《銀狼転生記~助けたと異世界放浪~》032 ~森のクマサン~
ああー。
やっちまった。
思わぬ所でエンカウントイベント発生だよ!
フィリが咥えられた狀態のまま、ハイライトの消えた目で俺を見上げる。
やめて~。
そんな目で見ないで~。
俺は、フィリの視線から逃げるように目の前のクマサンを【鑑定】する。
*****************************
名前 なし
種族 フォレストベアー  危険度:C+
LV:29/30
HP:360
MP:50
攻撃力:200
防力:180
抵抗力:10
俊敏:20
魔法力:6
運 :10
:ユニークスキル:
なし
:パッシブスキル:
【攻撃力up小】【嗅覚上昇小】【インセクトキラー】
:ノーマルスキル:
【突進】【怪力】【豪腕】
:稱號:
〖殺戮者〗〖フォレストビーの天敵〗
*****************************
おっし。
フィリの相手としては合格値だろう。
こいつを倒せば、フィリのレベルは最大になるはずだ。
Advertisement
うん。
結果オーライだ。
俺は、クマサンを刺激しないように、フィリをゆっくりと地面へ置く。
若干不機嫌そうだが、頑張ってくれ。
「武」
ん?
フィリが手を出してくる。
『どうした?』
「短剣、頂戴」
え、フィリなら魔法使って倒せば良いんじゃ?
俺が疑問に思っているのをじたのか、フィリが不適な笑みを浮かべる。
「私がお荷じゃない所を見せる」
どうやら、フィリはここで自分の実力を見てしいようだ。
別にお荷なんて思ってねえのに。
『まあ、そこまで言うなら』
格納庫から短剣を數本取り出してフィリに渡す。
「ちょっと、重い」
だ、大丈夫か?
メッチャ心配なんだけど!?
「でも、殺る!」
そう言って、フィリが駆け出す。
『あ! ちょい──』
「グォォォアア!」
クマサンは向かってくるフィリを敵だと認識したようだ。
二本足で立ち上がって威嚇する。
不味いって、いくら相手が同じくらいの強さっていってもそれはレベル上の話。
遠距離戦では圧倒的に有利なのに、わざわざ相手の土俵である近接戦闘に持ち込むなんて!
フィリの攻撃力じゃ、ダメージが通らねえよ!
ここは救援に──
「ガァアアア!!」
な、なんだ!?
クマサンがよろめいた。
見ると、クマサンの辺りに短剣が突き刺さってる。
何をしたんだ?
いや、フィリの手元から凄い勢いで、短剣が放たれたのは見えた。
けど、フィリは【投擲】や【短剣】のスキルなんて持ってなかった。
ましてや、魔法特化ステのフィリが投げた短剣が見るからにそうなクマサンの剛を貫通してダメージを與えるなんてありえねえ!
攻撃をけたクマサンは怒り心頭だ。
立ったまま、両手を高く上げる。
やばい、多分【豪腕】だ。
普通の攻撃でも、一発貰えば危険だってのに、あんなの喰らったらフィリがミンチになっちまう!
しかし、フィリはそのまま真っ直ぐにクマサンへ突っ込んでいく。
やべえ!!
クマサンが両手をクロスさせながらフィリ目がけて振り下ろす。
『フィリィィィィ!!』
悲慘な未來を予想し、助けに向かおうとしたその時だった。
「〈噴出ジェット〉!!」
フィリが加速する。
なんだ!?
足の裏から風を噴出してスピードを上げてんのか!?
間一髪、フィリはクマサンの豪腕攻撃をすり抜ける。
その勢いのまま、フィリを見失って直したクマサンのの間を通過する。
その際に、短剣を一本、下へ取り落とすフィリ。
そして、地面へ落ちかけた短剣が、真上に打ち上がる。
そう、下・・から真上・・にだ。
「グホォォォォォォォォォォオン!!!!」
『うおぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!』
思わぬ急所への強襲をけたクマサンが悲鳴にも似たびを上げる。
俺も、神的な意味で思わずぶ。
今、ゾッとしたわ!
クマサンがオスかメスかは分からないけど、どちらにせよあそこは悲慘だろう。
下半の描寫は控えさせて頂く。(主にクマサンの尊厳の為に)
だが、尊い犠牲のおでフィリの攻撃がクマサンに通る理由が分かった。
自や、短剣に【風魔法】による推進力を攻撃力を上乗せしていた訳だ。
なんて賢い戦い方を!
よし、クマサンはまだフィリを見失ってる。(それどころじゃない)
対してフィリはクマサンの背後。
『いけ! フィリ! 背後からブスッとやって、速く楽にしてやれ!』
だが、またしてもフィリが予想外の行に出る。
「〈噴出〉!!」
──ドヒュン!!
今度は、フィリ自が【風魔法】によって真上に打ち上がる。
何する気だ!?
空中でフィリは両手に短剣を二本持つ。
確か渡した短剣はアレで最期だ。
「〈噴出〉!!」
今度は空に向かって【風魔法】を放つ。
フィリには下のベクトルで風の推進力が加わる。
そこに、下へ落ちるという重力の力が作用する。
結果、フィリはものすっごい勢いで突撃らっかする。
「ん!!」
下に待ちける、クマサンの頭部に向かって……。
──ドスン!!
◆◆◆◆
クマサンの巨が、仰向けに地に倒れ込む。
その頭部には、短剣が二本、角みたいに突き刺さっている。
そして、俺の目の前には、若干の”ドヤ”を表に浮かべながら、「譽めて!」とばかりにアホを揺らすフィリが立っている。
『あー。凄かったぜ!! フィリ!』
「ん♪」
フィリの頭をナデナデしながら俺は心の中で強く思った。
──クマサン。あんたの犠牲は忘れねえ!!
モンスター・イン・エンドアース
ようやく高校受験も無事にパスした栗棲(クリス)は、兼ねてから志望校に受かったらと念願の VRを買って貰えることになった。 一昔に。流行り言葉となったひと狩り行こうぜがぴったり來るCMに魅せられた栗棲は。モンスター・イン・エンドアースと呼ばれるゲームを選ぶ、年齢フリー、VRとは思えない感情豊かなNPC、日常と非日常を楽しむため早速、ログインしてキャラクターデザインしていく、
8 109エルティモエルフォ ―最後のエルフ―
普通の高校生、松田啓18歳が、夏休みに海で溺れていた少年を救って命を落としてしまう。海の底に沈んで死んだはずの啓が、次に意識を取り戻した時には小さな少年に転生していた。その少年の記憶を呼び起こすと、どうやらここは異世界のようだ。もう一度もらった命。啓は生き抜くことを第一に考え、今いる地で1人生活を始めた。 前世の知識を持った生き殘りエルフの気まぐれ人生物語り。 ※カクヨム、アルファポリス、ツギクルにも投稿しています。
8 108りんご
とある先輩と後輩と林檎の話
8 85かわいい俺は世界最強〜俺tueeeeではなく俺moeeeeを目指します〜
艶やかな黒髪、ぱっちりお目、柔らかな白い四肢。主人公の腹黒ロリ男の娘カナデが目指すのは俺tueeeeではなく俺moeeee! 磨いた戦闘力(女子力)と変態女神に貰った能力『萌え』を駆使して、異世界を全力で萌えさせます! そんなカナデが異世界にて受けた言葉「貧相な體。殘念な女だ」。カナデは屈辱を晴らすため(男です)、能力『萌え』を使って屈辱の言葉を放った領主の息子アレンに仕返しすることを決意する。 章毎にテーマの屬性を変更予定。 一章完結! 二章準備中! 【曬し中】
8 125光と壁と
高校體育教師の小川恵子と、東大卒でありながら冴えない著物の仕立て屋として活動する結城裕康の戀愛、結婚生活を描く。著任した高校になじめず、ノイローゼとなった恵子は靜養のため、茨城県の結城市にやってくる。偶然行った展示會で、裕康と出會い、彼の経歴に感激してしまって強引に結婚し、、、。 自己犠牲者とそれを理解できない女性との衝突を読んでいただけたら幸いです。 老荘思想とか、仏法の影響も強いお話。 とりあえず長いだけが取り柄のお話ですが、読んでみてください。
8 172魔王様は學校にいきたい!
“最強無敵な魔王様の、マイペースな異世界スクールライフ(?)” 見た目は小さな女の子。しかし中身は最強の魔王様にして、吸血鬼の真祖様。 そんな魔王ウルリカ様は、どうやら魔王に飽きてしまったご様子。 そして興味を持ったのは……なんと、人間の通う學校だった!? 「魔王も真祖も飽きたのじゃ!」と、強引に人間界へと転移してしまうウルリカ様。 わがまま&常識外れなウルリカ様のせいで、人間界は大混亂!! こうして、剣と魔法の世界を舞臺に、とっても強くてとっても可愛い、ウルリカ様の異世界スクールライフが幕を開ける(?)。
8 120