神の加護を持つ死神》冒険者登録 2

ギルドの階段を登り、俺達は二階へと行った。

……ギルドにエレベーターでも付けてくれないかぁ。

俺より先に來た勇者って、現代社會の知識を存分に使っているんだし、ギルドにそういうのがあっても良いと思うだが。

てか、地味に階段長くて足痛い。

「文句ばっか言わないのじゃ、キラリ」

「口に出してないので、言ってないですぅ〜」

「こやつを毆っても良いじゃろうか……」

「落ち著いてください、アル様」

ふっ、これぐらいで起こるとは。

まだまだ子供だな、アルも。

的になっては、脳が働きませんよ」

「むっ、そうじゃが……」

「よく考えてください。キラリ様には毆るぐらいでは足りません」

「えっ? ……」

俺の聞き間違えかな? ソラさんが毆るぐらいでは足らないとおっしゃっていますが?

……聞き間違えだよな。

「キラリ様」

「やっぱり、聞き間違えだったんだーー」

「現実逃避はおやめください」

「……はい」

仕方ない。ここは覚悟を決めるしか……ない!

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「……まぁ、これは冗談なので早く前に進んでください」

「冗談にしては怖すぎだ!!」

「これぐらいしないとキラリ様に申し訳ないと……」

「こんな時にそういう風に思うなや! 普段に思え!!」

まったく……ソラの言う冗談は怖すぎる。

いつも冷靜な為か、冗談なんて言う正確に見えないからな。

急に言われると、マジで言われてると凄く思ってしまう。

というか、冗談で毆るだけでは足りないとか言わないでほしい。

冗談は冗談でも騒すぎる。限度っていうものがあるだろ。

「そうですね。次からは限度というのを踏まえてさせていただきます」

「いや、やらなくて良いから」

呆れたように俺はソラに向かって言っておいた。

そうしないと、本當にやって來そうだったから。

……というか、言ってもやってきそうだけれども。

それも、バージョンアップして。

「……」

「やるつもりだったのかよ!?」

無言ということはそういう風にけ取っても良いのだろう。

……先に言っておいて良かったー。

マジでそう思いながら、俺はホッとする。

「あのー、もう良いですか?」

「あっ、はい」

やべぇー、完全に忘れていた。

俺達だけで上がって來たわけじゃなくて、付嬢さんが案人として來てくれていたんだった。

今の俺達の會話を聞かれていたか……。

まぁ、特に何も思われていなさそうだし、大丈夫だろう。

……あれがポーカーフェイスでなければなのだが。

さっき、俺に殘っているソラさんが『スキル【ポーカーフェイス】を取得しました』とかかんとか言っていたが、あれは聞き間違えなのだろう。

清々しい程、付嬢さんが笑顔だったが、あれは演技ではないと信じておこう。

「では、ここの部屋で測定を行います。もうしで測定する水晶も持って來られるので、先にられて待っていてくださって構いませんよ」

「そうか。じゃあ行くぞー」

って言っても、殘っているのは俺とソラとヘーニルだけだが。

アルとエルは付嬢さんがって良いと言った瞬間にって言ったのをなんとか目視した。

ロタンは……アルとエルに手を握られていた様に見えたので、まぁそういう事だろう。

「……回復ポーションを用意して行った方が良いと思うぞ」

「だな。ロタンが中でぶっ倒れていそうだ」

「まぁ、ロタンじゃし大丈夫そうでもあるのじゃが」

そんな事を言いながら、俺は扉に手をかけ、中へとる。

もちろん、俺は無限収納アイテムボックスから回復ポーションを出して。

「ぎぃやゃぁあああーー!!」

何かがあったのか、び、そして倒れるロタンが。

……念の為に、一番の最上級も出しておこうか。

それと、こうなった理由も知らないとな。

俺は、若干顔が引きつっているアルとエルの方を見る。

「ち、違うのじゃ! 今のは違うのじゃ!」

「そうなのです。なんていうか……全てアルお姉ちゃんが悪いの〜!」

「ちょっ、エル裏切るわけじゃないのじゃろうな!」

「……エル、アルは無視して話して」

「はいなのです! アルお姉ちゃんが、何だがもう死んだ目をしているロタンお姉ちゃんに向かって、魔法を放ったのです〜!」

じぃーーーーー!

「わざとじゃないのじゃ! 意識をはっきりさせる為に《雷屬魔法》を放っただけなのじゃ!」

「それが原因だろうが! 意識弱ってる人間……の姿したのに何してんだよ!?」

「キラリのくれた漫畫というには、意識が弱ってる人間には電気を使うって書いてあったのじゃ」

「だからって、お前が撃つなよ! お前の魔法は軽くでも、おかしい規模の魔法じゃねーか!」

「えへへ、なのじゃ」

「褒めてねぇーよ!」

なんていうか、この會話しデジャブをじるのだが……。

気の所為であろう。

もしかしたら、前にアルが褒められていないのに喜んで、それを俺がツッコミでもしたのだろう。

うんそうだ……というか、それしか考えられない。

「キラリの脳はご都合主義の言葉だけなのじゃろうか?」

「ある意味、凄いな。あそこまで自分が有利に考えられるというのは、呆れるなんてのを一周回って心するものだ。やっぱり、我が主人は凄いな」

「そういう所も好きなのです〜!」

「そうですね……その時の會話でも見せれば、それが間違えと気付くのでしょうか?」

意見は、人それぞれ。

ソラだけは、もう何か違うじだが。

それにしづつ慣れて來ている俺が怖い所でもある。

というか最近、人としてのを持ち過ぎてはないだろうか?

し前まで、ただの人口知能だった気がするんだけど。

「それは、隨分昔の話ですね」

「いや、つい最近だから」

「それは、隨分昔の話ですね」

「いや、だから。つい最近の話だから」

「それは、隨分昔の話ですね」

……あのパターンだろうか?

何が何でも「はい」と言わせるまでは、永遠に同じ質問を繰り返すゲームのキャラだろうか。

これ系は、もう諦めて言うしかないんだよな……。

「そうだー、昔の話だなー(棒)」

「そうでしたよね。それよりも、やっと測定が出來るようですよ」

その様だ。この部屋に何名かの人が、近づいて來ているし。

それに流石は、ギルド本部と言いたい。

全員、並みの強さではない。

相當、鍛えられているのだろう。

ーートントン

ドアがノックされた。

隨分、律儀なものだ……もしかしてだけど、アルがあのバッチを見せたからだろうか。

あれで神ってこと一瞬でバレるからな。

その所為で態度があらたまってるとか?

……俺的には、フレンドリーな人が出て來てしいんだけど。

「失禮するぞ」

そう言ってって來たのは、一人の良いじの中年のおっさんだった。

一緒に來ていた者達はとびらの外で待っている。

というか、めちゃくちゃダンディーだなぁ、おい。

……それの、やべぇーめっちゃ堅そうー。

「えっと、ここのギルマス? なのか、あんたは」

「ああ、その認識で間違えない。俺は霧野元きりのげんという。霧野が名字で元が名だ」

「えっ?」

「珍しい名だからな。困するのも仕方ないだろ。……まぁ、そこは慣れろ、としか言えないが……」

「いや、そういう意味じゃなくて……」

こいつの名前って……。

もしかして。

『ソラ、他の世界に日本の様な名前を持つ生態はいるか?』

『いえ。日本以外には、どの宇宙にも漢字を使う名前は存在していません。並行世界でも日本だけです』

……何気に並行世界の存在を新しく知ってしまったが、まあそれは良い。

今は、この人の名前についてだ。

日本以外に、漢字を使う名前がないとなると。

「失禮かもしれないが、し聞いて良いか?」

「ああ、構わん。お前達は鑑定対象でもありお客様という立場なのだからな」

「じゃあ聞くが……お前は日本人か?」

「……」

彼はし口を閉じた。

數秒後、考えでもし終わったのか話し始めた。

「そうだ。俺は日本人だ」

「やっぱりな。そんな漢字の名前なんてそうそういないからすぐ分かったぞ」

ソラに聞いたからでもあるけど。

「俺は橫井キラリだ。名前から分かると思うが、俺も日本なんだよ」

「なんだ、お前もなのか」

「ああ。こっちに來て何気に初めてなんだよな、(転移系の)日本人に會うの。勇者とか結構いるらしいけれども、一人もあってないし」

「そうか。このギルドの職員には日本人の者もいるからな。……後で、紹介してやろうか?」

「マジで!? 會わせて、會わせて! やっぱり、そう人と話したかったんだよな」

「分かった。それに俺も日本人同士での會話とかをしたいからな。この世界に來て昔の事とかを良く思い出す様になってな。やっぱり、そういうのを話せる奴がいるというのは嬉しい事だ」

やっべ、超楽しい。

こういう日本人同士の會話を俺は凄く待っていたのかもしれない!

「キラリが凄く楽しそうな件」

「キラリお兄ちゃんがエルの事を日本人と思ってない件」

「主人が男好きと発覚した件」

「キラリ様が私達といるよりも楽しそうな件」

「てめぇら、話の容聞いてたのかよ!?」

何が「〜な件」だよ!?

なろうの小説かい!

というか、この會話のどこで俺が男好きになるんだよ!

「……あ、あれ? 儂は何をして、たのだ?」

「……今頃、起きるのかよ」

もう、なに。

俺には、同じ故郷のやつとゆっくり話す時間も與えられないのかい……。

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