《銀狼転生記~助けたと異世界放浪~》016 ~俺、の依頼をけます~
今俺は、開幕ブッパ仕掛けた謎のエルフ娘と向かい合って座っている。
『痛っつ~~~』
けた傷はすり傷程度だがそれなりに痛む。
なんとHPを100も削られた。(ゴブリンの攻撃は20だった)
しかも、あれだけ至近距離で発系の魔法使ったのにケロッとしてた。
なにそれ怖い。
「ごめん。でも、襲われると思った。」
『いや、いい。こちらこそ悪い。配慮が足りなかったな』
「ハイリョ?」
”こてん”と首を傾ける目の前のエルフ娘。
なにこれかわいい。
まあ、それはそれとして、
『ああ、何でも無い。それより自己紹介しよう。俺はロウ、幻狼のロウだ。お前、名前は?』
良い関係を築くには、相手の名前を知るのが大事だ。
これ、鉄則。
「ん。知らない人に名前聞かれても答えちゃダメって言われてる」
”出鼻を挫くじかれる”とはこのことか。
しっかり教育されておる。
「でも、ロウは人じゃないからいい」
……いいんだ。
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「名前は"フィリーネ”。フィリって呼ぶといい」
『フィリーネか。いい名前だな』
倒れているときは分からなかったが。
彼はとても綺麗な澄んだ紫の目をしている。
そのかわり、表は余りかではないのか、ずっと無表だ。
眠そうにも見えるが。
『それで、フィリ? お前は何であんなとこに1人でいたんだ?』
眠そうに目をこする(やっぱ眠いのか)フィリに尋ねる。
「ん。そうだった。木の実を探してた」
お、ちょっと目が覚めたみたいだ。
『木の実? なんでそんなものを?』
木の実くらいならそこらの木を揺すれば落ちてくるだろ。
「<アヴァロンの実>って言って、全ての病気や呪いに効く」
へー、そんなもんがあんのか。
『何処にあるんだ?』
「この森の主が持ってる」
は!? そんなところにひとりで!?
無茶だろ!?
『危なくねぇか?』
「心配いらない。私、強い」
ホントか? 確かにさっきの攻撃は中々だったが、でもなぁ。
そうだ。ステータス見てみるか。
そうすればこいつの強さも分かる。
【鑑定Ⅲ】!!
******************************
名前 フィリーネ・エアロ
種族 エルフ
裝備 なし
LV 19/30
HP 156/306
MP 240/2360
攻撃力:22
防力:40
抵抗力:40
俊敏:237
魔法力:3570
運 :10
:ユニークスキル:
【風の王パズスⅢ】【風炎魔法Ⅱ】
:パッシブスキル:
【神汚染無効】【風魔法系統耐特大】【魔力知】
【風王パズスの加護】
:ノーマルスキル:
【風魔法Ⅱ】【弓】⇨【アロー】【回復魔法Ⅱ】
【眠る★】
:稱號:
〖エルフの巫〗〖悪霊の加護をけし者〗〖眠り姫〗
〖忌み子〗
****************************
なっ!! なんだこれ!?
ステータスバグってんのか!?
いや、考えられることはある。
【風の王Ⅲ】や【風王の加護】、稱號の〖悪霊の加護をけし者〗が関係してるんだろう。
特に魔法関連に。
じゃないと、このバグステータスの説明がつかねぇ。
他にも気になる稱號があるが、ここらにしとこう。
『ああ、確かに強いな』
「む、私の〈風〉をけて平然としているロウに言われたくない」
お、初めて表がいた。
余程、自信のあった魔法だったんだろう。
「それに、ロウみたいな種族は見たことない。何者?」
そうなのか。
まあこの世界に狼はもともといなかったらしいしな。(今の所オオカミはエルビスと俺のみ)
『ああ、さっきも言ったが、俺の種族は幻狼。狼という新種の生の亜種だ。で、俺はある目的の為に旅をしてる』
伝わったか?
「ファントム・ウルフ? なんかかっこいい」
お、目がキラキラしてる。
やっぱ子供だな。
こういう話題がお好みか?
ならもっとしてやろう
◆◆◆◆
しばらく、俺の武勇伝(転移者やサハラのことは伏せた)を語りまくった。
結果、結構仲良くなった気がする。
表の変化が乏しいのでわからんが。
冒険語に興味があるのだろうか?
と思っていると。
「ロウ。里に來てほしい。案するから」
フィリから里へのおいがきた。
まじで!!
やっぱあんのか!?エルフの里!!
ひゃっほーい。行く行く!!
『いいのか?』
心を表に出さないよう対応する。
「うん。ロウには”実”を探す手伝いをしてほしい。報酬もだす。そのために1度、里に戻る」
ああ、そういうことか。
まあ、魔神になるって目的はそこまで急ぐ目的でもないし。
いいかな?
どっちにしろ里には行けるんだし。
『ああ、わかった。 だけど、その里に、俺が行っても大丈夫か? 一応、〈神、〈魔獣〉なんだが?』
あぶねー。
〈神獣〉って言うとこだった。
「かまわない。もう変な魔獣が住んでる。だから皆、友好的な魔獣には優しい」
まじか。
魔獣いんの?
どんなんだ?
『変なって?』
「自稱 元魔王軍幹部。アホらしくて皆、相手にしない。でもいい奴」
ああ~、そういう~。
でも、いいな。そういう流ができるのは。
是非とも、その魔獣とお近づきになりたい。
『そうか。それなら安心だ。じゃあ出発しようと思うが、歩けるか?』
「痛い。無理」
即答かよ。
まあ、その足ならな。
回復魔法使えるの知ってるけど
『わかった。 じゃあ乗れ』
俺は狼っていっても地球産より大きめだ。
1人の重くらい何ともない。
「ありがと」
フィリは、まってましたとばかりに俺の背中へダイブする。
『おう、じゃあしっかり捕まって──ッ!!』
その時、
俺は恐ろしい事実をじ取ってしまった。
ノ……
ノーパンだとぉぉぉぉおおおおおおおおお!?
「ん? どうかした?ロウ?」
お、落ち著け、俺
相手、見た目ロッリロリの系。
興する要素なんてねぇ!!
俺はロリコンじゃねえし!
斷っっじて違えし!!
『あ、ああ何でもねえ』
そ、そうだ!!
ロリ系なら、真や小さい時の俺の方がよっぽどロリ系……
ってなに言ってんだ!! 俺ぇええええええええ!!
落ち著け~落ち著け~
ヒッヒッフー、ヒッヒッフー
なんとか落ち著いたか……。
ピトッ
ん? おい、なにして、
「はわぁぁ、ロウの背中。ひんやりする」
著してんじゃね~!!
理が、俺の理が本能と戦っている!!
頑張れ俺ぇええええええええ!
ふぅ。今度こそ落ち著いたか。
まったく、俺としたことが、々取りしちまった
『おい、フィリ。案をたの……む』
「すぴー、すー、すピー」
ね、寢てやがる!?
この恐るべき速度で、レム睡眠へ突する短時間睡眠法、お前は、”の●太”君か!!
いかん!
このままではフィリが未來からきた貓型ロボットのスネをかじり続ける、將來クソニート確定のゴミ野郎になっちまう。
『おい、起き──』
「ムニャムニャ、ロ~ウ~。 すぴー』
……ま、まあ。
いいんじゃないかな
フィリが將來あんなくそ野郎になる確率は萬に一つもない。
と思う。
それに稱號に〖眠り姫〗ってあるしいいか。
かわいいな 〖眠り姫〗。
フィリにあって、くそ野郎にないもの、それはカワイサ。
この寢顔は守りたい。
しゃあねぇ。
幸いフィリと話してる時に、里から來たときの道は聞いてたからな、周辺警戒中の分β使って、道探しながら行けばどうにかなるだろ。
俺『こちらα、今から移する。目的地はエルフの里。どーぞ』
β『こちらβ、了解した。直ちに合流する』
よし、行くか。
そうして、俺の第一の目的地が決まった。
この選択が、
後にこの世界に大きな影響を與えることになるとも知らずに……。
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