《神の加護を持つ死神》迷宮 1階層
「ハァッハァッハァッハァッ……んんっ、ハァッハァッ」
俺は全力疾走で迷宮を走りまくっている。
理由は後ろから追いかけて來るあいつだ。
「ガオォォォーー!!」
立ち止まって見てみると、高さが十メートルはあり、青のに黒の模様が付いていて、黃のヒゲが顔の周りにあって、口には大きな牙が付いている。
──虎だ。
実際には、虎では無いかも知れない。
こんなしてるし。
しかし、形は虎だし。
そんな事を考えながら、また全力疾走で走り始めた。
ことの初めは、ほんの一時間前──
◇◆◇◆◇◆
俺はアルにあの部屋から迷宮に送られ、意識が戻った俺はすぐさま《詳細地図マップ》でここはどこかを確認しようとした。
マップには、【天之尾羽張迷宮ラストダンジョン】とだけ・・表示されていた。
だけ、と言うのは、この迷宮の周りが全て黒で埋められていて迷宮しか無かったからだ。
俺は、取り敢えず二階層に上がる為の階段を探す事にし、前にあった道を進んで行く事にした。
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進んで行くと、ミノタウルスのイメージ畫像と全く同じ魔がこちらへ向けて歩いてきた。
俺は、初めて見る魔に驚きながら、鑑定を使い相手が何なのかを調べる事にした。
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【名前】ミノタウルス
【種族】魔
【レベル】100
【HP】2000000/2000000
【魔力】10
【攻撃力】2400000
【防力】3600000
【俊敏力】2200000
【用】1000000
【運】1000000
【スキル】剛力。俊足。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鑑定だと、俺のとはステータスの表示が全く違った。
そんなことより、
「このミノタウルスつよすぎぃぃ!?」
俺は裏版だったとしても一階層はそこまで強く無いと思っていたのに、それを覆すこのレベル。
なんだよ百って普通は最高レベルだろそれ!!
こんなハプニングがあり、ビビっていた俺だが、倒さないと前に進めないので、魔を初めて見て怖がっての橫から離れない手をなんとか持ち上げ、先手必勝とばかりに、ミノタウルスに向けて火屬の≪ファイア≫をぶち込んだ。
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俺の魔法が當たったミノタウルスは炎で燃え上り、ドスンと地響きを立ててうつむけに倒れた。
……まさか、死んだのか。
そう思いミノタウルスの元へ近づこうとした時、ミノタウルスは雪の結晶の様に鮮やかに消滅した。
その場所には、角とが落ちていた。
『レベルが上がりました』
『スキル【剛力】【俊足】を取得しました』
俺は突然のアナウンスで驚き、棒の様に固まっていたが、余計に固くなってしまった。
ミノタウルスを倒せたと言う事に気付くまで時間がかかり、その分の達で無意識に小さくガッツポーズをしてしまった。
これには、恥ずかしくなり、辺りをキョロキョロ見渡したが、誰も居ない事に気付き溜息を吐いた。
この溜息のおで揺らいでいた心が落ち著いたのか、今する事を冷靜に考える事が出來た。
まずは、スターテスを確認する。それを最優先に行う。
ステータスには、俺のレベルが1だったのから20まで上がっていた。
それに、ステータス値は上限が10000000だったのが、30000000まで延びていた。
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レベルが一上がると上限は百萬上がるという事だろう。
あと、ミノタウルスが持っていたスキルが俺のスキルに追加されていた。
多分、魔法で攻撃する前に何かをしようとしていたので、それを見た為、スキルを取得したのだろう。
こんな考察をしていると、また新しい事に気が付いた。
ーーステータスにお金がっていたのだ。
今までゼロだったお金が、凄く増えていた。
「魔を倒したら金が手にるのか!? まじか〜」
今は金の価値が余り分からないが、絶対大金だと思う。
それと、落ちていたを確認すると、
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【名前】ミノタウルスの角(ドロップ品)
【ランク】SR
【詳細】ミノタウルスの角。
すり潰す事しと、HP回復薬が出來る。
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と表示されていた。
これを見て回復薬の作り方が知れた。
それともう一つの? は、ローブなどの軽い服に使うだった。
魔を倒したらこんな風になるんだと心していると、そんな事は構い無しと魔は待ってくれることなく新しい魔が近づいてきた。
近づいて來た魔はゾウに似たをしており、長が五メートルは余裕に超えていて、長い鬣がもの凄く印象的だ。
鑑定してみると、
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【名前】ボナコン
【種族】魔
【レベル】100
【HP】2000000/2000000
【魔力】3000000
【攻撃力】2000000
【防力】900000
【俊敏力】1000000
【用】2600000
【運】1000000
【魔法】地屬魔法(初級、中級、上級)。著火。
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ボナコンと言う名前の魔で、ミノタウルス同様強い。
しかも、ミノタウルスには魔法が使えない様だったので簡単に勝てたが、今回の魔は魔法が使える。
この事だけを考えると戦うのは止めておいた方がいいのだろう。
しかし、どのみち魔法が使える魔と戦うことになるので、今のに経験しておいた方が良いだろう。
なので、また先手必勝とばかりに、火屬魔法の中級≪ファイアブレス≫をボナコン目掛けてぶち込んだ。
さっき同様炎を上げて燃えるかと思ったが、そう上手くはいかず火のガードで防がれてしまった。
『【著火】を取得しました』
いやいや、こんな時でも魔法を取得出來るのかよ。
有難いと言えば有難いが、雰囲気というものを考えろよ。
俺の能力に対して文句を言っていると、ボナコンは待ってくれず攻撃を仕掛けられた。
突然、地面が地割れを起こし始めたのだ。
これのせいで地面が揺れた為、俺はを沈める様にしてしゃがんだ。
しかし、これを狙っていたのか、ボナコンは俺目掛けて砂弾? を飛ばして來た。
俺はしゃがんだ態勢だったので攻撃が出來ず「もう無理かも」と思い諦め、目を瞑った。
──しかし、ボナコンの攻撃はいつになっても當たって來なかった。
何故? そう考えると答えはすぐ出てきた。ケーレス・ローブの魔法無効化結界の効果だ。
これは、著用者が危険な時、自的に結界が出されると言う効果が付いている。
これのおでボナコンの攻撃を防げた。
ボナコンは何故當たらないのか分からず闇雲に魔法を打っているじだったので、この瞬間がチャンスだと思い、火屬魔法の上級≪ヴァスティン≫をボナコンに向けて放った。
ボナコンは突然の攻撃に態様出來なかったのか、魔法が直撃し一瞬で灰に変わって消えた。
「…………」
無言。というか何も言えない。
お金はさっきと一緒の數で、ドロップ品は、牙だった。
「はぁー。疲れた。一層でこんだけ強いなんて(レベル面)考えてもいなかったな」
俺は重心を失ったようによろよろとふらつくを壁にもたれかけた。
予想にもしなかった魔の強さに俺の神は疲れ果てていた。
しかし、俺が最も願っていなかった最悪の事態が起きた。
それは、超巨大の魔が近いてきた。
──多分虎(?)だ。
これは……
「うん、逃げるしか無いな」
こんなでかい魔に魔法が使えない常態で勝てる訳が無い。
こんな考えが頭に流れて來て速攻で逃げ始めた。
◇◆◇◆◇◆
──そして、今は絶賛逃亡中と言う訳だ。
俺は、力だけはステータスのおか全く減ってい無いので、全力疾走でひき続き走った。
しかし、巨ながら凄く軽で、全く差が開か無い。
どうにかしなくては! と頭の中で必死に考えた。
その結果………………………何も浮かば無い。
「いやいや、そんな場合では無いし。早く! 早く! 何か、何か」
頭をフル回転させ、考えまくった。
虎と言えばネコ科だよな。
貓の弱點は............襟首だ!!
もしかしたら、虎も同じか。
いや、そんなこと考えている場合では無いよな。
でも、どうやってそこに攻撃を當てる? 考えろ、考えろ。
「……あっ! 剣があるじゃん! この剣と俺のスキルを信じてやるしか無い!!」
立ち止まり、追いかけて來る魔の方へ振り返った。
そして、腰に掛かってある神度剣の柄を手に取り引き抜いた。
俺は《剣》のレベルを最大にする為練習していた時の事を思い出し、魔に向かって走り出した。
魔はし驚いた様に立ち止まったが、直ぐに元の態勢を取り直し俺の追撃に向けての姿勢をとった。
しかし、俺は走り出したのと同時にスキル《跳躍》を使っていたので、魔が構えの姿勢をとった時には、もう魔の背後をとっていた。
「もらった!」
背後から襟首目掛け斬りかかった。
狙いの位置ぴったりに刃先が當たり、魔はを噴いて倒れた。
だが、それだけでは死なず、まだ戦意があるのか立ち上がろうとまでしていた。
「……お前はゾンビかよ」と一人でツッコミをして、止めの一撃とばかりにの位置に剣を突き刺した。
「もう流石にか無いよな。……はぁー、やっと終わった。こいつやけに強かったよな。鑑定とっ」
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【名前】青虎マルタタイガー
【レベル】200
【種族】魔(ボス)
【HP】0/30000000
【魔力】60
【攻撃力】50000000
【防力】8000000
【俊敏力】32200000
【用】9900000
【運】10000000
【スキル】剛力。重量へヴィーメタル。
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「うわー、なに、こいつだけレベル違いすぎるじゃん。しかも、まさかのボス。……はぁ〜 ──ッッッ!!」
ボスということに衝撃をけていると、目の前壁が凹んだ。
正確に言うと壁の向こうに階段が出現した。
これには先程より更に衝撃をけた。
「ボスを倒したら、階段が出現するのかよ。何だったんだ、この逃げていた意味は。……さっさと倒しとけば良かった!」
力いっぱい思いっきりぶと、心がすっきりとしたじがする。
──しかし、すっきりとしたのと同時に無理矢理忘れていた今までの疲労が全て流れてきた。
これには、もうく事は出來無いとじ、ここで過ごす為の準備をする事にした。
まぁ、疲労で立て無いので魔法に頼りまくるが。
まず寢処を造るので、基本屬魔法の地屬魔法≪ヘドロ≫を引き換えとして模造レプリカを使った。
まだ慣れていず、それに疲労もあり平屋の家イメージしてから造るのに十分も掛かってしまった。
これには予想よりも時間をくってしまった為、疲労がさっきより半端なく膨らんでいる。
俺は刻々と迫る時間までに完する為、超特急で作業を行った。
三分後には、家の中に迷宮の天井までの壁を造り、キッチン、寢室が一部屋ずつ、何も無い部屋が四部屋と予想よりも大分広い部屋を造り終え完した。
俺はふらつくを迷宮の壁で支えながら、家の中へとっていった。
最初に俺は、何も無い部屋の一つにりそこにコタツ擬を造り置いた。
コタツ擬をつくったのは、コタツはると凄く落ち著けるからだ。
その上に、巻スクロールを敷いた。
これは流奈から貰い回數制限が付く代わりに、アイテムの能力をコピー出來るアイテムで、流奈からフードマットを借りコピーして置いた奴だ。
俺は疲れているので、疲れている時に効くと言う豚、大豆、トマトなどがっているポークビーンズを出し食べる事にした。
疲れている時に食べるご飯は最高だ! 俺はその言葉以外頭に思い浮かばなかった。
ガラスの欠片でも噛むようにゆっくりと噛みながら旨さを堪能した。
食べ終わった頃には、が溫まっていて疲労がし取れていた。
だが、ほんのしなので歩く事ぐらいしか出來ないが。
それでも、ふらつく事は無く歩けているので寢室までは直ぐに行けた。
俺は寢室にると直ぐにベッドにダイブし、そのまま俺は意識が途絶えた──
暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが
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