《転生王子は何をする?》第23話 冒険者ギルドに登録しました
トリスは気合をれて、冒険者ギルド部にる。ギルドは二階建てとなっている。口近くはよくある窓口の様な形で付があり、奧の方にテーブルが用意されていて、そこでは冒険者と思しき男達が酒を酌みわしていた。どうやら酒場が併設されているようだ。
-うお〜!!これぞ冒険者ギルドってじだよ!!俺今、この世界に來てから一番興してるかも!!-
トリスは心興しながら取り敢えず付に向かう。勿論その興を表面には一切出さないが。今は夕方であり、まだ冒険者達の帰還がピークを迎えていないのか、3人居る付はだいぶ空いていて、というか誰も並んで居なかった。
誰にしようかとトリスが目線を左から順にかしていくと、一番右端に貓の獣人のの子が座って居るのが目にった。
-おぉ!!この世界で初の獣人さん頂きました!!ホントに貓耳生えてるよ!!人間の耳もちゃんとあるけど、何故か違和が無いな。これが本の実力か!よし、決めた!-
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迷い始めてから決めるまで、その間実にコンマ2秒である。別に他の2人が不細工なであるとかそういう訳ではなく、というか寧ろ超人さんだったのだが、やはりケモ耳はトリス的にポイントが高かったのだろう。何が『やはり』なのかは知らないが。
それは兎も角、トリスは冷靜を裝って貓耳娘の付嬢に話し掛ける。
「ぼ、冒険者の登録をしたいんですが!お願い出來ますでしょうか!」
全く冷靜を裝えていないトリスに、付嬢は引き攣った笑いを浮かべるが、すぐに素晴らしいという賞賛しか浮かばないほどの営業スマイルで完全武裝する。
「はい、畏まりました。それではこちらにお名前と年齢とお住まいの場所、それと出地をお書き下さい。代筆は必要ですか?」
「いえ、大丈夫です。」
トリスは今度こそ冷靜を裝って返答する。
-名前は…トリスでいいか。どうせ稱だから誰も第三王子と結びつける奴は居ないだろうしな。それと年齢は18歳でいいか。それよりも住所だ。そんなの要求されるとか知らなかったぞ!ちょっと聞いてみるか…-
まさか王城などとは書けないトリスは、自に関する設定を作り上げ、付嬢に質問する。
「え〜っと、今日王都に著いたばかりで、住む所が決まってない場合って、どうすればいいんですか?」
「え、そうなんですか?その場合は宿が決まったら報告に來て下さればそれで大丈夫です。」
「へ〜、そうなんですか。分かりました。明日にでも報告しにきますよ。」
トリスは住んでいる所を記する欄を空白にし、次の欄の出地には、日本と書いておいた。勿論漢字ではなく、こちらの言語でニホンと発音するようにだ。
「はい、確認致しました。それでは登録料として、銀貨3枚頂戴致します。」
アリアーヌ報では銀貨1枚だったため、トリスは首を傾げる。アリアーヌに以前、冒険者ギルドに関する報を教えて貰っていたのだ。彼自、世界中を旅していた頃は冒険者として路銀を稼いでいたらしく、様々な冒険譚が聞けて面白かった。特に街に迫り來るドラゴンの群れを丸々氷漬けに…とまぁこの話は置いておくとして、疑問に思ったトリスは付嬢に問う。
「あれ?値上がりしたんですか?」
「え?ここ數十年、なくとも私の先輩が勤務している時は既にこの額だったみたいですよ?」
「え、あ〜、そうなんですか!お、俺は辺境に住んでて、常識とかは村のじっちゃんに教えて貰ったんで、知識が古いのかもしれませんね!あははは!」
-くっ!もっとリサーチするべきだった!というか何故アリアーヌの冒険者登録が、100年近く前であると気付かなかったんだ!-
トリスは焦りつつも、無理矢理設定をこじつけて誤魔化す。心では自を叱責している。
「へ〜、そうなんですか。確かにニホンなんてとこ聞いたことありませんしね。」
-そりゃあ、聞いたこと無いだろうよ。異世界だし。-
何とか怪しまれずに済んだトリスは、ほっとをで下ろしつつ懐から金貨1枚を取り出す。
この世界では貨幣は主に鉄、銅、銀、金、白金(ミスリル製)、王(オリハルコン製)と種類があり、鉄貨が一番安く、10枚で銅貨1枚となる。鉄貨1枚で大10円ほどとなっている。
「はい、確かにお預かりいたしまた。では銀貨7枚のお返しです。ではカードをお作り致しますので、々お待ちください。」
「はい、分かりました。」
付嬢は奧へと下がっていく。その様子を見送り、トリスは壁際まで行き、寄りかかって待つことにした。テーブルを取り出してお茶しても良かったのだが、金貨を取り出した時點で周りからの目線、特にを向ける目線をじ取ったため、騒ぎを起こすのはまずいと考えてやめたのだ。微妙にヤキモキした気分になりながら、トリスは5分ほど待たされることとなるのだった。
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