《神の加護を持つ死神》ボールが落ちるのは事件の前れ
ここフリュウデンには迷宮が存在する。
名前が〝水竜の窟〟といい迷宮なのに窟ってどっちやねん、と関西弁を使いたくなるほど訳の分からない迷宮だ。
そして結構この迷宮は特別で、階層が一つしかない。
それと階層ボス、及び魔は出てこない。
言わばもぬけの殻の迷宮なのだ。
だがこの迷宮は、規模が小さき迷宮も含めると數多くある迷宮の中でも結構な人気を誇っている。
その原因というか理由は迷宮のダンジョンに存在している。
この迷宮の天候はいつも変わらず晴天。
雲ひとつとして見當たらないほどの晴天だ。
ダンジョンも普通ならジメジメとした暗い雰囲気を誇っているのだが全くそんなのは無い。
むしろ綺麗すぎて絶景ランキング(ソラ調べ)上位に組み込むほど綺麗な景があるという。
ただここは迷宮名からも分かる通りの水をテーマとした迷宮だ。
もちろん迷宮には水でいっぱいとなっている。
ここまで言えば分かるかもしれないが、そう、ここはビーチが広がっているのだ!
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地球ならハワイのビーチに近い程の綺麗さの。
白く輝く様な砂浜。
青く、青く輝く海。それはもう海深までくっきりと見える程に綺麗だ。
それに年がら年中、晴天なので何も気にする事なく遊び倒せる。
こんな條件が揃っている場所はランキングに載っても不思議では無いだろう。
むしろ、載らなければ可笑しい。可笑し過ぎる。
とまあそれ程までに綺麗だ。
そしてそれをパーティーメンバーに伝えれば、行きたい、と言わない訳がない。
で、行く事になって今俺はここにいるのだが。
なんというか。
……來なければ良かったと後悔している。
景は綺麗だし、水も気持ちよくて、久し振りに泳いだけど楽し過ぎた。
ただ、俺達を……俺を見る目が痛い。俺の事を話している聲が痛い。
痛過ぎるのだ。
耳をすませば(スキルあるので実際にはすまさなくとも聞こえている)聞こえてくる、嫉妬の聲。
そして〝死ね〟や〝発しろ〟という俺を恨む聲。
ヤンチーや不良ちゃん達が人を睨む様な目で見られるという痛さ。
に槍が刺さる様な痛さだ。
それがここに來た當初から浴びせられる俺の気持ちを誰か考えてくれ。
そして止めてくれ!
マジで困ってるんだからなっ!
まあ心の中でこんな事を言っても仕方がないのだろう。
ちょこちょこアルやエル、ヘーニルにソラをおうとする輩が來るのだが、そいう輩共に今のストレスを全て発散している。
スキルを最大限に使い特大の威圧でだ。
中には神の力も含めてる。
……けた全員が何処かに運ばれているが、知ったことではない。
俺の仲間に手を出すのが悪いんだ。
そのおで今は発狂せずともなんとか耐えれている。
ただ、これがいつまで持つかは俺にも分からないがな。
「し良いですか、キラリ様」
肩に掛かる紐がクルクルとしたじでが白と黒で出來ているビキニの水著を著たソラが俺に近寄ってきてそういった。
なんというかこのすがたを今日何度も見てるけど、エロ過ぎてちょっとヤバい。
初め見たときと二回目の時はつい鼻を出してしまった。
一回目で耐がスキルとして追加された筈なのにだ。
それ程までにエロい。
スキルに勝ってしまうぐらいエロい。
「……そんなに、ぼぉーとされてどうしましたか? 調が悪い様でしたらもうしこのテントを大きくして寢転がれるぐらいにまでしますが」
「ああ、大丈夫だ。し見惚れてただけ」
「私のをですか? 言ってもらえればいつでもこの格好になりますが?」
「……いや、駄目だ」
「どうしてですか?」
「海に……もといビーチに水著だからこそ良いんだ。ビーチでなければ水著の意味が無くなる!」
「はぁ……理解は出來ませんが、キラリ様がそう仰られるのならしませんが」
まあソラにはわからないだろう。
これは言えば男のロマンだ。
彼の水著姿はビーチだからこそ見たくなるというものだ。
(彼じゃねーけど)
そしてビーチでの水著だからこそ興する、というものだ。
(どこがとは言わない)
「おい、キラリ。お主もこっち來て遊ぶのじゃ」
「えぇ〜」
そう言いながら俺はアルを上から下まで。
下から上まで眺める。
「ふっ」
「キラリが今、鼻で笑わったのじゃ!」
「ふっ」
「またやったのじゃっ!」
いやなぁ、だってな。
ソラの綺麗な姿を見てからアルだぜ。
あのアルだぜ。
のじゃロリババアのアルだぜ。
なんて……特になんてしあるじだ。
……もしかしたらしもないかも。
これなら発育の良い小學生にも負けてるだろうな。
そんなじで全くではないが興などしない。
興のこの字も出てこんな。
「主人様、一緒にやらないか? ビーチバレーボールを」
「うん、良いぞ」
「ヘーニルなら良いのじゃ!?」
だってね。
巨が水著で隠れれはいるがそんなのしだけ。
ハミをしている。
その景は絶景。
ソラ並み……いやソラ以上にエロい。
興しないわけがない。
それが近寄られたことでプルンプルンと目の前で揺れているのだぞ。
神が不安定にならない訳がない。
結局俺はに負け遊ぶこととなりました。
ビーチバレーボールは俺とソラ。
アルとエルの組み合わせでやった。
因みにヘーニルが參加していないのは男陣が見て離れなかったから。
その場に鼻を出して倒れている奴までいたしな。
ヘーニルは危険という事で大人しく審判をしてもらっている。
負けたら罰ゲということもあって白熱した。
魔法を使いまくった。
言い忘れたのだがこれはこの世界のルールならばこんなじだろうというじのルールでやった。
なので魔法はオッケーだ。
2ゲーム目に差し掛かったあたりで風魔法に乗ったボールが水の中へと消えていった。
「私が取ってくるのじゃ」
「まあアルが落としたんだし當たり前だろ」
「いや、當たり前でないと思うのじゃ」
「まあそれは良いとして、多分深くまで落ちただろうし時間かかると思うから今からは休憩タイムにしとこう」
「うむ。早々に戻ってくるのじゃ」
出來れば休憩は長い方が良いから遅く來てくれるとありがたいのだけど。
そんなこんなでアルがボールを取りに出掛けてから10分。
幾ら何でも遅いとヘーニルが言い出し、俺達は海底の奧底深くまで見に行くこととなった。
れ違いになる可能も考えたが、アルが通れば俺の応が反応する筈なので大丈夫だろう。
それにもしものかとがあっても詳細地図マップを使えば何処にいるかは一目でわかる。
なので大丈夫だろう。
『キラリ様。しこちらに來ていただけませんか? というか來てください』
全員別行で探しているのだが、そのソラから念話がきた。
ソラがあんなにも言うなんて重要な事なのだろう。
『全員行った方が良いか?』
『はい。そうして頂けた方が良いです』
『分かった。全員集めれる』
というわけで俺はエルとヘーニルを呼ぶ一緒にソラの元へ向かう事に。
この時、俺は幸せだった。
俺がこの中では泳ぐのが一番速い。
という事でエルをお姫様抱っこで持ちヘーニルを背負う形で持って泳ぐ事に。
膂力があるので持っていてもそんなに変わらない速度で泳げた。
あまり変わらない速度でだ。
つまりは結構速い。
俺が持っていたエルは大丈夫としてヘーニルはそれに耐えられなかった。
そこでヘーニルがとった行は……しがみつくというものだった。
その時に俺の背中にはマシュマロの様にらかい二つのものが押さえつけられた。
背中に當たっている筈なのに神経が凄く反応した。
立ちそうにもなったが気持ち良かったので止めてという事は出來なかった。
それでも後悔は無い。
むしろ幸せしかない、今の俺には。
「キラリ様。呼んだ理由がここにありますのでこちらをご覧ください」
そう言ってソラの手に指された方向にはゴツゴツとした巖があった。
特に可笑しな所はない巖が。
「本當にそう思われますか? でしたらここを鑑定で見てみてください」
「……なんだよこれ」
「そこに書かれてある通りなのでしょう」
「じゃあこの迷宮の説明は全て噓だったのか」
「そいう事になりますね」
そう鑑定にはこう書かれてあったのだ。
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二層へと続く道を防ぐ巖。
衝撃を與えれば巖が消える。
ただし巖が消えても通れるのは資格を持った者だけ。
資格を持っていないものはこの巖に押し潰される。
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一層終了では無かったのだ。
続きの二層がここには存在していたのだ。
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