《進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~》第十三話 やり過ぎ?いえ、これが普通です

転移魔方陣が発した後、俺たちは今、雲の上にいた・・・・・・。

たしかにあの転移魔方陣は転移場所がランダム設定にされていたが、流石に空中に放り出されるとは思わなかった。

これ、俺たちじゃなかったら死ぬぞこれ。

ま、とりあえず―――――

「無事に著地することが先決だなッ!」

地表まであと10メートルを切った。

そこで俺は全力で【焔魔法】を発する。

そうそう、この【焔魔法】だが、ただ進化しただけではなく、今までの【火魔法】や【炎魔法】に屬する魔法も使えるらしい。【焔魔法】だけでなくほかの魔法もこんなじだろう。

というわけで全力で魔法を発する。使う魔法は【ファイアウォール】。

自分の周りの空気を熱することによって上昇気流を起こして落下速度を落とそうという魂膽である。

殘り4メートル!

…………ボフンッという音によって俺たちはギリギリ地上に衝突しない高さで止まっていた。

なお、ここまでリーナは俺に抱き著いて幸せそうに眠っている。お気楽なものだ。

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俺は魔法を解除して、辺りを見回す。

視界に映るのは木、木、木。見渡す限りすべてが木。

「見事に何にもねぇな……」

とにかくリーナを先に起こす。

「おい、リーナ起きろ」

「うぅん……?」

リーナが寢ぼけ眼でこちらを見る。

「……ここ、どこ?」

「うん、それはさっき言った」

リーナ曰く、自分の記憶にもこんな場所はなかったらしい。

つまり、ここはリーナが封印されてからできた場所ということになる。

しかし、たった十數年程度で、そこまで変化するものなのだろうか?

「そんなことより、街に行きたい……」

リーナが俺の袖を引っ張って言う。

リーナの言う通り、ここにいるよりも街に行った方がいいな。

  だが如何せん街のある方角が分からない。

    仕方がない。しらみつぶしにいて――――

「グルオオォォォァァアアアアア!!!!」

「!!?」

「なんだ、この強力な気配は……?」

俺たちが移しようよとしたとき、突然獣の咆哮が森に響き渡った。

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この気配……あの迷宮にいたボス共よりも強力なやつだぞ。

「行ってみるか?」

俺はリーナに問う。

「うん。今の力を試してみたい」

リーナもそういうので、俺たちは強い気配のある場所に向かった。

「あぁ~、雑魚しかいねぇじゃねぇか」

あれから一時間。

ひたすら気配のある場所まで歩き続けるが、一向に見つかる気配がない。

今まで出てきたモンスターは全て倒して喰ったり、素材を剝いで腕にぶち込んだりしているが、モンスターの數は減る様子はなく、むしろ倒せば倒すほど増えている気がする。

「あぁ、めんどくせぇ~。もうまとめて殺っちまうか」

俺が気だるげにそう言うと、リーナが俺の袖を引っ張って、

「私がやる」

と言った。

リーナもガンガンやる気がなくなってきたので、鬱憤晴らしに暴れたいのだろう。

リーナは魔力を集め始めた。

……この魔力量は、おそらく超広範囲魔法だろう。

「【エターナル・ブリザード】」

【エターナル・ブリザード】。【冰魔法】レベル1で使える超広範囲攻撃型魔法である。

汎用は高くないものの殺傷能力が非常に高く、この魔法を防ぐ手段は、普通なら存在しない。

別にぶっ放すのは構わないのだが、そばに俺がいることを忘れないでほしい。

リーナの手から放たれた氷は、周囲にいたモンスターたちに無差別に襲いかかる。

たった十秒で白銀の世界が出現してしまった。

試しに氷をたたいてみるが、割れる様子もない。

周りを見渡してみると、魔だけじゃなく木や草、そこらへんに咲き誇っている花すべてが氷で覆われていた。

……リアルアイスフラワーなんて初めて見た。

俺がそう慨深く思っていると、リーナが一仕事を終えたような、すっきりした表でこちらを見つめていた。

かなり鬱憤が溜まっていたのだろう。定期的に発散させてあげなくては。

「ゴミは処理した」

「おう。見たらわかる」

俺はリーナを労いながら、気配のした方向を探す。

うーん、たぶんこっちの方向であってると思っているんだけど……。

「あぁ、考えんのめんどくせぇな。【インペリアル・バースト】」

俺はおもむろに手を気配のある方向に向けて、魔法を放つ。

【インペリアル・バースト】。【炎魔法】の中で最上級の一直線放型攻撃魔法である。

一撃が強力な代わりに、方向転換などの方向指定難しい魔法である。ただ、それを補って有り余るほどの破壊力を持ち、一度放てば、その方向には何も殘らないほどの熱量を持つ。

俺の場合、持っているスキルは【炎魔法】ではなく【焔魔法】。つまり、本來込めるべき魔力量よりも過多の魔力をつぎ込むことによって、本來発揮する威力が劇的に上昇する。

どれほど上昇するかと言われれば、原子弾から水素弾になったじだろうか。

ともかく、それほどの威力を放つ放型の炎。これをそのまま発するだけでも十二分に強力なのだが、俺はここでこの放型の炎を一転に集束させる。

本來放型で発される水を、一転に集中させて放出すればどうなるか。

答えは簡単。巖やコンクリートを軽々と貫通する水レーザーの完だ。

それを炎でやれば、貫通力が上がるだけでなく、周りのを焼き溶かすことができる。

明らかにオーバーキルなのだが、そんなことは俺の知ったことではない。容赦なくやらせてもらう。

「全部まとめて吹き飛べや」

魔法を発した直後、視界が真っ白に染まった。

世界各地で、異常な魔力量が確認された。

その量は世界を簡単に滅ぼすことができるほどだったという。

魔力が観測された直後、人間と魔族の大陸を隔てていた三つの山のに一つが消し飛んだ・・・・・。そこはもう人が立ちれる場所ではなく、何もかもがすべて焦土と化していた。

人間たちは魔王の仕業だと騒ぎ出し。

エルフたちは即座にエルフ最強と言われる防魔法を展開して余波からを守り。

魔族たちは魔神の再來だと、狂喜舞した。

後に、この現象を『炎神の怒り』という名で、次世代に語り継がれていくことになるとは、このときヒカルたちはまだ知らない。

が収まり、視界が開けた。

恐る恐る目を開いてみると、そこには一直線に延びる赤熱した道が。

……しやり過ぎたのかもしれない。

だが、強い気配もまだ消えていないから、それだけはよかったのかもしれない。

「さて、これなら進みやすくなっただろう」

俺はリーナの手を引き、奧へと進んだ。

あれから進んで約三十分。

俺たちはやっと気配の強い場所--窟に到著した。疲れた。

「さてリーナ。ここで強い(?)奴と戦うわけだが、前衛か後衛、どっちがいい?」

俺とリーナは、どちらも近距離、遠距離両方の戦闘ができる。

得意不得意というものは存在するが、それも一般人からすればかなりのレベルでくことができる。

ついでに言うと、俺は近距離、リーナは遠距離が得意である。

「今日は私が前に出る」

リーナはそう言った。

リーナがそう言うのであれば俺は特に何も言わない。

というわけで、早速戦闘準備と參りましょうか

戦闘準備に二十分かかった。

俺は雙魔銃【イルディ】&【アルディ】に【ミリオンナイフ】を。

リーナは墮神闇槍【ウロボロス】に墮天空盾【ヴァルキリア】の重裝備である。

やはり前に出る奴らは重裝備をするのがセオリーだよね。

まあ、俺の場合は軽裝備で速攻をかけるタイプだから、セオリーに當てはまらないのだが。

さあ、始めようじゃないか。

戦闘という名の躙ワンサイドゲームを。

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