《進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~》第二十八話 テンプレ?知ったことではない

ドロルさんたちと別れて、俺たちは冒険者ギルドに向かった。

さすがに道に迷ったりするかとも思ったが、迷わずに行くことができた。

なにせ、門をまっすぐに歩いて中央広場に出てすぐに看板が見えたのだ。これで迷うほうがおかしいだろう。

「さて、早速冒険者ギルドに來たわけだが、どうしようか」

俺の問いに、リーナはしだけ首を傾げ、どうしたの? という目でこちらを見つめる。

し面倒ごとが起こりそうでな」

俺の言っていることが理解できないのか、ひたすらに首をかしげる。

まあ、ってみたらわかるか…………。

――――――チリーン――――――

そんな鈴の音とともにってくる俺たちを見つめる、複數の目。

……ふむ。

「すまない、付はここであっているだろうか」

俺の問いかけに呆然としていた付嬢がハッと正気に戻ったような顔をして、慌てて俺の問いに答える。

「は、はい! ここが付であっていますよ。依頼ですか?」

「いや、新規登録だ」

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「し、新規ですか……。わかりました。ではギルドカードを発行するために魔力測定をする必要がありますので、この水晶に手を置いてください」

俺はその水晶に【究極鑑定】をかける。

【魔測定の水晶・中】

魔力を測定するために使用する水晶。

魔石をベースにして作られており、ちょっとやそっとでは壊れはしない。

適正屬で表すほか、魔力の強さに応じてが強くなるという機能もある。

なんとまぁ、らしいアイテムだな。

「私やってみたい……」

リーナはそう言って水晶の上に手を乗せた。

すると水晶が金だし、強烈なを出した。

付嬢も俺たちのことを見ていた冒険者たちも呆然としている。

「な、なんてこと……」

「ん、ヒカルもやる?」

「おう」

俺がそう返事すると、周りから同の目で見られる。

まあ、それが普通の反応だよな。たぶんだけど、これほどすごい奴の後でやることに同しているのだろう。

そんな視線を気にすることもなく、俺は水晶に手を乗せる。

すると、水晶は虹り、の強さもだんだんと強くなっていく。そして―――――

パリィィィンッッ!!

という音共に水晶が々に砕け散った。

「「「「「……………は?」」」」」

「ヒカル……やりすぎ」

「え、俺が悪いの?」

俺何もしてなくね?

「おいッ! てめぇらズルしてんじゃねぇよ!!」

「あ?」

リーナと同時に振り返ると、スキンヘッドの大男がいた。

「俺たちがズルをしたって証拠は?」

「そんなの見たら一発だろうが! あの剣聖様でさえ壊れなかった魔水晶を、てめぇごときひよっこが壊せるわけがねぇだろうが!!」

酒がっているのか、顔が赤い。だから面倒だといったのだ。

仕方がない。こうなったら…………。

「なら、一戦えてみるか?」

すこしだけ殺気を放ちながら挑発してみた。

「ヒィッ!!?」

ビビる大男を見ながら、俺は辺りを見回す。

ほかの冒険者たちもり行きを見守っているようで、一向に手出しする様子もない。

「ほら、どうした? 認められないんだろ? 俺たちが(というより俺だけなんだけど)魔水晶を壊したことが」

「こ、このガキがァァァァ、図に乗るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

大男は背中に回していた斧を振り上げ、俺にたたきつけようとしている。

流石にそれはやりすぎだと判斷したのか、ギルド職員が止めにろうとするが――――――

ストンッ―――――

という軽い音とともに斧が折れた。

「ふむ、この程度の力しかないのか」

小さな聲で呟く。

周りはいったい何が起こったのか理解できず、呆然としている。

俺が今行ったのは、エクストラスキル【概念改変】を使った、質の分解である。

まあ分解と言っても、斧の支柱である部分のみをもともと・・・・その部分は・・・・・繋がって・・・・いなかった・・・・・という風に改変したのだ。

正直な話、別に【概念改変】を使う必要もなかったのだが、まだまだ検証の余地が必要なため、これを使った。

検証の結果、部分的に改変することも可能だということが分かった。

まだできたことといえば別改変と部分改変のみだが、それでも十分だろう。

「さて、次はこちらの番だな?」

俺がそう投げかけると、大男はを震わせる。

だんだん可そうに見えてくるが、慈悲はない。

トンッ――――――

そんな軽い音とともに、大男のは向こうの壁まで一直線に吹っ飛んだ。

なんてことはない。ただ平手ですこし・・・押しただけである。

「ヒカル、やりすぎ」

「そんなことねぇよ」

俺とリーナは愚癡を叩きながら、付嬢に向きなおる。

「それでさっそくなんだが、今から仕事をけたいのだが、イマイチギルドというのがわかっていなくてな。何か教えてくれるとありがたいのだが」

俺の言葉に再び呆然としていた付嬢はハッと再び立ち直り、恥ずかしそうに顔を赤らめている。

「申し訳ありません! では僭越ながらご説明させていただきます!」

そこでコホンと一息ついて、説明し始めた。

「冒険者にはギルドランクという者が存在しており、一番下がGランクになり、依頼をこなすごとにF➡E➡D➡C➡B➡A➡S➡SS➡SSSという風にランクが上がっていきます」

まあSSSランクなんて、この世界で五人程度しかいないんですけどね。と苦笑しながら教えてくれる。

「依頼にもランク付けされており、同じくG➡E……というふうになっています。ここまでで質問はありますか?」

「依頼のランク付はどういう基準で決められているんだ?」

「大抵はギルド職員が決めていますが、場合によっては依頼人からランク指定をされている場合もございます」

「なるほど。他に知っておくべきことはあるか?」

「はい。依頼をける場合はこちらから見繕う場合が多いですが、何かやりたいものがあればお申し付けください。それと、冒険者同士でのいざこざには當ギルドは一切の責任を負いかねますのでご了承ください」

「なるほど、わかった。説明ありがとう。早速なのだが何か依頼を見繕ってくれないか?」

「そうですね……ワンランク上の依頼になってしまいますが、この討伐依頼なんてどうでしょうか?」

「ワンランク上のって……上のランクの依頼をけてもいいのか?」

「ああ、説明不足でしたね。依頼をける場合、たとえソロであっても、付が可能だと判斷した場合、ワンランク上の依頼を回してもいいことになっています」

へぇ~という返事を返しながら、俺は手渡された依頼書を見る。

『ゴブリンの討伐』

ここの街から東にある森にゴブリンの群れを見かけた。

子供たちが近寄ると危ないので、早急に倒してほしい。

報酬:討伐した數X銅貨一枚

「この討伐した數ってのは、討伐した証を持ってこないといけないのか?」

「いえ、魔を討伐した場合、ギルドカードに全て記されますので素材以外は持ち帰らなくても大丈夫です……っと、ちょうどギルドカードが完いたしました。おけ取りください」

『ギルドカード』

ウミサキ・ヒカル

ランク:G

討伐數:0

依頼功數:0

依頼失敗數:0

所持金:0

なるほど、こんなシステムなのか。案外わかりやすいな。

「いろいろありがとう」

「いえいえ、これが仕事ですので。それではお気をつけて」

「ああ」

俺はそう言ってギルドを後にする。

さぁて、早速お仕事始めますか。

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