神の加護を持つ死神》の護衛 7

あの後は結局、何故か分からないけれど怒りまくっているアル達が、聖を俺から離れさせてくれた。聖は「ぶぅ〜」と言いながら口を膨らましていたが、本心ではないのだろう。

あんな姿みたらね〜。絶対に本心じゃないって思う。

離れた聖と俺の間に今度は護衛達がって來た。

「無禮者ッ! さっさと聖様から離れるのだ!」とか言いながら聖との間に壁を作る。いや、もう離れてるだろ、と突っ込もうとしたがソラから止められてしまった。

それ以上ややこしくしないでください、と言う風な事だそうだ。

……ややこしくしようと思ってしているわけじゃないんだけどね。

『無自覚でされていると言う事ですね』

『……そう言う意味でもないんだけど』

『では、やっぱり自覚があってされているのですね』

『そういう意味でもないからな!!』

俺の話を全く信じてもらえない……。

まあ、ある意味いつも通りではあった。

だからこそ、その後には問題など起こらず、聖とその護衛達が先に船に乗り込む。その後を俺達が乗るという順番で船へと乗り込んだ。

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外から見ているよりも中は広く、んなスペースがあった。

遊戯を楽しむ場所やカフェの様な場所、バーなどまであった。

そして、護衛という依頼で來ている俺達にも一人一人に部屋が與えられた。……こっちは一切金を払っていないし、すっごい得した気分がしてくる。

ただ、それだけしたのだから、しっかりと護衛の依頼を果たせ、という意味も込められている気が結構する。

……まぁ、何があろうと依頼はしっかりと果たすつもりなんだけどな。

「そういえばキラリ。さっき聖に何か渡されておらんかったか?」

一人一人に部屋が與えられたのに、いつも通り俺の部屋に全員集まっていて、その中でも一番態度がでかい(ベットの上でゴロゴロじている)アルが俺に聞いてくる。

「あぁー、なんか紙切れみたいなのをな。中には何も書いてなかったし、イタズラ程度なんだと思うけどな」

船に乗る直前。護衛が見せた一瞬の隙の間に聖は俺の手に紙切れを握らせた。紙切れには本當に何も書いていなかった。……書いては、だけどな。

……まあ、そんな事は良いとしよう。

問題はその聖が渡した事だ。あの速さは尋常では無かった。確実に魔法か何かで補助していただろう。

これだけの為にどこまでするんだと、聖から嫌という程思わさせられる。

……意外に聖って強くはないだろうかと思って來ている自分がいる。多分、護衛の人達よりも強い気がするのだ。

もう、「護衛いらなくない?」とつくづく思わさせられる。

ギルマスレベルでもあんじゃないのかな。もしかしたらそれ以上。

……ギルマスが殺されると言っていた意味が良く分かったかもしれない。

そんな事を思っていると、ゴォーーンという刻を刻む大きな音が部屋に鳴り響いた。部屋へる扉が付けてある壁の所に設置されている、日本でいうボンボン時計の様な時計が、その音を鳴らしている様だ。

ボンボン時計とはし違う様な気もするが、形がそれっぽいし、これもまた勇者が見様見真似で作ったとかではないのだろうか。

勇者の戦いに行かなかった組って、結構何でもしてる様だしな。

時計の針を見ると、針は6時の所を指していた。日本の様な數字とはし違うのだが、なんとなくあれば6ということが見て取れる。

そもそも針をさせる場所が12個しかないし、なんとなくというより、普通に分かるんだけどな。

時計を見ていると、俺のお腹からも音が聞こえて來た。ぎゅぅぅーというなんとも言えない音である。せめて、もっといい音が流れないのかとも思うが、お腹が鳴っている事に対して、そこまで思うのは失禮でもあるだろうか。

「腹の音に対して失禮とか言っておるぞ。遂にキラリの頭は限界を迎えたのじゃないのか?」

「かもしれないな。主人は結構限界に達していた様だしな。むしろ良く今まで持ったとも思う」

「大丈夫です、キラリ様。最悪の場合は私が一生看護してあげますから」

「いや、お前ら失禮だなっ、おい!!」

言わせておけばぁ!!

なんだよ、頭の限界を迎えたって。頭に限界とかあんのかよ。……まぁ、あるんだろうけど、頭の限界ってそんなに早く來るもんじゃねぇだろ。

それに、一生看護とか、怖くて死ぬわ。……死ねないなんだけれども。

「まぁ、普通に飯食いに行こうぜ。腹減って死ぬわ」

「はいはい。そうじゃな」

「確かこの船の中のどっかにご飯を食べれる場所はあったはずだ」

「では、そこで夕食を済ませましょうか」

すんなりと決まった様で良かった。

……そうだ。

「聖でもって行くか?」

「……」

「……」

「……」

「………………いや、なに?」

全員目を點にして俺の方を見て來る。

どこか、それは「はっ? お前何言ってんの?」みたいな雰囲気を出していて、超怖いんだけど。

「……さっきまで聖が嫌いとか言ってなかったのじゃ?」

「なのに、うのか?」

「そうです。私達がいるんですから。聖様までったら◯Pになりますよ」

「いや、嫌いって言ってたけどさぁー……って最後の方はなんか違うから黙ろうか!」

嫌いって言っても、なんだろう。本心から嫌いって訳ではないし。

……というか、最後のソラさんは何を言い出しておるんだ。あんな真面目な顔で、そこまでの言葉を言うか、ふつう? あれ、絶対に誰かに吹き込まれたな。

「ルナ様です」「だろうと思ったわ」

完全に予想的中。……こんど、叱りにでも行こうかな。

「おやめください。それと、聖様をうのであれば早く行かれた方がよろしいのではないですか?」

「えっ? なんで?」

「もしこの瞬間にでも夕食を食べられたら、もうえなくなりますよ」

それもそうだな。

「じゃあさっさと行くぞ〜!」

「おー!」

「了解した」

「では案しますね」

いつもよりも早足で俺たちは歩いて行くのだった。

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