神の加護を持つ死神》エルの纏造

あの後もなんやらかんやらと々あったが、無事俺達は冒険者登録を終えた。

ちなみに、ランクはSからなのだそう。

まぁ、そりゃそうだろうというじだ。

だって、鑑定をする水晶が全員分ぶっ壊れたのだから、破格のステータスという事は嫌でもわかる。

逆にこれでEランクからであったら笑えてしまう。

そんな訳で、貰ったギルドカードにはSランクの証が刻み込まれていた。

……なんか、ちょっとかっこ良かった。

やっぱり、ギルド長が日本人だからということもあってか、センスが無駄に良いのだろう。

見た目あんなんだけど。

「……気になってたのじゃが、今はどこに向かってるのじゃ?」

「今更か、それ」

俺達は「後日、々とさせて貰うので今日のところは帰られても大丈夫です」という付嬢さんの謎の圧が掛かった言葉に乗せられ、冒険者ギルドの外へと出た。

今思えばわかるが、完全に追い出されたのだろう。

まぁ、それぐらいの事をしでかした事ぐらい俺にも分かっているので、仕方がないと言えば仕方がないのだろうけれど。

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そんでもって、明日まで暇になってしまったのだ。

なので、今日はこの國を観しようという思いから、ぶらぶらと街を歩いている訳である。

まぁ、それを伝えずに歩いているので、気にされても仕方がないが。

……というか、今まで何も言わずに付いてきている方が可笑しい気がする。

「観だよ、観。ほら、この國きてろくに何も見てないだろ」

「まぁ、そうじゃな」

「ただ単に主人が冒険者ギルド行く、とか我儘言ったからな気がするのだが……」

「ま、まぁいいだろ。それにアルが初めに言い出したんだから。……まぁ、それは良いとして、さっさと行こうぜ」

「行くのぉ〜!!」

「ほら、こんなにエルも行きたそうだし」

呆れたような表をしながらも、皆はそれで納得してくれて、観へと行くことになった。

まぁ、もう行ってはいるのだけれども。

既に歩いているし。

「キラリ様、観であれば商業関連のが出されているエリアの方がいいかと思われますが」

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「ここって、そういう風に分けられてんの?」

「はい。ここであればギルドがある為、店なども冒険者の為の店などが多いです。なので、隣のエリアの方が屋臺やら面白い店やらがあって良いと思いますが?」

「うーん……じゃあそこにすっか。そもそも行くあてとか無かったし」

「かしこまりました。案はお任せください」

「うん。頼むぞ」

いつもながらソラを先頭に俺たちはその商業エリアへと向かう。

來た時とは違い、ズサズサと刺さるような目線を向けられるものの、誰も話しかけてきたりはされなかったので、スムーズに移を行うことが出來た。

多分だが、今俺に付いているが原因なのだろう。

付嬢さんがギルドカードと一緒に渡してくれたのが、パーティーリーダーに渡すという腕みたいなだった。

ランクによってが変わるという仕組みがあるらしく、俺たちの場合全員Sランクからのスタートなので、ゴールドという事だった。

初めはやっぱりゴールドには抵抗があったのだが……

「キラリよ、似合ってるのじゃ」

「そうなのですぅー! 似合ってるのですぅー!」

「そうだな。主人にはそういう派手なも似合っておるな」

「ゴールドというのはかっこいいのだ!」

「ふふふ。似合ってますよ、キラリ様」

という風に皆に言われてしまったからな。

ここまで、言われているのにつけない理由などないだろう。

……ということで、著けていたのだが。

まぁ、予想でではあるのだが。

ここは冒険者の國とも呼ばれるほどに冒険者が多い。

そのためか俺みたいな腕を著けているやつは多い。

だから、気付くのだ。

俺が普通でなれる最高ランクのSランクということを。

そのおか、誰も近づいてこなかったという訳なのである。

「良かったのだ。今回は人が近づいてこなくって」

「そうだな。お前が一番嫌がってたもんなぁー」

「當たり前なのだ。誰が周りを囲んでくる蟲けらに対して喜ぶのだ?」

「……それもそうだな。俺も絶対に嫌だわ」

ロタンの言い草はもっともである。

そんな狀況に陥るのなんて、二度と嫌だろう。

俺ならそんな事が起きないように、し未來を弄くったりする。

……出來ないだろうけれども。

し頑張れば出來ると思いますよ」

「あぁー。俺には何も聞こえませんぅー」

嫌だ。絶対に聞かないぞ。

そのソラの何かと平然に凄いことを言うのは。

というか、未來弄くるのは駄目だろ、流石に。

そんな能力やべーよ。

「まぁ、その件はもう良いですが」

「何、他にもあんのか? 出來れば今のみたいなのは遠慮しておきたいのだが」

「別の案件です」

「なら、良いんだが……」

「もう、そんな警戒しないでくださいって」

そんな風に言いながら笑うソラを見て「怖い」という純粋な恐怖が俺には過ぎった。

いや、今の俺って結構強いよ?

それに恐怖覚えさせるソラってまじなにもんなの?

なに、マジで怖いよ。

「ふふふ。そんな事よりも、もう話しても良いのですか?」

「あ、ああ、良いぞ」

「本當にそんな警戒しないでくださいって。私もそこまで警戒されるとし悲しくなってくるのですが……」

「あっ、すまん。そうだよな、流石に警戒しすぎたわ」

そう言いながら、俺は顔を伏せているソラの頭をなでた。

すると、ソラは伏せていた顔を上げた。

そこには、

「泣いていると思いましたか? ふふふ、冗談ですよ」

ペロという風に舌をしだけ出して満面の笑み、いや悪戯が功して嬉しがる様なし子供っぽい無邪気な笑顔を見せるソラがいた。

「……」

「あっ、す、すみませんでした!! し調子に乗りすぎてしまいました、すみません! キラリ様!」

「……ばーかっ。落ち込んでなんかねぇーよ」

「仕返ししましたね、キラリ様」

「ふっふっふ。油斷するソラ君が悪いのではないのかい?」

珍しくあたふたしているソラがし可く見えてきてしまって、ついな。

いやぁー、マジで何でこんなに可いいんだろう?

一家に一臺……いや、一家に百臺はしいものだ。

「それは流石に言い過ぎなのじゃ」

「そうか? それぐらいの奴だぞ、ソラは」

「最高でも九十九臺で良いのじゃ」

「いや、それ変わらんから」

まぁ、アルでもそう言っているのだ。

ソラの可さは超良いのだ。

「このシスコン、ロリコン野郎! 死ねなのじゃ!」

「お前、さっきまで俺の味方してたよなっ!?」

「さっきはさっき、今は今なのじゃ! 死ぬのじゃ!!」

「理不盡すぎるだろ!?」

そんな會話をしながら、街中で俺は魔法を浴びせられた。

もちろん、出來るだけかわしながらだが。

それと、しっかりと市民への対応してるからな。

認識阻害を広範囲に掛けて、ここを認識出來ないようにし、人を追い払った所で魔法無効化結界を張り、萬全を期して重ねてもう一個張ってある。

遣り過ぎとも言えるかもしれないが、これぐらいしないとアルのは止められない。

ただの悪戯でこの國を滅ぼしかねないレベルだからな。

數分後、やっと魔法の雨は終わった。

ちなみにだが比喩ではない。

ガチで魔法が雨のように空から降ってきたのだ。

いや、避けるとか考えれなかった。

何個か食らったし。

あー、マジでいてぇ。

「ふっ、これぐらいで許してやるのじゃ」

「いや、これぐらいのレベルじゃねぇから。俺じゃなかったら確実に死亡事故」

「エルも防げるのですぅ〜!」

「エルもか?」

アルと側から見れば確実に可笑しい會話なのだろうが、いつも通りの會話をしていると、エルが間にって來た。

……エルがあの雨の様な魔法をか。

しキツイ気がするのだが……。

「大丈夫なのですぅ〜! 見ておいてなのぉ〜!」

「おう! 見といてやるぞ。だから頑張れ」

「ハイなのですぅ〜! 來てくださいなのです、アルお姉ちゃん!」

「……分かったのじゃ。やるからには手加減しないのじゃ」

「そうでなくっちゃ! なのですぅ〜!」

凄くやる気になっているエルの正面に立つアルは手を天にかざす様に向けた。

そして、その手をゆっくりとエルに向けて下ろす。

……これ、俺の時にはしなかった。

まぁ、したら來ると分かるので対応するからなのだろうが……。

……してしかったな。

俺そういうの好きなんだけど。

『スキル【神演技】を取得しました』

……もう、気にしないよ、俺は。

まぁ、話を戻そう。

すると、それに合わせてゴ、ゴ、ゴゴゴゴゴォォォオオ!! という音が天から鳴り響く。

大量の魔法が発生し、落ちて來ている音だ。

魔法に武魔法、オリジナル魔法やユニーク魔法など、更には神代魔法までもが織りぜられている。

……いやぁー、こうも客観的に見ると異常さが目に見えるわ。

普通に考えて、あんな多重に魔法発生できないからな。

俺らならいけるかな? エルも頑張ればって所かな。

そのエルが今、何かしようとしている。

凄い魔力を一點に集中している。

普通、魔力は集めすぎると暴発してしまうのですることは出來ない。

しかし、最近ロタンがそれの攻略法を教えていたので、出來る様になったのだろう。

まぁ、俺らはそんな攻略法など知らんが無理矢理やっていた。

アルに限っては無理矢理どころか、定義そのものを書き換えているからな。

何でもありな俺らにはそこまで関係なかったのでそういう事をロタンに聞いていなかったが……今日ので分かった。

エルには有効なのが々とあることが。

……後でロタンに聞いて、エルに教えてやることにしょう。

ーー話は戻る

エルは集中させていた魔力を自分と……いや、自然をも一化させる様にしていく。

エルはアレをしようとしているのだ。

そして、全てが自然と同化した。

エルの服裝は変わる。

真ん中に十字が描かれた黒い服の上に、靴近くまで屆いている白いロングコートの姿に変わっていた。

腰には今まで持っていなかった、白く長細い杖らしきものが裝著されていた。

ついに、ついにやったのだ。

エルが纏造クライシスになれたのだ!

「いけ、いけ! エル!!」

「行くのですぅ〜〜っ!!」

エルは腰から杖を抜き取る。

そして杖を、向かい來る雨の様な魔法に対して向けた。

全魔力(後の時間活出來るぐらいの魔力を殘し)を杖に乗せ、何かの魔法を放った。

いや、マジで何かの魔法なのだ。

というか、あれが何かが良く分からない。

『オリジナル魔法【消えよディサピアー】を取得しました』

あっ、はい。

あれは、オリジナル魔法の【消えよディサピアー】と言うらしいです。

……って、そんな簡単に覚えれるものなんかよ!

まぁ、良いか。

それよりも、エルが放ったその魔法は青く輝くと一瞬にして消えた。

……いや、消えたのはエルの魔法だけではない。

アルの魔法、全てがいつの間にか消えていた。

流石にこれにはアル、いや俺たち全員が驚いていた。

若干一名はいつも通り冷靜なのだが。

……というか、その超冷靜な方が教えたのではないのだろうか?

そう思いながらソラの方を向いて見ると、

「…………」

長い沈黙を保っていた。

確信犯だろう、これは。

まぁ、今回だけは良しとするか。

で、エルが凄くレベルアップして強くなったんだし。

「キラリお兄ちゃん、全部の攻撃防いだのですぅ〜〜〜っ!!」

そんな風にとても可い聲を出しながら、纏造クライシス狀態を解除したエルが俺に突っ込んできた。

俺はそれを快くけ止める。

……あっ、やばい。骨いったわ。

まぁ、気にしないでおこう。

「アルお姉ちゃんの攻撃、全部防いだの〜!」

「おう、見てたぞ。凄かったな!」

「えへへ」

超可い俺の妹エルの頭を優しくでてやると、エルはとても嬉しそうに笑った。

いや、可すぎだろ。

マジで、可いぞ。

妹最高だなぁ!

「シスコン」

「なんだ、エルに負けたから八つ當たりか? 大人気ないねぇ」

「違うのじゃ! そもそもエルじゃから、ちぃと、ちぃーと、だけじゃが手を抜いたからなのじゃ」

まぁ、それもそうなのだろう。

アルも意識してなかったのだろうが、俺の時よりも威力が弱かった。

エルでも分からない様な、本當に微かな違いなのだが。

「まぁ、手を抜かなかったとしてもじゃ、纏造クライシスにるとは予想もしておらんかったからの。もしかしたら全部今みたいな消えていたかもしれんのじゃ」

「おぉー! アルお姉ちゃんがエルを褒めてくれたの〜!」

「そうじゃの。エルは凄いのじゃ」

「えへへ!」

何だかんだで、アルもエルを褒めていた。

まぁ、ついこの前までは、し魔法が使えるぐらいの子だったからな。

それがここまでの急長を遂げるとは、誰も思っていなかった。

「やっぱり、エルは凄いな!」

そう俺が聲を掛けると、エルは俺の方を振り向き、

「ハイなのですぅ〜!!」

そう、満面の笑みで応えた。

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