俺、"大神オオカミ命"《ミコト》は都にある學校に通っている普通の男子高校生だ。

だが、周りからの評価は違う。

曰く、異國からきた超絶人な男の娘だ。

……全くもって憾である。

その評価はミコトというっぽい名前からも來てるんだろうが、最大の原因は俺の容姿にある。

一般高校生としてはやや低い長に、薄い、剣によってほどよく引き締まった腹回り。

そして、と見間違うほど整った顔と、淡く輝く、腰までびた銀髪・・。

この銀髪は染めたわけじゃない。

生まれつきだ。

ともかくこれらの特徴のせいで、初対面の相手にはまずだと思われる。(聲も高めだからな)

それが、男子ならトイレに連れ込んで”アレ”を見せれば誤解はとけるが、子だとそうもいかない。

なので、誤解が解けずにだと誤解されたままになることも多い。

制服は男子のを著用しているにも関わらずだ。

あ?　かわいいと思われてるなら良いじゃない？　だって?

良くねえよ!!

見た目は一歩譲ってのそれだとしても中はれっきとした男。

対象はちゃんとだよ！

と勘違いされるせいで、告白の手紙はほぼ男子から、子からだと思ってルンルン気分で向かった先には、張で頬を赤く染め、もじもじしている男子生徒がいた事もある。

誰得だよ!!　きもいわ！！

そこで、「俺、男だから」って言っても「それでもいい」と言ってくる猛者までいる。

低確率で子からのレターもヒットするが、その全てが俺をだと思って告ってきたアブノーマルな奴。

よって生まれてこの方、彼がいたことは一度もない。

親友の天哉にはいる。

これもまた、解せぬ。

あと、いい思い出がない。

學校のコンテストになぜか登録されていて、學年で3位だったこと(死にたくなった)。

帰り道に拐されそうになったこと(半殺しにして警察へ)。

天哉とつきあっていると勘違いされたこと(彼に殺されそうになった)。

道場で門下生の人たちに著せ替え人形にされたこと(部屋に閉じこもった)。

正に踏んだり蹴ったりな人生だ。

だから切実に思う。

生まれ変わったら"かっこよくなりたい"。

名前も、”涼”とか、男の子みたいな名前にしてほしい。

そんなことを考えながら俺の意識は再び深く沈んでいった─────