神の加護を持つ死神》資源集め 前編

「キラリお兄ちゃん、酷いのです〜!」

「すまない。これはエルのためでもあるんだ。だから、頑張ってくれ」

と、エルが魔を蹴り飛ばしたり叩き潰したりしながら泣いて俺に訴え掛けているのには訳がある。

じゃないと俺は大切な妹に対して、こんな酷いことを行っていない。

ただ単にこれは資源集めと言い、またの名を強化合宿だ。

主にエルのだが。

強化合宿を行っている訳は、俺たちのパーティーにあった。

エルも中々に強い。

だが、それはこの世界の基準で言ってだ。

俺たちと比べればまだまだ、それも足元にも及ばない。

だから鍛えたあげようという理由と、もう一つの理由は心配だからだ。

もしかしたら、俺たちと一緒に行していない時に襲われるかもしれない。

それも普通の人ならば勝てるだろうが、神が襲ってきたら流石にエルでも勝てないだろう。

だから、中級の神にでも勝てるぐらいまでは強くなってもらう。

そいう理由でエルを鍛えているのだが、それを始めてから今日で一ヶ月以上経っている。

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これは、俺の教え方だけではもしかしたら勝てないかもしれないので、全員に一週間ずつ教えてもらうという方法をとったからだ。

そして今日からは、さっきも言ったが、資源集めという建の強化合宿を行っている。

これは俺の錬師としての能力を更にばすために必要な資源がしいと思っていたのだが、ここにある迷宮では魔を倒すとアイテムが普通のではなく魔石が落ちるらしい。

因みにこれはダストに聞いた話だ。

なので、ここから思いついた作戦が、エルをそこに武など何も無しで放り込んで、魔で倒してもらい魔石を取ってもらう。

それが俺が考えたエルを強化させる作戦だ。

これならば今は魔法しか使えないエルがも出來て、尚且つ賢いエルならばと魔法を掛け合わせた戦い方を思いつくだろう。

「ハァ、ハァ、ハァ。た、倒した……の、です〜!」

「よく頑張ったな。さぁ、次の階に行こう。目標はエルだけで全階層突破だ」

「えぇー!?」

俺は全ての魔石を拾い終わると、エルに命令をした。

まあソラの人工知能版に全部やってもらったのだが。

人工知能版の訳は、ソラにはというか俺とエル以外は迷宮に來ていない。

エルの訓練をしてもらったので、し休日として遊んでいてもらうためだ。

なので、一応何かがあったらの為に人工知能版のソラをオンにしているのだ。

……言い忘れだが、ソラのレベルが上がっての能力は、俺の中に殘っている人工知能版の能アップだ。

それのおで落ちている魔石を拾うといういかれた技が使えるというものだ。

だから俺に人工知能版のソラが付いているが、実化しているソラは外で今頃はゆっくりと休んでいるだろう。

たわえもない話はこれくらいにしておこう。

俺は次の階層に行く階段をエルに走って降りさせた。

凄くが痛いが、これも全てはエルの為。

我慢するしかない。

今だけはエル相手にでも心を鬼にさせ鍛えてもらう。

階段を降り終わると、前にはグゥラビィツという……簡単に言えば兎が大群でいた。

そうだな、數は二百匹近くというところだろうか。

「じゃあ、あれを今日の晝食としようか。エル、數匹は傷付けないで殺してくれ」

「無茶なのです〜!」

そう言いながらも、エルは反抗することなくグゥラビィツを蹴散らしていった。

やっぱり良い子だ。

俺の指示にちゃんと従ってくれる。

そしてエルは覚えが早い。

俺のやり方は、何かを教えず経験してもらうというのが俺のやり方だが、さっきの一階層での戦闘だけでエルは前よりも無駄なきがなくなり、戦いがさまになっていた。

だが、それは一般的にだ。

まだまだ俺から言わせれば、きに無駄があるし、反応速度は遅いし、死角を突かれると焦るしと、お子ちゃまレベルだ。

それは今の話だがな。

この迷宮を全階層クリアした頃には凄いことになっていると思う。

今からそれが楽しみだ。

「あとし。あとしなの〜!」

どうやら俺が々と考えているにエルは殆どを倒し終えていた。

あと數匹と殘っているが、急にエルが止まった。

いや、戦い方を変えた。

先程までは本當に毆って蹴ってで殺していたが、今は姿勢を低くし、確実に頭を潰しにいっていた。

グゥラビィツは、というか兎の頭は食べれないので、兎を殺す時は頭を潰すのをするのだが、知識が多いエルはそれを知っていたのだろう。

だから頭を潰すようにして殘りの數匹を殺した。

全てが終わった事を、部分的に破壊され飛び散っていたり塗れで赤く染まっている地面が語っていた。

だが、そんな事構い無しで俺達はグゥラビィツを食べていた。

捌き方はソラに聞き、それをエルに教えて捌かせた。

教えたのは教えたのだが、グロテクスな話なので、教えていた俺は自分で言っていたくせに吐きそうになった。

だが、それではグゥラビィツに対して酷いので全力で我慢した。

數分後には慣れたのか、そんな気は全く起こらなかったが。

余談だが兎の捌き方はとても簡単だ。

皮を剝ぎ、頭を切斷し、臓を取る、するとおの完

後は、焼いたり煮たりして食べるだけと、時間も掛からないので日本では滅多に見られなかったが海外では結構人気だった。

流石にご飯だけは良い思いをしてもらおうと、もっと言えばそうじゃないとグゥラビィツが可哀想なので、ちゃんとした料理を作ることにした。

ソラに聞くとローストにすると味しいらしく、言われた通りに作りエルと一緒に食べた。

エルは、こんな味しいとじたことは今までにない、と言いながら、凄い勢いで食べていた。

それ程までに死にそうとじたのだろう。

まあ、エルには言ってはいないがさっきまではHPが殘り10をきっていたので、一発食らったら死ぬぐらいにはヤバかった。

もしそうなっていたら手を出していたがな。

「「ご馳走様でした」」

何気に俺も腹が減っていたようで、エルが食べ終わった頃、殆ど同時に食べ終わった。

「さて食後の運だ。とりあえずあっちの方に行こうか。そこにグゥラビィツの大群がいるようだし」

「またなのですか〜。もう嫌なのです〜」

愚癡愚癡言っているが、エルは立ち上がり俺が指さした方向へと走って行った。

やっぱり素直だ。

「死ぬのです〜! 私の的となれ〜!」

エルが走って行った方向から、エルに似た聲で危ない言葉が沢山聞こえたが、大丈夫だろう。

あの子は素直だ……素直だ、多分。

俺はそう信じてエルが走って行った方向へ進んでいった。

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