《転生王子は何をする?》第10話 魔法の練習をしよう 1
トリスは暫く本を読み、たまに理解できないところをアリアーヌに質問するという日々を過ごしていた。おかげで魔法に関する知識や、この世界に関する知識が大量に得られた。
まず魔法には、火、水、風、氷、雷、、闇、時空、無と9つの屬がある。多くの人は魔法の適を持たず、數百人に1人の割合で1つの適を持つ人がいる。そして屬が多くなるごとに割合が低くなり、6つ以上の適を持っている生は今のところ1しか確認されていないらしい。また、魔法と定義されてはいないが、トリスのスキル『魔神』に含まれている錬金や付與も魔力を介して行われる。これも適が必要であり、持っている人はあまりいないそうだ。
お次は國の仕組みについて説明していく。封建制度が多く採用されていて、地球でいう民主主義國家は無いそうだ。多くの貴族が領地を持ち、稅として作や特産品を集め、その一部を王家に獻上しているという仕組みだ。所謂悪徳貴族もおり、自の領地で好き勝手やっている者もいる。流石におおっぴらに悪事を働くと、他の貴族からの攻撃材料となり、自の立場が危うくなるためコソコソとしか行っていないそうだが。
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また、組合であるギルドが國の運営に大きく関わり、特に魔等の討伐を主目的として発足されたギルドの、冒険者ギルドが大きな力を持つらしい。冒険者ギルドの他に商業ギルドや鍛冶師ギルドなどがある。
流石はINT300というべきか、このように読んだ本の容はほぼ忘れていない。それどころか、どの本の何ページ目にどのような容が書かれていたかすらぼんやりと記憶出來ている。前世とは全く違う仕組みで世界がり立っているんだなと改めて思わされたトリスだった。脳の容量に関係なく、記憶力がステータスという數値で左右されるのはトリスにとっては面白いことなのだ。
「さて、今日は魔法を実際に使ってみるか。」
と、アリアーヌは唐突に宣った。
「え?いや、だって自分の魔法では、王城を吹っ飛ばすどころか、この都市全を更地にしかねませんが?」
トリスは、風魔法の威力を見て、それ以來使っていないのだ。そのため、當然の如く反論する。
するとアリアーヌは、むしろを張ってトリスに言う。
「そう言うと思ってだな、例えドラゴンが數百匹集まって暴れても、人里には一切被害が及ばないであろう場所を用意してやったぞ?」
「…人をなんだと思ってるんです?」
その失禮な例えに、トリスはジト目で返す。しかしアリアーヌの方が一枚上手であった。
「ん?下手したら都市一つを余裕で吹き飛ばす化、じゃないか?」
「グッ…。」
自の言葉を使われてはトリスも言い返すことも出來ず、押し黙るしかなかった。そんなトリスの様子を見て満足気にアリアーヌはからからと笑う。
「まぁ、冗談はここまでにして、これから移するぞ。摑まれ。」
「は?摑まれ?若しかして転移魔法ですか?」
「あぁ。最初の方はし酔うかもしれんが、まぁ我慢してくれ。では行くぞ?」
「はい、了解しました。」
アリアーヌはトリスが自分の腕にしがみついたのを確認してから魔法を発させる。
「よし、『転移』。」
本來転移魔法は、くそ長い呪文と巨大で複雑な魔法陣、そして複數人で同時にその魔方陣に魔力を込めてやっと発させることが出來る。しかし高い時空屬適正と膨大な魔力、そして長年の修行により、アリアーヌはキーワードを口にするだけで行使が可能となっていた。
このような、ある意味非常識が服を著て歩いているような存在に教わったことにより、後にトリスは自重を知らなくなってしまうという弊害が生まれることとなる。むろん教わったことにより何度も魔法に助けられることとなるのだが。
それは兎も角、転移による移は一瞬で終わる。
妙な暑苦しさをじ、トリスが転移魔法の行使の際に発生したに閉じていた目を開けると、辺りは砂漠に変わっていた。
「えっと〜、ここは若しかしなくても…。砂漠があるということは、セラブル大陸だったりするんですかね?」
そんなトリスの震え聲を聞きながらも、アリアーヌは頷きながら言う。
「うむ。若しかしなくともここはセラブル大陸だ。その中でも陸部の広大な砂漠が広がるザート地方だ。ここならばいくら暴れても大丈夫だろう。」
「えっと、魔族とかは大丈夫なんですか?」
「む。まだ勉強していないのか。魔族はこのザート地方から遠く離れた海辺の火山地帯であるアティーブ地方に居るから大丈夫だろう。昔旅をしていた時に來ておいて正解だったよ。」
何でもないような顔をしてアリアーヌは言うが、この世界で旅をするのは大変危険なことであり、トリスのいたステイブル大陸から海を隔てて數千キロはある別大陸は以ての外である。
「は、ははは…。」
アリアーヌの非常識さに自のことは棚に上げて、トリスは乾いた笑いを堪えることが出來なくなるのであった。
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