《転生王子は何をする?》プロローグ 2

「良い話って何だ?」

俺はそう當然の質問をする。

すると神は、何かを期待するかの様な笑顔で俺をじっと見つめながら口を開く。

「君に、チャンスをあげよう。所謂、転生というやつだ。ある程度なら君の要を聞いて、その上で転生する際の環境も整えてあげるよ。どうする?」

俺は勿論こう返す。

「その話、乗った!!」

「うんうん。良い返事だね。それじゃあこれで細かい設定をしようか。」

そう言いながら神は右手を水平に振る。すると俺の目の前にスマホが落ちてきた。

「え?何でスマホ?しかもご丁寧に俺のスマホだし。この見覚えのある畫面の傷とケース。間違いなく俺のだろ。」

「まぁ、そっちの方が君もやりやすいだろうという、有難い配慮だよ。謝したまえ。」

「はいはい、ありがとうよ。」

俺は生返事でそう返しながら、電源をつける。すると見たことの無いアイコンのアプリケーションがっていたので、これかな?と思いつつタップしてみる。

すると壯大な音楽とともに、『チート持ってますか〜!?チートがあれば何でも出來る!!』という題名が現れ、直ぐに消えた。そして次の瞬間には至って普通RPGのキャラメイキング畫面となった。強いて違う點を挙げるならば、キャラクターの容姿が設定出來ないことぐらいだろう。

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「え?何これ?何か呆れるくらいに軽いノリなんだな…。」

俺が呆れたように神を見ると、奴は慌てたように両手を振って言い訳をする。

「い、いやだってさ、そんな分厚い本とかよりもオタク趣味のある君ならそっちの方が良いかと思ってね。」

「まぁ、言いたい事は分かったけど、一つ訂正をしとこうか。俺はオタクちゃうぞ。」

最後の方だけ強調して言う。

別に俺はオタクに対して偏見がある訳では無いが、最高にイカれた友人(本のオタク)が居るため、自分はまだまだオタクではないと思いたいのだ。というかアレと同種にされたくない。

「そ、そうなんだ。」

神は俺の言葉の裏に隠れた強い意思をじ取って、し圧されたようだ。

そんな神を橫目に、俺は設定を決めようとする。

‐名前は…決められないのか。そりゃそうだ。両親に決めてもらわないとな。というかあれ?そういえば俺の名前は何だっけ?…記憶が無い!?何でだ!?‐

自分に関することが一切思い出せない事に気が付いた俺は、慌てて神に問い詰める。

「おい、神様!!何か記憶が無いんだけど!?何でだ!?」

「ちょ、落ち著いて。そんなに慌てなくても説明するから。」

神は突然大聲を出した俺に驚きながらも、俺を宥める。

「お、おう。悪かったな。…で、何で?」

「それはだね、前世の記憶!特にエピソード記憶は無い方が良いかな〜ってじで何となく消してみました!!取り返しはつきません!!」

と、神は完全に開き直って堂々とんだ。

「ふ〜ん。ま、良いけど。」

「良いのかい!?」

呆然とする神を橫目に、今度こそ俺は設定を決めていこうと、畫面を注視する。

‐え〜っと、今與えられているポイントが…無限!?何でも出來るって事かよ!?ポイント制の意味をしてねぇ!!…はぁ、もういいや。取り敢えず、別は男だな。産まれる環境は、ランダムになるのか…。ん?最終長とか決められるのか。じゃあ何となく憧れる185でいいか。重は70で。顔面偏差値?…上の下でいいかな?お次は種族か。なになに?次の中から選べってか?‐

下にスクロールしていくと、様々な種族の名が連なっていた。

人間族

獣人族(細かい種族はランダムです。)

エルフ族

小人族

竜人族

魔人族(全ての種族の敵です。)

分がありません。そして種類も選べません。)

いずれかの種族のハーフ(選択可)

‐何か幾つか頭のおかしい選択肢があったけど、ここは無難に人間族にしくか…。あ、そうだ。質問しとこう。‐

「なぁ、神様。これから行く世界って、戦の世とか、魔人復活とかめんどくさいこと無いよな?」

突然質問がきた神はどもりながら返答する。

「う、うん。無いよ。それと補足だけど、なくとも君の居た世界よりも、人種や宗教による対立はないね。」

「やっぱり共通の敵が居るからか?」

「そうだね。」

「分かった。サンキュー。」

「いやいや、お安い用さ。」

俺は、ドヤ顔をしている神を睨みながらスマホの畫面に顔を戻す。

‐さて、懸念も解消されたことだし、サクサク進めていくか。次はステータスか。‐

名前:設定不可

種族:人間族

職業(分):-

年齢: -

Lv: -

HP: -

MP: -

STR: -

VIT: -

DEX: -

AGI: -

INT: -

LUK: -

スキル: -

稱號: 神を笑わせた者

         

‐稱號は無視しよう…。初期ステータスは、取り敢えずオール300で。-

すると畫面に、『レベルとステータスのび代の限界突破しますか?Yes/No』と表示された。

‐どっちもイエスで。さて、お次はスキルでも取るか。‐

そう考え、スキルの欄をタップすると、スマホの畫面いっぱいにビッシリとスキル名が並ぶ。

‐おいおいおい!!スキル多すぎるだろ!!どうすりゃあ良いんだよ!?‐

呆然としていると、神がこう言ってくる。

「あ、やっぱりスキルの多さに困しているね?そういう君のために、良いスキルを用意してあげたよ!その名も統合スキル!なんとスキルが特ごとに纏められているんだ!本來ならいろんな條件を満たさないと手出來ない優れものだよ!例えば武を使うスキルとして剣とか弓とかあるけど、それらを纏めた統合スキルが武神っていうやつになるだ。」

「へ〜。で、どこにあるんだ?」

こんな量のスキル群の中からそれらを見つけるのは一苦労だろう。それこそ日が暮れてしまう。

「勿論一番上の方に集中して配置しておいたよ!こっからここまでがそうだからね。」

「了解。」

俺は神に言われるがままそのスキルをタップして取得する。

こうして俺はチート街道まっしぐらになるのだった。

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