ。ほんと、バレねえように気をつけてくれよ」

「だ、大丈夫ですぅ!」

をさすりながら、ロニンは顔を赤くした。見たところ、本當に尾は出ていない。これなら大丈夫そうだ。

「でもお兄ちゃん珍しいね。ちゃんと起きるなんて」

「俺はやるときゃやるんだよ」

ふっと笑いながら、シュンは鞄を持ち、部屋を出た。慌ててロニンも後に続く。

村人と魔王の學園生活が、これにて始まる。

學園ーーまたの名を、クローディア學園。

學する者は、王族、貴族、金持ちの平民。

言わば人類の將來を擔うエリートが集う學校。

となれば、その設備もふんだんに贅が盡くされていて當然だった。

校舎は白銀を基調とされており、等間隔で金箔の縦ラインが描かれている。シュンもロニンも、校舎の麗さに數秒黙ってしまった。

校門をくぐれば、広大な噴水広場。そして食堂や図書館、商店など、敷地だけでかなりの施設が並んでいる。

そして、當然ながら新調の制服を著た學生がぞろぞろと周囲を行きっている。彼らはみな、シュンたちと同級生ということになる。

「うわあ……」

ロニンは嘆の聲をあげた。

ここで彼らを抹殺すれば將來の有株が潰せるのだが、そんなことは一切頭にない。ただただ、目の前の景にしていた。

でも。

數分後、ロニンはふと首をかしげた。

「誰も……私たちに聲をかけないね」

彼らはまだ學式も始まっていないというのに、そこかしこにいる新生たちに忙しなく聲をかけている。

のだが、シュンたちには目を向けもしない。

學生らはシュンだけを殘して、互いに談笑に勤しんでいる。

「ま、そりゃそうだろうよ」

シュンは思わず苦笑した。

親から々と仕込まれたのだろう。新生たちはコネクション作りに夢中のようだ。

しかしながら、シュンはただの村人。

親が事業で功したわけでもないし、有力な貴族との繋がりもない。政治的な目で見れば、新生らにとってシュンにはなんの価値もない。

ーー早くもボッチ確定か。

「ほれ、行こうぜ」

乾いた笑みを浮かべながら、シュンはロニンとともに學式の會場に向かうのだった。

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