《進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~》第十一話 私の答え
~sideリーナ~
私は墮天使だ。
以前は神に仕える天使の中でも最高の位である熾天使セフィラムだったが、神の反逆者として墮天使に落とされ、この迷宮に幽閉された。
それでも、この場所での生活は苦にならなかった。
それを見ていた神が怒り、私を隠し部屋に封印した。魔力を吸い続ける鎖を巻き付けて。
それでも私は死ななかった。十年間、ここに居続けた。
飲み食いできず、眠ることもできず、何もすることができなかった私は、ただ死を待つしかなかった。
そんなときだった、ヒカルが現れたのは。
魔ではなかった。ヒカルは人であった。
ヒカルは私を見た時、すごく驚いているようだった。
私は助けを求めた。魔ならともかく、人ならば話が通じると思ったから。
ヒカルは一言、「裏切らないか」という質問を私にしただけで、私を助けてくれた。
ヒカルは恩人だ。
助けてくれただけでなく、私をこの迷宮から連れ出してくれるのだから。
ヒカルはたいして何も要求し來なかったが、彼の役に立ちたかった。
だから、最下層まで目指すと言ったとき、私は自ら戦う役を買って出た。
私が戦うところを見ると、彼は驚いたような顔を見せる。
そのあと、何かを納得したように、私にしずつだが指示を出し始めた。
うれしかった。
指示を出すということは、私を信用してくれたということ。
最下層で、私があの黒い化けに攻撃が出されないよう、必死に頑張ってくれた。
だから私も一杯彼をサポートした。
最後は魔力切れで倒れてしまったけれど、ヒカルはきっちり黒い化けを倒していた。
倒した化けから得た結晶を、何の躊躇もなしに私にくれたり、私に武を作ってくれたり。私は貰ってばっかりだ。
私もヒカルに何かしたい。けれど、何をすればいいのかわからない。
だって、こんな気持ちははじめてなのだから……。
いつだったか、友人に聞いたことがある。
その人のことしか考えられなくなって、來る日も來る日もその人のことが頭から離れなくなったら、それはもう立派なだ、と。
そこで私は自覚する。
私は、ヒカルのことが好きなのだと。
「リーナ、し話がある」
ヒカルから聲がかかった。なんだろうか?
「……何?」
「俺と……」
「?」
いったいなんだろうか。ヒカルはそこで言葉を切ってしまった。も、もしかしてここで置いていく、とか?
「俺と、結婚してくれ」
へ?
私はポカンとしてしまった。
け、結婚?
結婚とは、男が生涯を共にする儀式のことだろうか。
ヒカルと私が…………?
はわわわわわっ!
ど、どうしよう!?
た、確かにヒカルのことは好きだけれど、その、いいのだろうか。ヒカルは私のようなで。
「俺のわがままで済まない。だけど、できることなら今、答えを聞かせてくれないか?」
ヒカルが私にそう言う。
ヒカルはわたしとけ、結婚したい。
じゃあ、私は、私は―――――
「…………はい」
私は、自分が今できる最高の笑顔で、そう言った。
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