《神の加護を持つ死神》迷宮からの出
『行くのだぞご主人様』
「おう、頼むぞロタン」
「お主に命を掛けているんじゃからな」
「掛けてるの〜」
「それは言い過ぎだと思うぞ」
「そうですね。大袈裟です」
俺達はロタンの上でそんな馬鹿みたいな會話をしていた。
ロタンの上……と言っても普通の姿では全員どころか俺でさえ乗れないだろう。
なので當たり前なのだが、水竜の狀態になってもらっている。
なってもらっているのには結構重大な理由があった。
どうやらこの迷宮は一階層には戻れないのだ。
元々ここはボス部屋なのでボスを倒さない限り出れないというある意味のトラップ部屋なのだ。
それに俺達には殆ど関係無いことなのだが、ここでは魔法が使い難いのらしい。
詳しく言うと魔法を使うために必要な魔力がここでは通常の倍以上使う必要があるのだ。
もう一度言うが俺達には殆ど関係無かったのでこんなこと分からなかったが、普通ならばとても苦戦するのだろう。
本當にトラップ部屋だな。
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し話が線してしまったので元に戻そう。
一階層には戻れないのでロタンを倒さなければいけないのだが、このルールを俺はぶち壊してやった。
俺が召喚した魔を倒すというものに変えた。
だから前のルールが適応されなくなったのだ。
それのせいで、出口となっていた水路に々と問題が出てきたらしい。
例えば……水で水路が埋まったり、何故か発生しないはずの魔が水中で発生したりとマジで深刻な問題が発生しているのだと。
それで、水中でも俺とかだけならば普通に水中でも息したり出來るのだが、エルはそれが出來ない。
ということでエルに水中でも息が出來るようにスキルの付與をしようかと思ったのだが、ここはこいつに活躍させたろう、そう思った。
その奴はロタンだ。
魔法を付與して確認するためにロタンのステータスを見たときに気付いた。
ロタンには〝水竜の姿の時れられている人に水中でも地上と同じ様なきができる〟という超萬能能力があるのだ。
その能力を使えば安全にこの迷宮から出れるだろうということを俺は思ったわけだ。
それで、全員ロタンにれられる態勢を考えたところ、このロタンの上に乗るのが一番手っ取り早いということを思ったのだ。
で、安全はちゃんと確保されている。
風魔法で落ちない様に支える様にして乗っているのでな。
『出発だぁあ〜〜!!』
「おう、突き進めっ!」
出り口が開いた。
そこからは大量の水が出てきて一瞬にしてこの部屋が水で埋まった。
そのせいで出り口まで逆流となっているはずなのだが、それをロタンは何も無いかの様にスイスイと進んでいった。
ある程度まで行くと、先からが見えてきた。
真っ暗で不気味悪かったのでさっさと抜け出したい。
『ご主人様よ、し揺れるが耐えれるか?』
「大丈夫だ。今はエルに風魔法をしてもらっているがもしもの時は俺がやるし」
俺が普通に喋れてるのはもちろんロタンの効果でだ。
なんとこれ水中でも普通に喋れるのだ。
『そうか。ならしっかりとしておいてくれ』
「それは良いんだが、今から何をすんだ?」
『ちぃとヤバいことを忘れておったのだ?』
「ヤバいことってなんなのじゃ!」
「命を預けてるのだぞ」
後ろから俺の肩を持ちを乗り出してアルとヘーニルが言った。
どれだけ重要視しているのだろうか。
『ここの出り口って制限時間があるのだよ。その時間を過ぎると扉が閉まるんだ』
「そんな重要な事は先に言え!」
「そうじゃよ!」
「先に言っとけ!」
『すまん、すまん。出たことが無いからすっかり忘れておったのだ』
最悪。
というか、そんな重大な事、忘れるか?
「そいうことなら、さっさとやれ! それも全力の速度でだぞ!」
『分かったのだっ! 行くぞぉぉ!!』
ドッドビュウウゥウゥゥンン〜〜〜!!!
的なじで急に速度がアップした。
ソラに測ってもらうと最高速度がマッハを超えているらしい。
本格的に速過ぎてエルでは無理ということで直ぐに俺が変わった。
というか俺でもしキツかった。
マジでヤバいなこいつ。
こんな速度あまり出さない様に後で言っておこうか。
『もう直ぐ地上に出るのだぞ、ご主人様』
「ああ、さっさと出するぞ」
「扉が閉まる前に行くのじゃ!」
「スリル満點なの〜!」
「急げ、急げロタン!」
皆楽しそうだ。
全員この劇的ピンチな狀態を楽しんでる。
他から見ればヤバい奴だなぁ。
「キラリ様っ!!」
急にソラが俺を呼んだ。
それも珍しくというか真剣に。
「どうしたんだ?」
「急激に扉の閉まる速度が速まりました! このままでは出れません!」
「マジでか!」
「ええ。ですから、ロタン様、速度を落とさずこのまま突っ切ってください!」
『分かったのだっ!!』
「キラリ様とエル様は私と一緒に強化魔法をロタン様に掛けてください!」
「分かった!」
「承知したのじゃ」
「了解なのですぅ!」
強化魔法でロタンの基本能力を上げ速度を速くしようということなのだろう。
マジでヤバい狀態だ。
俺は直ぐ様ロタンに強化魔法を掛けた。
エルやソラも同じく強化魔法を掛け終わったのだ。
「ヘーニル様は周りの魔を倒しっていってください。強化魔法を掛けたロタン様には扉が閉まるまでに出れる様思いっきり走ってもらいたいですので、魔を倒してもらう訳にはいきませんので」
「承知した。できるだけ邪魔にならない様にすれば良いだろ」
「はい。お願いします」
なんていうか、ソラの指揮力パナ過ぎる。
「ふふふ、キラリ様の能力を私は使っていますので、キラリ様もこれぐらいは出來ますよ」
「そうなのか?」
「ええ」
本當に出來るのだろうか。
いや、多分無理だろうなぁ。
俺、ソラほどコミュ力無いし。
『ご主人様の従者よ。この速度ならば閉まるまでに間に合うのか?』
「ギリギリですね。何もなければ間に合うと思いますが」
「何、フラグを立ててるんだ。絶対このパターン駄目だぞ」
ほら、なんか先に見えていたが閉ざされたぞ。
「が消えたぞ!」
「大丈夫です。まだ扉は閉まっていないので!」
「じゃあなんでっ!」
「多分、原因はあれじゃないのじゃろうか」
そう言ってアルが指を差したところには大型の魔がいた。
って、なんであんなデカイ魚なんだよ!
『あれは、シーラなのだ。唯一初めからいる魔だったはずだ。出り口の番人として生きているのだ』
「ったりは出來ないのか!」
『ここのボスの魔としていた時はれたが、今は無理なのだ』
「もうここのボスでは無いから……ということか」
『ああ、そいうことなのだよご主人様』
ああ、もうっ。
あいつ鑑定した限りでは完全に神レベルだったぞ。
最低の相手だ。
ものの數秒で倒せる程の相手では無いことが直ぐに分かるぞ。
誰だよ、こんなん置いたの!
「私が行くのじゃ」
「この場合しかたがないか。すまん頼む」
「任されたのじゃ」
そう言って直ぐにのことだ。
「ほいっ」
たったその一言。
それだけで魔は消えた。
「「「「『………!?』」」」」
いやいやいや、何したんだよ。
もしかしてまたか。
前のほいっで魔法を出すやつか?
マジで規格外だなぁあいつ。
「進めぇ、突破じゃあ〜〜!」
『うっ、お、おぉー』
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