《異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした》聖なる夜に真っ赤な不審者
深々と降り積もる雪の上に足跡を殘し、白い息を吐き會話を弾ませながら歩く二人のがいた
黒のポニテに右目の包帯、左側に悲しげな狐の面を付けたランカ
黒のポニテに左目の包帯、右側に笑みを浮かべる狐の面を付けたレンカ
二人は現在、明後日に行われるクリスマスパーティの買出しに行っていた
七面鳥に大量の生クリーム、たくさんの果に持てるだけの甘~いジュース
買い出しを終えた二人は仲良くお家までの道をトコトコと歩いている…
「お姉ちゃんがお店で駄々こねてたから帰るのが遅くなっちゃったじゃん!!!」
「《疑問》なぜ【キャラメルくん】を買ってくれなかったのか、その解答を求める」
「だ~か~ら~!! 余分なお金は預かってないからダメなの!!」
「《追疑》私達はユートからお小遣いを貰っている、それを使えば良いのでは?」
「それはリンカお姉ちゃんが管理してるから持って來てないの!!」
……仲良く…帰っておりました
そんな時、目の前に1人の真っ赤で満気味な老人と、真っ赤で金の裝飾が散りばめられているソリに繋がれた茶いシカが現れた
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だが、それは元気が無さそうに倒れていて徐々にの上に雪が積もり、既にの半分は埋まっていた
二人は一瞬助けようとしたが…ユートからとある事を言いつけられていた
『いいか? 知らない人にはなるべく関わるなよ、例え赤い服を著たおっさんが雪に半分位埋まってても絶対に関わるなよ!』
正にこの現狀の事を言っているのではないかと疑わしい程言いえており、二人はトコトコとその場から立ち去ろうとしていた
「ま…待ってくれ…助けて…く…れ……」
立ち去ろうとした時、レンカは足を摑まれ行く手を阻まれてしまう
「ええぇ~…しょうがないなぁ…」
「お姉ちゃん、とりあえずそこの橋の下に運ぼ」
ランカはシカ付きのソリを、レンカは満気味のおっさんをそれぞれ片手で持ち上げて雪が振らない石橋の下に運んだ
二人は買い袋から暖かいコーンスープの缶詰を開けて、おっさんに手渡す
おっさんは缶詰が珍しいのか、一瞬飲むのを躊躇ったが一口飲んだ後はごくごくと飲んでいった
「いや~助かったわい、まさか空に結界が張り巡らされておるとは…この街は何かとの戦闘用の街なのかの?」
「最近出來た街だから油斷しておったわい、フォッフォッフォツ」
おっさんの口元をよく見ると、白くて長い髭がうっとおしい程にボーボーに生えている
イリーナ達が見ればバリカン片手に迫って來るだろう
「《警戒》この様なおっさんはこの街にはおりません、最低でもユートから渡された書類の中には名前も顔も登録されていません」
「《警告》どこの國の間者か答えよ、さもなくば一瞬にして塵芥となるぞ」
ランカはそう言うと、ドーラに造ってもらった大量の蔵武を《展開レーゼン》させておっさんに詰め寄る
「儂の事を知らるというか…やれやれ…最近の若い子は儂の事もわからぬか…しょうがないのぅ」
「名前は確か…《蘭華》ちゃんだったのぅ…ほれ、し早いがプレゼントじゃ」
おっさんはソリの中にある大きな白の麻袋から、青い箱に黃のリボンが結ばれたを手渡される
ランカ は プレゼント を 手にれた ▼
箱を開けると…中には箱とは明らかに積がおかしい大量のお菓子の詰め合わせがっていた
凡そ普通ならば一年分はっている
中には先程ねだっていた【キャラメルくん】がっており、口に放り込んで萬遍の笑みを浮かべる
「お姉ちゃん!! 知らない人にを貰っちゃダメだってお兄さんに言われてるでしょ!!」
レンカはランカにそう言うが…ランカには屆いていないのか、依然としてお菓子を食べる手を止めない
「知らない人…儂は普通ならば子どもならば誰でも知っていると思うのじゃがのぅ…」
「儂は《サンタ》じゃよ、サンタ・クロースじゃよ」
サンタはそう言うと、立ち上がり今度はレンカのプレゼントを取り出してレンカに與える
中を開けてみると…中から巨大なクマのぬいぐるみが飛び出してきた
目を輝かせながらレンカは、ぬいぐるみを地面に倒しその上にダイブする
「もふもふ…好き……」
2コマで墮ちたレンカはさておき、サンタは長い髭をでなからソリの中に麻袋を放り込み、シカを引いてどこかへ行こうとした時
今度はランカにソリを捕まれてまったくけなくなる
「《選択》もっとプレゼント寄越す、それか私達をそれに乗せる、選べ」
ランカのヘラヘラとユート譲りの意地悪そうな笑顔でサンタに語りかけ、その表ではこう語っていた
―ソリに私達を乗せてプレゼントを寄越せ……と
ランカとレンカを乗せたソリは空高く飛び上がり、シャンシャンと鈴を鳴らしながらを撒き散らすその姿は…正に聖夜の奇跡を現している
下を見下ろせば街の燈りが、夜の闇というキャンパスを華麗に染める
そんな景を見た二人は、手には先程貰ったプレゼント抱き上げライトアップされた街並みにを覚えていた
「これからまだ仕事があるというのに…仕方の無い子じゃ…こうなったら君達にも仕事を手伝って貰うぞ?」
サンタはフォッフォッと笑ながらシカを繋いだリードをパチンと鳴らすと、1つの家の屋に降り立った
ユートの街の家の殆どには煙突が取り付けられている、理由としては外観的な事もあるが…このクリスマスの為に設置したという匠の遊び心が……
そうこうしているにサンタは麻袋を持って煙突の中にりこもうしている
「《稽》こうした方が早い」
ランカとレンカは屋から飛び降り、扉の前に立って呼び鈴を鳴らす
「すみませ~ん、サンタですけど~、プレゼントをあげに……」
扉が開く寸前にサンタが二人の首元を摑みあげ屋に下ろす
「………二度寢しよ…」
扉が閉じると同時に、何故か不満そうな顔を浮かべる二人にサンタは頭を抱えてため息をつく
「寢てなきゃ意味無いんだよ!? とにかく、大人しく余計なにはらずに素直に付いてきてくれれば良いんだ!!」
サンタに口うるさく言われ、しぶしぶ付いていく事にした二人
炭だらけになりながらも家の中への侵に功した3人
「それじゃあ儂はプレゼントを置きに行ってくるから、君達は人が來ないか見張っててくれ、サンタは人に見られてはダメなのでね」
「《疑問》では私達にも見られてはダメなのでは?」
ランカのマイナスKに匹敵する程のグサリと刺さる口撃に、サンタもたじろぐが…レンカの切り返しにより助けられる
「ほら、私達って人工生命ホムンクルスだから、サンタのおっさん的には人に含まれないんじゃない?」
「《解》なるほど、つまりは私達には人権が無いというクズですね」
「そうだね」
二人のクスクスとした小さな笑い聲も、もうサンタは取り繕う暇もなく仕事を始めた
子どもの部屋にっていったサンタを見送ってから數分後、サンタが戻ってきた
「あれ? なんか袋大きくなってない?」
レンカはそう言って麻袋をツンツンと突くとサンタはレンカにデコピンをする
「こらこら、ってはいかんぞ?中には割れ注意なプレゼントもあるからのぅ」
「それじゃあ、次に向かうとするかの」
サンタはそう言い殘すと、また煙突から外に出ていった
ランカとレンカは汚れるのは嫌だった為、先に《外裝保持プロテクト》を発しておき汚れを防いだ
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