《神の加護を持つ死神》魔石の価値
昨日はだらだら過ごしていたので、の疲れが全てとれた。
まあ、スキルの力で疲れている程強くなるから、それ程嫌という訳ではない。
なので、特に嬉しいという事はないが、それでも何故か気分が良かった。
その訳は今日の予定にあった。
それは……魔石を売りに行くという事だ。
特に金がしいという訳ではないが、自分で得たを売るというのはとてもドキドキする。
言うならば……遠足に行く日の當日、というじだろうか。
まあ、メンバーだけ見れば遠足とも言えるだろう。
だって、このメンバー殆どがそいう人達だし。
「わーい! ギルドに行けるのじゃ! 魔石を売るのじゃ!」
「やったー! 初めての冒険者ギルド! 前から気になっていた所なのです〜! 楽しみなのです〜!」
と、遠足気分な二人だけでも、遠足に行く小學生と言えるだろう。
そして、ヘーニルとソラはとても大きいリュックを背負っている。
なんでもこれの為だけに買ってきたらしい。
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俺は四人に対して呆れながら言った。
「お前達な。これから遠足に行く訳ではないんだぞ。それとそんなでかいリュックはいらん。そもそも何に使うんだよ」
「お金をれます」「お金をれるのだが」
即答だった。
俺はお金は無限収納アイテムボックスにれるからそんなリュック必要ないと言い、二人から取り上げて、ソファー目掛けて投げた。
上手い事いき、二つのリュックは並べられたようにソファーに著地した。
我ながら上出來だ。
「ほら、行くぞ。早くしないと置いて行くぞ」
俺はそう言い部屋の扉を閉めようとすると、四人は急いで駆け出してきた。
それを待たないほど俺はクズな人間ではないので、仕方なく扉を最後のソラが出るまで開けておき、ソラが鍵を閉めたのを確認すると俺たちは下へと降りて行った。
階段には案の定、人がいなくてスムーズにロビーがある一階まで降りれた。
一階の付に鍵を預け、俺たちは外へと出た。
時間帯は朝の十時と、仕事をしている人からしたらし遅い時間だが、街は賑わっていた。
丁度今日は、この國が魔石の國マジックランドとまで呼ばれる事となった日だったのだ。
そして呼ばれるようになった事のきっかけでもある男を祀る祭りも開かれるらしい。
まあ、參加するかは分からないがな。
出來ればしでも參加はしたい。
そうではないと、俺以外の人達が怒りそうだしな。
くだらない事を考えないでさっさと行こうか。
「ソラ。いつも通り案頼む」
「かしこまりました。ではーー」
ソラナビ案のもと數十分間歩き続けると、「あそこに見えるのが冒険者ギルドです」というソラの言葉を聞き俺たちはその方向を向いた。
そこにあったのは、コングルという鉄鉱石で作られた二階建ての建だった。
この鉄鉱石は鑑定を使い能力を見たが、使えると思われる能力は絶対強化だけだった。
絶対防強化とは、それで作ったは一定の攻撃が加えられない限り壊れないという能力だ。
これの能力を持っているからギルドに使われているのだろう。
ギルドといえば、同じメンバーでも爭う事があるそうだし。
「弱っちくないか? こんな壁では守れないじゃろうに」
「いやいや、これ普通の人がレベルをカンストした時ぐらいじゃないと壊せないからな」
アルの……というかエルを除いた俺のパーティーメンバーは全員最高峰のレベルだからそう見えるだけで、実際は殆どこんなは壊れない。
なのでよく作ったなと俺はおもわず見惚れていた。
「早くろうなの〜! もう目の前だっていうのだから止まらないなの〜!」
誰も一向にろうとしていないのに、痺れたのかエルが俺に言ってきた。
妹が言ってるんだ、斷れるはずはない。
「分かったよ。そろそろ行こうか」
俺達はギルドの中へとった。
ると、俺はこれぞギルドと言おうと思ったが直ぐに言葉を失った。
俺のイメージではギルドは小汚く、喧嘩ばかり起きたりしていると思っていたが、ここは塵一つ落ちてず、端っこの機では勉強していると者までいるという場所だった。
想像外過ぎて、俺たちはそれを見て唖然としていた。
「帰るか。多分場所を間違えたんだろう」
「そうじゃな」
「そうするなの〜!」
「だな」
「そのようですね」
という訳で引き返すことにした。
「待ってくれ! お前ら折角の客がビビってるだろうが! それとここがギルドで合ってるぞ! だから帰んなや!」
大聲でそうぶ聲が聞こえた。
なんだか厄介になりそうな予しかしないんだけど......。
「……本當にここは冒険者ギルドか? なんで勉強してる奴がいるんだよ! 絶対違うだろ!」
「魔石マニア共が研究してるんだ。ここのギルド登録者は殆どが研究者だからな。集めた魔石を研究してるんだ」
何それ、自分で得たしか研究しないとかでもあんのかよ。
「そのようですね。ここでは研究するなら自分のでしか駄目なようです」
やっぱりあったよ、そんなルールが。
だから冒険者ギルドに登録して、魔石を集めてそれを研究してるんだね。
ていうことはこの國だと、研究者って強いって事だよな。
恐ろしいな、それ。
「まあ、要件は何だ。見たところギルドメンバーではなさそうだし。魔石でも買いに來たのか?」
「ああ、そうだったな。実は……いや、これ見てくれたら分かるわ。ほいっ」
俺はグロッカスから貰った紙を取り出した。
そして、この男に渡した。
「おう! あいつの知り合いか。ならさっさとそう言えや。付いて來い。魔石を売りに來たのだろう」
紙を読み終わると、何故か機嫌が良くなり、そのまま俺達を案してくれた。
案されたのはんな者がガラスケースにれられて置いてある部屋の奧の部屋だった。
そこは結構良い黒いソファーが向かい合うように置かれ、真ん中に機が置かれた部屋だった。
「ちょっと待っとけ。鑑定士を呼んでくる。そこの茶、飲んでもいいからな」
俺たちがソファーに座ると、鑑定士を呼んでくると言い殘し、ダストは部屋から出て行った。
因みに、あの人はここのギルマスのようで名前をダストというらしい。
グロッカスとは長い付き合いなそうで、昔一緒に冒険者としてパーティーを組んでいた事もあったそうだ。
その時のランクは教えてくれなかったが、二人ともただならぬ気を発しているので、凄いランクなのだろう。
そもそもギルドのランクについても知らないから聞いたところで凄いかも分からないがな。
ダストが出て行ってから五分するとここへ帰ってきた。
隣には十歳ぐらいのの子がいた。
「すまない。待たせたな。......こいつが鑑定士のマキナだ。見た目はアレだが一応ちゃんとした奴だ」
ダストがチラチラとマキナという子を見ながら言った。
信じてもらえないと思っているのだろうか。
だが、心配無用。
俺には鑑定があるから、本かが分かる。
そして、見た結果は......間違いなく本だ。
それも凄いぞ。
この子の家は代々鑑定士をしてきた様なので、心配いらないし、それと初代の方らしいからな。
年齢は出さないけど、桁が可笑しいよ。
「じゃあよろしくな。見てもらいたいのはこの魔石だ」
俺は無限収納アイテムボックスからあの魔石を取り出した。
魔石は証明に當たると同時に輝き出した。
これには二人とも結構見惚れているので、期待が高そうだ。
「貸してくれ。……ふむ。これは」
「どうだ。どうだ。凄いだろう。迷宮のクリアで貰ったんだよ」
普段とは違いつい自慢げになってしまったが、それほどまでに値段が楽しみなのだ。
それと迷宮の、という言葉を聞き、ダストが唖然としていたが、今は無視だ、無視。
「良し、分かった」
「そうか、そうか」
「まずはランクだ。これは魔石の中で最高クラスだ。私が見てきた中でもトップクラスだろう」
とりあえず、ランクは最高峰らしい。
初代の鑑定士が言っているのだから、値段も結構いくだろう。
期待が止まらない。
「値段だが、白金貨百枚の十億アースでどうだ。最高クラスの相場が一億だから、私が言うのもなんだが凄い値段だぞ」
「良し売った」
はい、即答で売りました。
幸い、前の場所みたいに金がないとはならず、直接手渡しでもらえた。
良かったよ、來た甲斐があった。
俺たちはその後、々話し込んだ。
気付けば、もう夕方。
俺たちは、もうそろそろ帰ると言い、外へと出た。
「本當に、ここで登録しないのか。するなら々してやれるが」
「良いよ。俺は本部でしたいしな」
「ハァッハァッハ! そうか。ならいつの日かお前達の名を聞くことを期待してる」
「ああ、期待して待っとけ」
かっこいい、決め臺詞を殘して俺はギルドを後にした。
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