二人の間に靜寂が流れる。魔導師団団長の執務室が、トリスの部屋と同じ様に絨毯が敷かれていて怪我は無かったのだが、兎に角二人はかない。

その間、トリスは改めてアリアーヌのしさに見れていた。トリスは本による知識で、エルフは大変に長命であり、また20年ほどで大人に長した後、數百年は見た目が変わらず、尚且つ形が多いため、多くの種族からんな意味で狙われることが多いと知っていた。しかしエルフを見るのは初めてで、且つ前世においての子とほぼ関わり合いを持たずに過ごしてきたトリスはこういったしさに慣れていない。

逆にアリアーヌは、最初は高々子供を押し倒してしまった程度で揺する必要無いと考えたのだが、トリスは前世の記憶があり、神年齢的には25歳程度であると思い出してしまった。そのため、『あれ？これってまずいんじゃ？』と思い始めてしまい、気恥ずかしさで思わず固まってしまっているのだ。

靜寂が続く事十數秒後、執務室のドアが叩かれる。

『コンコン』

って來たのは、トリスをこの部屋に案してくれた騎士であった。

｢失禮します。そろそろかと思い、トリスタン様をお迎えにあが…り、まし、た？｣

あまりの驚愕に目を見開きながら言う。

ってきてすぐには足下に居る二人には気づかなかったが、數秒後に気付いて語尾が疑問形になってしまったのだ。

｢こ、これは違うのだ！事故だ！不幸な事故なんだ！｣

アリアーヌは慌ててを起こし、顔を真っ赤にしながらぶが、それでは逆効果である。

｢これは大変失禮しました、アリアーヌ様。しかし、百數十年生きていてなお結婚出來ないからといって、子に手を出すのは如何かと、私は思いますが…。｣

と、騎士は哀れみとゴミを見る目が半々で混じった目線を向けながら言う。

アリアーヌはその言葉を全力で否定したいが、今は何を言っても逆効果であることは先程のやり取りで分かっているため、どうすれば良いのかと頭を掻き毟る。

｢ど、どうすればいいのだ〜!?そうだ！トリス！私を弁護してくれないか？｣

先程から全く言葉を発しないトリスに向けて言葉を放つ。

｢…。｣

｢トリスタン様。無理をせず、アリアーヌ様に脅されている場合は後で私に言ってくださいね？｣

｢脅してなんかいない！本當に事故なんだ！｣

｢…。キュー…。｣

｢｢え？｣｣

トリスはなんとアリアーヌのしさに、に慣れていないため、顔を茹で蛸のように真っ赤にして目を回してしまったのだ。

｢おい、トリス！大丈夫か!?｣

｢早くお部屋へとお運びしなければ！手伝って下さい！話はそれからです！｣

ついさっきまで言い爭っていたとは思えない程の連攜プレーでトリスを運び出し、ベッドに寢かしてゆっくりと休ませてやることにしたのだった。