聞き慣れた朝の喧噪、その中に快活な元気のよい聲が響く。

「おっはよー!!　ミコチー!!　今日もかわいいねぇ～」

自然と視線は聲のほうへ向く。

そこには──

栗のショートヘアにほどよく実った雙丘。

くりくりとした護心をかき立てる目、顔といって差し支えないあどけない顔をしたが立っていた。

「ああ、おはよ。　菜マナ──て、かわいいっていうな!!」

彼の名前は"白詰シロツメ菜マナ"俺の馴染みだ。

その容姿から俺たちのクラス──2ーC──でマスコットキャラとして扱われ、男問わずされているだ。

「そうよ、菜。命ミコトくんはこれでもれっきとした男の娘なんだから」

と菜の後ろにいたがフォロー？をいれる。

「おい柊、これでもってなんだよ。」

彼の名前は"柊ヒイラギ　凜リン"。

菜の親友で、実家は俺がお世話になっている柊流剣道場を営んでいる。

菜とは対照的に、肩までばした艶のある黒髪のポニーテールに、鋭さと優しさが同居するキリッとした目。

は控えめながらもその引き締まったは抜群のプロポーションを形作っている。

かわいいというよりはカッコイイと呼ばれる部類のだ。

また、子からの人気がすごく、一部には〈お姉さま特選隊〉なるものがあるらしい。

「そうだよ。凜、命は確かに可いけど男・の・娘・はないんじゃないかな？」

と、俺にズレた同調の意を示してくれた、気のいい年の名は"三橋ミツバシ天哉テンヤ"茶髪のイケメンだ。

とにかくイケメンだ。なにがイケメンって、運、勉學共に優秀で、校テストでは常に上位にいる。

それでいて格も超がつくほど善良で、男友達のない俺にとって唯一の小學校からの親友だ。

「ん～？　なんのこと？」

柊め、白々しい。

「それはそうとミコチー？　今日は髪くくってきたんだね」

「ああ？　ワルいかよ？」

「いんや、ぜんぜん。むしろいい♪」

菜、サムズアップしてんじゃねえ。

「確かに、銀髪が映えるね」

天哉が俺の髪を弄りながらいう。

「うるせー。そろそろ席座れよ。チャイムなるぞ」

周りをみればほとんどの生徒が教室におり、いないのは不登校の生徒や遅刻の常習犯だけだった。

「ほんとだ。ミッチー、ヒイちゃん、席もどろっか？」

「そうだね」

「ええ」

菜の言葉でそれぞれ席に戻っていった。

はあ、やっと戻ったか……ん？なんか眠くｎ───

『うっわ～～。スッゴイ!!　綺麗な髪!!　よし!　おにーさん、君に決めた!!』

─────脳にエコーする巫山戯ふざけたセリフを最後に、俺は意識を手放した。