《進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~》第十六話 ヒロインの方が先に神様になってました
気が付くと、俺は白い部屋にいた。
――――ここは…………
「目覚めましたか、勇者の一人よ」
その聲に、俺は振り向いた。
そこにいたのは、俺たちを異世界に転生させた神――――――名前をミルティスとか言ったか――――――が立っていた。
「私のことを覚えていたのですね」
「當たり前だ。一対一の対談をした奴なんだぞ。忘れるわけがない」
俺の答えに満足げに頷く。
「なるほど、確かにあなたの言う通りですね。神に人間が一対一で対談するなど、あなたが初めてですので」
「そうか……で? 俺をここに呼んだ理由は何なんだ?」
「それよりもまず、名乗ってくださいませんか? あなたの名前を聞いていないので」
神の力とやらでわからないのか、と思ったが名乗っておくことにする。
「俺の名前は海崎晃。晃でいい。これでいいか?」
「はい。晃さん」
最初に出會った時とは打って変わって表がかな神である。
「さて、ここに呼んだ理由ですが、二つ理由があります」
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「ふむ、まず一つ目は?」
「一つ目は、あなたが半分だけとはいえ神になったからです。人から神になることはあっても、それはあくまで現人神、つまり英雄にが生えた程度の力しかありません。
しかしあなたの場合、人から半分だけ純粋な神になりました。そのうえ、最上級霊である剣聖霊と融合し、人を辭めた存在です。そんな存在を、神の視點からすれば放っておくことはできません。しかし他の神に任せていては、々と都合が悪いのです」
「だから、俺たちを転移させたアンタが介したというわけか」
俺の出した結論に、正解です、と頷いて見せる。
「それで二つ目は?」
「二つ目の理由ですが、あなたがは先ほどれたクリスタルです」
「クリスタルってのは?」
「クリスタルとは、大昔の神が自の消滅と共に地上に殘した力の塊です。
神の因子を持ち、尚且つ力に耐えられるほどのを持っていることを條件として、封印されていた神の力を継承することができます」
「俺が今回れたのはどんな神の能力なんだ?」
「今回晃さんがれたクリスタルは全知の神のですね」
全知の神、ラプラスの悪魔みたいだな。俺も詳しくは知らないが。
「それで、その全知の神の力を矢らはいったいどういったなんだ?」
「全知の神の力、それはこの世界のシステムにアクセスることができるという力です。ただ、それは全知の神自が力を使っていた時の話なので、今ではその力は使えないものなのですが」
まあ、確かに世界のシステムにアクセスするなんて強力過ぎる力だからな。使えない方が當たり前か。
「じゃあどんな力が手にるんだ?」
「簡単に申し上げれば、【全てが記されし書アカシックレコード】と呼ばれるスキルが手にります」
【全てが記されし書アカシックレコード】?
「はい。【全てが記されし書アカシックレコード】の効果は、自分からはシステムにアクセスすることはできませんが、信することができるというスキルです。【全てが記されし書アカシックレコード】は自分が疑問に思ったことに関して答えを提示してくれるものです」
つまり町や國の場所を知ることができるわけか。
…………便利だな。
「だが、それを説明するだけに俺をこの空間に呼び出したわけじゃないんだろ?」
「その通りです。先ほどのはあくまで説明です。本當の本題は神力の使い方を教えるためです」
「神力っていうと、エクストラスキルの【神力開放】のことか?」
「アレはあくまできっかけを作るためのスキルです」
 きっかけを作るスキル?
「はい。【神力解放】とは神になりたての者たちが持つスキルであり、神力を使い続けることによって自分に適のある神だけの力に変貌します」
「つまり、俺も神力とやらを使い続ければ、俺専用の力になるってことなんだな?」
「そうですね。何の力が発言するかは我々神にもわかりません」
なるほど、によって當たり外れがあるわけか。まあ、神の力にはずれなんてあってないようなもんだろうけど。
「それで、使い方を教えてくれるってことだけど、どういう意味だ?」
「そのままの意味です。この神界であなたには神力の使い方を學んでいただきます」
「ふむ、學ぶとはいうが、神力の使い方を覚えるのにどれくらいの時間がかかるんだ?」
俺の問いかけに、神はし考えるようなしぐさをする。
…………リーナはカワイイ系なのだが、この神はクール系のなので、こういう仕草がかなり様になっている。
「そうですね。持っている力と才能にかなり影響されるので、だいたいの憶測になりますが、おそらく短めに見積もっても2年はかかりますね」
に、2年だと!?
「な、なぁ、もうちょっと短くできないのか? 俺、向こうに人を待たせてるんだけど……」
「あぁ、あの墮天使ですね。いえ、今は墮熾天使でしたか。それなら心配はいりませんよ」
へ?
「彼の稱號は確認されましたか?」
「ああ、確か『神の領域に踏み込みし者』だっけ?」
「ええ、その通りです。彼はつい先ほど墮熾天使になりました。それに加え、クリスタルのを浴びたことによって、新たな神として生まれ変わったのです」
え?
ちょ、ちょっと待って? もしかしなくてもリーナさんって、俺よりも早く神になっちゃったの?
…………今更だけど、俺もだけどリーナもかなりチートだよね。
「ですが、いくら神になったといっても最初から神の力を使えるわけではありません。ですので、私の友人に頼み、彼もこの神界で鍛えることになりました」
へぇ、神になっても最初から力が使えるわけではないのか。
言われてみたらその通りだよね。最初から使えてたら【神力解放】なんてスキル必要ないもんね。
それなら、神界で特訓っていうのも悪くないかもしれないな。
「ああ、一つ質問いいか?」
「はい、何でしょう?」
「ここの時間って、元いた場所とどれくらいの時間差があるの?」
「だいたいですが、向こうでの一秒間がこちらでいうところの一週間に當たりますね」
ま、マジか…………神様ってスゲェ……。
「ま、まあいいか。それじゃあ2年間お世話になります」
2年も一緒にいるんだ。挨拶はしておかないとな。
「こちらこそ、よろしくお願いしますね。それと言っておきますが、私は心を読めるので、あまり恥ずかしいことは言わないでくださいね……」
神がしだけ頬を赤らめて言った。
……マジか。
俺は先ほどのことを恥ずかしく思いながら、神との特訓を開始した。
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