《異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした》イタズラ年 その名をジャック
「い~ち…に~い…さ~ん…も~良いかい?」
ユートは現在、改裝したばかりの館の一つの柱で目を隠し數を數えていた
「「も~い~よ~」でしゅ」
アイトとユラの元気な返事が聞こてきた為、ユートは柱から離れてアイト達を探し始める
ユートは今子ども達と一緒にかくれんぼをしているのだ
まだまだ街開発に追われる毎日ではあるが…たまにはこの様に子ども達との戯れる時間が無くてはユートの心も安らがない
「さてと~…どこかな~?」
ユートはそう言って館の中をくまなく探す
リビングや書斎…客室やお風呂に至るまで隅々探し回るが…何処を探しても見つからなかった
気配察知サーチや世界地図マップを使えば一瞬でわかるのだろうが…ユートは子ども達と対等に遊ぶ為に、なるべく魔法やスキルは使わないようにしていた
「あの二人…中々やるな…館の中でここまで立ち回れるなんて相當のやり手だな…絶対に見付けてやるぜ…」
ユートは心の中でそう自分に言い聞かせ、絶対にギブアップしない様にしていた
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ユートは一人の父親として…いや、一人の男として簡単に負けを認めるのは絶対に有り得ないとユートは確信しているからだ
「お~い…ギブアップだ…お父さんの負けだ~」
探し始めて一時間余りが経過した頃…等々ユートも音を上げ二人に聞こえるようにギブアップを宣言した
だが…二人の返事が聞こえてこない
最初のルールではユートがギブアップを宣言したら終わりだとしていたが…二人の聲は愚か、気配すらじなかった
「まさか…アイト!ユラ!返事してくれ!」
二人を呼ぶが…その聲に返ってくるのは無機質な空気が通る音と人の聲が聞こえてこない世界だけであった
ユートは即座に『気配察知サーチ』と『世界地図マップ』を発させて二人を探し始める…すると、世界地図マップには驚くべき事が表示されていた
ユートの背後に三人の子どもの気配があるのだ
そして、そのの二つはアイトとユラのであった
ユートは知らない気配を二人を拉致しようとしている奴だと認識して手元で魔法陣を展開する
そしてユートは即座に後ろを振り返り火玉フレイムボールの魔法陣を構える
だが、後ろには人っ子一人おらずユートの『火玉フレイムボール』は誰にも當たらずに消えていった
「おかしいな…」
ユートがそう呟いた瞬間、何処かからロープが飛んできてユートの足に絡み付きユートは天井まで昇っていき宙吊りの狀態になってしまう
咄嗟のことでユートは抵抗する事が出來なかった
ユートは何とか足や腹筋に力を込めて起き上がりロープに手を掛けて床に降りようとすると…下から水を掛けられ全の力が抜けてしまう
「わぁ~い!!大功でしゅ♪」
「やったねアイト兄ぃ!!!」
アイトとユラが元気良く飛び跳ねながらハイタッチをする
その手には水鉄砲を持っており先程から何回も水を掛けられている
「アイト…ユラ…今の今まで見付からなかったのは罠をってたからか…やれやれ…何はともあれ大事には至らなくて良かった…」
ユートがそう言って旨をなでおろした矢先に、何処かから知らない聲が聞こえてくる
「くっふっふ~☆…アイト君、ユラちゃん、作戦は大功だぜぇ!」
よく見ると…アイトとユラの隣にカボチャを被り白いローブを著た男の子が立っていた
「ユラ…その男の子は誰だ?」
ユートは何とかを起こしてロープを切って床に落ちる
「この子ね~…この絵本を開けたら中から飛び出してきたの~」
ユラがそう言うと男の子がトコトコとユートの前に歩いてくる
「初めまして、僕の名前は『ジャック』よろしくお願いします」
ジャックはそう言ってユートに向かって親睦を深めようとしているのだろうか、手を差しべて握手を求める
流石のユートも、得の知れない人に會ったとしても握手を求められ斷るというのは失禮なのでユートも手を出して握手する
すると…突然ジャックがクスクスと笑い出した
「イェーイ!!!イタズラ大功!!!」
ジャックはそう言ってユート握手をしている右手首から上を切り離した、ユートは一瞬驚いたが…どうやらこの右手首はマジックアームでジャックの手では無いとわかったが…
「イタズラ?一なんの事…」
ユートはそこまで言って手を離そうとするが…手が外れない…マジックアームと自分の右手の間をよく見ると…接著剤のような接合されており手が外れなくなっていた
「にっげろ~!!!!!」
ジャックがそう言うとアイトとユラもジャックの後を追って逃げていった
「あっ!おい!待て…」
一人取り殘されたユートはただ呆然と立ち盡くしていた…
「楽しかったねぇ」
まだ完途中の川原で三人でクスクスと笑い合っているジャック達は、次はどんな事をして遊ぼうか相談しているようだ
「うぅ~ん…お父しゃんをあのまま放置して良かったのでしょうか…」
アイトは館に置いていったユートの事を気にかけるがジャックが心配無いよと一言言うと安心し切った顔をする
こんな事をしていると…川の底に敷き詰める為の石を運んでいるドーラがやってきた、鼻歌を歌って呑気に空を見上げながら運んでいる
そんなドーラを見ていたジャックはまたイタズラを思い付いた様だ
アイトとユラを近くに寄せてヒソヒソとその容を話し始めた
石を運んできたドーラはまだ水を通していない川原の傍に運んできた石が詰まった袋を置いて一休みしている
「ふぅ…流石のドーラも疲れるっす…」
「でも…ドーラはめげないっすよ!後65往復頑張るっす!」
ドーラはそう言って両の拳を握りしめて汗を拭う
「ママ~、何してるの~?」
そんな時に、ユラがドーラに向かってスタスタと走ってくる
「ん?ユラじゃないっすか、今この水の底に敷き詰める為の石を森の外れの方からここまで運んできているんすよ」
ドーラがそう言って腰を下ろして目線を合わせながら頭をでる
「ねぇねぇ、そんな事よりも遊ぼうよ~」
ユラはそう言ってドーラの手を引っ張る
「駄目っすよ…今日中に仕上げないと駄目なんすから…」
ドーラはそう言って抵抗するが…しだけなら、息抜きも大事だと思いユラに引っ張られるまま何処かに連れていかれた
し森の奧の方へやってきた頃、木々の木れ日が差し掛かりさわやかな気分になれる様な場所に來ていた
「あの~…ユラ?一何処まで行くんすか?」
ドーラがそう言って不安そうな顔をしていると…突然ユラが引っ張っていた手を離し、トコトコと歩き出す
「ママ!あれ何?」
ユラがそう言って一本の木の上を指さす
ドーラは何かなと刺された方を見るが何も無い
「何もないっすよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」
ユラの方を見た瞬間にドーラの足元にが空いて真っ逆さまに落ちていった
「いぇーい!!またまた大功だぜぇ!!!」
木に隠れていたジャックとアイトが出てきて二人でハイタッチする
「う~ん…ママ大丈夫かなぁ…」
仕掛け人となったユラは落ちたドーラの事が気にかかりを覗いてみると…深いの底でドーラが気絶している
「大丈夫だって!ほら、早く行こうぜ」
ジャックがそう言ってユラの手を引っ張ってどこかへ行ってしまった
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