《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》神へと至る試練
シュンはスキルを発させた。
闇の雙剣。
前代魔王を討伐とうばつしたとき、とても役に立ってくれたスキルである。そしていまも、息子トルフィンが同じスキルを使用している。
――正真正銘、これが最後の戦いだ。
シュンは隣の息子へ視線を向けた。
すべてを察したらしい。トルフィンも首肯を返してくる。
特に合図を取り合ったわけではない。にも関わらず、駆けだしたのは二人同時であった。
「おおおおっ!」
親子の聲が重なり合う。
先頭にシュン、やや遅れてトルフィンが、神めがけて疾風しっぷうのごとく疾駆する。
二人とも世界でトップレベルの強者だ。走るだけで暴風が舞う。シュンに至ってはほとんど足に地をつけていない。
親子は勢いよく雙剣を振りかぶり、二人同時にディストに斬りかかった。
「小癪こしゃくな」
神の呟き聲が聞こえた。
「出でよ。汝なんじこそ我が砦。絶対障壁なり」
魔法か……!
シュンが気づいたのと同時、ディストの前方にエメラルドグリーンにき通る壁が発生した。
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シュンたちが打ちつけた剣は、その明な幕に阻まれ。
――カキン。
甲高い金屬音とともに、二人の剣は弾かれた。
「無駄だ。君たちもかなり強くなったようだが……創造主たる神には勝てん」
ディストは凍てつく聲を発すると、大振りな杖を橫一文字に薙ぎ払った。
次の瞬間、見えない衝撃波が親子を襲った。腹部に強烈な痛みをじたあと、シュンは後方へ吹き飛ばされた。空中でなんとか勢を整え、膝立ちの格好で著地する。
だが。
「がはっ」
シュンの隣で、トルフィンが地面に打ち付けられた。ガン、という乾いた音が室に響きわたる。
「ってえ……」
後頭部をさすりながら、トルフィンは苦い顔で立ち上がった。その様子を見るに、それなりのダメージが通ったことが予想される。
「大丈夫か、トルフィン」
「なんとかな……。くそ、やっぱり神なだけあるよな。あいつ強えよ」
無理もあるまい。
シュンはアリアンヌによって神にも匹敵する力を手にれたが、トルフィンはその限りでないのだ。
「無理するなよ。危ないと思ったら退け」
「冗談。あんなクソ野郎を前に退けるかよ」
違いない。
シュンはディストへ視線を戻した。
創造神は杖を両手に持ち、顔の前にまで持ち上げていた。しかもただならぬ威圧をじる。
――來る!
シュンとトルフィンはさっと構えた。いまから襲いかかったところで、おそらく間に合わない。
ゴゴゴゴゴ……
すさまじい震が発生すると同時、ディストの周囲に灰の霊気が現れた。それは竜巻のごとくディストを取り囲み、尋常ならざる威容を醸し出す。気のせいか、奴のまわりに骸骨の頭部のようなシルエットが見えた。
「喰らうがよい! 冥府より放たれし魔の槍そうを!」
――まずい。
常識を超えた神の霊圧に、シュンは全のが逆立つのをじた。
「トルフィン、逃げろ!」
びながら、シュンは橫方向に駆け出す。トルフィンも數秒遅れて、シュンとは逆方向に走り出した。
直後。
創造神ディストの杖から、數えるのもおぞましい大量の槍が飛來してきた。しかもただの槍ではない。一本一本が紫のオーラをまとい、極限にまで殺傷力を高められている。ひとつでも直撃すれば計り知れないダメージを負いかねない。
神なる《星合の間》の床に、魔の槍群やりぐんが無數に突き刺さっていく。その度に轟音が発生するが、シュンにはその景を眺めていられる余裕はなかった。
槍は一向におさまる気配を見せない。悪魔の手に捕まらぬよう、ひたすら走るのみ。
「ふふ。人間よ、無駄だ」
槍の雨が降り注ぐなかにあって、ディストの哄笑が嫌に大きく響き渡る。
「私は創造主。ステータスの概念を超えた神だ。MPに関係なく、無盡蔵むじんぞうに槍を生み出すことができる」
――マジかよ……
シュンは思わず舌打ちした。
無限に攻撃し続けられるとあっては、ただ逃げ回ることに意味はない。疲れるだけだ。さすがは創造神なだけあって、これまでの敵とは格が違う。
それならば……!
「トルフィン! 迎え撃つぞ!」
「お、おう」
シュンの呼びかけに、トルフィンは驚きながらも頷く。二人同時に闇の雙剣を構え、無數の槍群と相対する。
「ほう。我が魔の槍と対峙する気かね。無謀な」
「……はん。どうせ時間がねえんだ。だったら正面突破してやらあ!」
殘り時間 ――0:08――
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