《神の加護を持つ死神》プロローグ
金曜日。それは一週間の中で一番テンションが上がる日だ。
きっとどの生徒も同じ考えを持っているだろう。
そして、俺も例外ではない。
ただし、親がいない家に一人でいる時の話ではあるが……
家から學校は近く徒歩通學なので歩くこと數分。
學校に著くと、俺は徹夜明けで歩く度にフラフラ揺れるを支えながら、廊下を歩いて行った。
ちなみに、徹夜の理由……そんなのは決まっていた。
そう! 見たいアニメがあったからだよ!!
まあそれが1日続く訳はないので、終わってからはネトゲをしていた。
最近、俺の中でのブームなのだ。
余談はさておき、廊下の真ん中で、固まって話しているグループがいた。
それだけならばなんともないのだが、そのグループは廊下の端に寄って俺の事を話したりしていた。
これは自意識過剰でもなんでもない。
ギリギリ俺に聞こえないぐらいの聲で話しながら、俺が橫を通った瞬間に、俺の名前を確実に俺に聞こえる聲で言うのだ。
ある意味、定番行事。
俺にすれば鬱陶しいだけだ。
あいつらは人の気持ちがわからないのだろうか?
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まあこんな事を考えつつも俺は教室にった。
取り敢えず、った瞬間に俺はクラスに著くとクラスの男子や子から凄い目線で睨まれることとなった。
(本當は男子は嫉妬。子は熱的な目線ではあるが本人は気付く事なし)
しかし、これはまだいつもと比べるとマシな方だ。
酷い時には、話しかけると大急ぎで逃げられ、逃げた先で泣いている、という事もある。
(また本人は気付いて無いが聲を掛けられて喜んでいるのである)
こんなことになっている理由は、家系が理由だと思っている。
俺の容姿は長が173センチで、髪のは黒で、上にいくにつれ焦げ茶になっている。
上が焦げ茶なのは、昔にスポーツをしていたのが原因だ。
染めようとも思ったのだが、校則で染める事を止されているため、染めれないのだ。
髪型はストレート系で前髪がし長く、全的にショートなじで目は黒い瞳をしている。
顔も自分で言うのはなんだが、かっこいいと思っている。
それなのにモテはしない。
まぁ、家系が家系がなので仕方が無いとは思っているが……。
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俺の家系は、母が謎めいた人で、父がマフィアのボスだ。
母についてはさっき言った通り殆どが謎だ。
謎と言うのは何故か分からないが、母からは地球とは違うオーラがじる事だ。
例えばで言えば……かぐや姫と言えば分かるだろうか。
まぁ、そんなじで、何度も言ってしつこいかも知れないが、本當に母は謎めいている。
父は、仕事の名前通りの事をしているので危ない奴……そう言いたいのだが実際は殆ど家に居て、しかも臆病者でお節介者だ。
それに加え、好きなは花とか言ってる始末なので本當にマフィアなのか分からない。
しかし、こんな事を知っているわけの無い世間の人達は、この両親の事を怖がっている。
そのとばっちりのせいで、俺も聲を掛けようとしても、相手は多分どうして良いのか困り果て、最終的に逃げてしまいそれが「かっこいいのに親が親だからあの人も怖い奴なのでは」と言う噂に繋がり、ここまでの事態となったのだ。
……まあこれは殆ど俺の予想だが。
だが、それでも俺と仲良くしている奴等はいる。
まぁ、俺が俺なので、そいつらは俺と似た家系の奴等だが。
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......丁度、今來ている奴等だ。
「よう、キラリ 」
「おはよう、キラリ」 
遠くから聲をかけてきたこの二人は、俺の馴染であり今、言った俺と唯一ちゃんと話せるグループのメンバーだ。
始めに聲を掛けてきたのが、大沢おおさわかずや と言う奴で、大沢財閥の曹司。いわゆる超金持ち。學校では年ランキングNO,1。績優秀。スポーツ萬能。
とまぁ、人として完璧と言える奴だ。
長は180センチメートルと高く、細ながら引き締まったをしており、誰にでも優しい。
それに毎年、んなスポーツ大會で全國制覇をしており、今年は、空手で全國優勝をしたそうだ。
このこともあり、子からの人気が高い、筋金りのモテ男だ。
俺としとしての印象は、駄目駄目男だが。
こいつがり立っているのって大輝がいるからだと思っている。
そのかずやを支えていると思われし、もう一人は、荒井大輝あらいだいきという。
こちらは両親がアメリカの賢い大學出なので、その伝子を継ぎ超が二つつくほど頭が賢い。
だが、どうしてもその頭で考えた事が殘念な方向にいってしまうという、とても殘念な奴だ。
長は165センチメートルと小柄で、眼鏡をかけている。
その眼鏡と、賢い頭、という見た目はクールなルックスという事で子からは人気が高い。
こちらも筋金りのモテ男だ。
しかし、本は凄く殘念な奴なので、俺はずっとどうしてこいつがモテるのかと考えている。
こんなじの奴なので、このグループ一番の問題児でもある。
だが結構な數、俺達を裏で支えてきてくれているという一面もある。
そして最後に一番の原因。……もとい男子から嫉妬の目で見られることとなった元兇が來た。
「おはよう、キラリ君。今日も人気だね」
この彼は 、吉井流奈よしいるなといい、二年前に俺らの街に転校してきた奴だ。
転校初日に學校ではランキング1位になるというような実績からも分かる通り、凄く可い。
それに、いつも微笑みが絶えない。學年問わずの人気者だ。
なのに何故か分からないけど、彼は俺を見て一目惚れしたらしく、転校してからの一年はずっと付けまわられた。
そこから半年後には俺も彼の事を意識し始め、今では俺の彼だ。
こいつらは、親が親だしルックスも良いので逆に皆から引かれている。
その事もあり、俺と似ているとじて一緒に行している。
「……はよう」
はぁ……と思いながら返事をする。
すると三人ともこちらを向き凄い嬉しそうな顔をする。
「何故いつもそんな顔をするんだ」
と心では思うものの、笑顔で返事をした。
するとクラスメートから……もっと言えば陣から暖かい眼差しを通り越して、凄くグサグサと釘が刺さると思えるほどの眼差しで見られた。
流石にそんな目で見られると振り返る訳にもいかず、いやいやだが後ろを振り返って見るとそれは急に消えた。
またの態勢を戻すと同時にあの危険的な眼差しが向けられた。
……もう、無視しよう。
そう思っていた時、教室の端にいたグループ一人の奴が近づいて來た。
「かずや、大輝。そんなのと喋べらない方がいいよ。そんな奴とは住む世界が違うんだから」
そう言ってきたのは、いつも俺に絡んでくるお坊っちゃま軍団の筆頭だ。
聲をかけてきたのが 遠藤兇助えんどうきょうすけと言い日本で有名な車會社の曹司。
その後ろで笑っている奴らが河本七瀬かわもとななせと高倉小波たかくらこなみでこいつらも有名人の子供だったりする。
こいつらはそのせいで、たまに居る自分は権力が有って偉いとか思っている奴等だ。
「いやー」
関わっても正直面倒くさいだけなので、ここは、笑ってやり過ごそうと心で考えていると、橫からかずとと大輝が俺の前にに出てきた。
「俺らは、こいつと喋りたいから喋ってんだけど。なんで、お前にこいつとは喋るな、って決められなきゃいけないんだよ。なぁ〜 大輝」
「ああ、こいつと喋ってるとんなことが紛れるし、アイデアとかが思い浮かぶから喋ってんだよ」
アイデアってなんだよ!?
思わずそうびそうになったが、の奧を過ぎたあたりでまではいったが頑張ってたえ、言うのを防いだ。
だってなんとなく今は俺がしゃしゃりでない方がいいと思ったから。
話は戻り、二人がそう言うと、遠藤がし困った表をしていた。
「そうだよ。そんな事言ったらダメだよ遠藤君。この二人はキラリ君と喋りたいから喋っているのに。私だってキラリ君とはんな事を喋りたいんだよっ。それを君が喋るなって決めたり、住む世界が違うって言うのはおかしいよ。次そんな事を言ったら……本気で怒るよ」
流奈も俺の前に出てきて、怒った口調であいつらに言った。
するとクラスがんな意味でざわつき始めた。
俺はマズイと思ったが、その不安は直ぐに消えた。
先生がドアを開け教室にってきたからだ。
先生のおで俺の周りにいた皆が渋々とだが席に座っていった。
この時に、俺はかつてないほど、マジで先生ありがとう!! そう思い、神に祈るように心でお禮しといた。
.......そんなじで、學校の授業が始まった 。 
◇◆◇◆◇◆
ちょうど四時間目を終えると、誰かが俺のを揺すってき、俺は意識が覚醒してくるのをじた。
辺りを見回すと流奈が隣に立っていた。
「……ぁ、ああ、流奈か」
「おはようキラリ君。寢起きで悪いとは思うんだけど、ちょっとついて來てくれないかなぁ?」
そう言ってきたのだが、「悪いと思うなら起こすなよ」俺は必然的にそう思ってしまった。
それに々と面倒なので首を橫に振ってもう一度寢ようとすると、
「待って、待って。大事な話だからついてきてよー」
そう言われたのだが、無視してまた寢ようとした。
だが、次はもっと酷い事をされそうな殺気を隣からじたので、仕方なくついて行く事に。
流奈の後ろを追うようについて行くと屋上についた。 
屋上に來るのは久しぶりだなぁ、と思いながらトコトコと流奈のいる場所まで、ゆっくりと歩いて行った。
「ねぇー、キラリ君」
流奈の隣に著いたところで、風に流せられるようなき通った聲で、俺の名を呼んだ。
「なんだ、流奈」
俺は短い言葉で返事を返した。
この短い言葉だけで分かってくれるだろうという気持ちも込め。
「今から質問します。よ〜く考えてね」
何かのクイズ番組でも見たのだろうか。
ものすっごい影響けてんなぁ。
「……キラリ君は重い、重〜い病気を患っていました。この病気を治す為には異世界じゃないと治せない。そう言われました。さぁ、キラリ君はどうする?」
この意味の分からない質問に真面目に付き合うわけ無いので帰ろうとしたが、後ろから凄い殺気をじたのでやめておく事にした。
なので真面目に考えたところ、俺もオタクの端くれなので、行きたいと思ってしまった。
し悔しい。
「まぁ、行くな。病気とか関係なくても異世界には行きたい」
「おお〜、やっぱりそう言うと思ってたよ」
「期待通り ♪」と何かが當たったかのような、テンション高めの聲で言われた。
……いつもテンション高いかも。
なんか異様に疲れてきた。
はぁー、これだけのために呼んだのか。
そう思った時に小さくだが溜息が出た。
これをどう思ったのかは分からないが、流奈を見ると顔で謝っている様にじた。
「これからが本番なんだけど......まぁさっきのも真面目だったけれども……その異世界に行った時、何か葉えたい事とか夢ってある? キラリ君は?」
流奈からまた訳の分からない事を言われた。
俺はどう言う事だろうと思っていると「夢だよ、夢だよ。何かあるでしょ」と流奈から呆れたじで言われた。
急かすな。
そう思いながらも、何かあるかな? と考えたのだが、特に葉えたい事や夢が思い浮かばなかった。
俺ってない人間なのだっ!
けれど、「何もない」とか言ってしまうと何か流奈に言われそうな気がしたので「何でも良いから何か思いつけ!」と必死で考えることにした。
そして必死の思いで考えると良いのが思い浮かんだ。
昔読んでいたラノベに、主人公が異世界転移をして、チートスキルを使い魔王を倒すという話があった。
これを読んでいた時に、異世界行きてー!  チートし〜い! と思っていたのだ。
ちなみに今でも思っている。
けど、勘違いは無しだ。
俺はそこまで自惚れているほど馬鹿ではない。
異世界というこの世界とは違う世界というのは存在していないことなど、知っている。
だが、もし本當に、行けるなら。
凄い低い確率だろうが、噓であろうと言ってみよう。
それと、異世界に行けるならもう一つの俺が昔、一度夢見た事を言ってみようか。
「……異世界に行けるなら……………チートがしい!!」
こう流奈に言ってみた。
あとから考えると、これは本當に言って良かったと思えてくる事だ。
まぁこれは置いておくとして、こんな事を流奈に言ったて何も起きる事はないのに、という考えと、こんなバカな事を言ったら流石に笑われるだろうな。
という事を考えながら流奈の顔を見て見ると、何故か嬉しそうな顔をしていた。
すると、流奈が好きな人に初めてプレゼントをあげる様な、そんなじの嬉しそうな顔でこちらを見てきた。
「分かった。そいうので良いんだね」
そう流奈が急に言うと地面が白くりだした。
急な事でびっくりしたが、その驚きを押し殺して下を見て見ると、魔法陣のようなが描かれていた。
その魔法陣はどんどんりを増していった。そして一気に輝きが拡大し、數十秒間輝きりが消えた。
......そこは、人の姿が無く、もう何も殘っていなかった。
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