《異世界に転生したので楽しく過ごすようです》第31話 領主を敗するようです
王都を出て4日目。無事に次の街にたどり著くことが出來た。
街の名はアルーロスだ。
この街は王都のほぼ東側に位置していて、ここからさらに東に行けばまた街が、その街からさらに東に行けば帝國と王國の関所がある。
その関所が今のところ俺達の目指している所だ。
「マスターご飯食べたーい」
「お前さっきもなんか食ってたというのにまだ食うのか…」
「えへへー」
「褒めてないんだけどね…。まぁいいか。街を見て回るついでになんか食べを買うか。皆もそれでいいか?」
「うん!」「はい」「ん」「異議なーし」「おう」
全員一致の賛になったので街を見て回る事になった。
「それじゃ最初は商店街でいいな?なんか買って食べ歩きでもしようぜ」
「なかなかいい案じゃない。そうしましょ」
ジュリの言葉に皆頷いたので、商店街へ向かった。
「ごっはんっ!ごっはんっ!」
ゼロは食べ歩きが出來ると聞いて上機嫌だ。
ていうかマジでゼロは食べることしか考えてないような気がするんですけど…。このままで大丈夫なのだろうか…。
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そんなことを考えていたら、し先に商店街が見えた。だが俺はその商店街に違和を覚える。
今まで見てきた商店街とは違ってピリピリしてる様な気がする。
「な、何かちょっとピリピリしてる?」
「確かにダルダナンの街のように和気藹々なじではないですね」
「なんかこわいのー…」
「何が原因でこうなっているのかしら?」
「聞いてみるといい」
やっぱり皆もじ取ったようだな。見るからに今までの商店街とは違うからな。
「ミルの言う通りだ。ちょっと聞いてみるか」
俺は近くの果屋の店主に話を聞くことにした。
「すいませーん」
「はいよ」
返事をしたのは気の強そうなおばさんだった。
「この商店街の雰囲気がピリピリしてる理由について聞きたいんですけど…」
「なんだい?冷やかしかい?そんなのこの街の奴なら誰でも知ってることじゃないか。……ん?あんたこの辺の人じゃないね?そりゃ知らないのも當然だね」
「あ、はい。その通りでついさっきこの街に著いたんで何も知らないくて…」
「そういう事ならこの街で起っていることを教えてあげるよ。ただし!話を聞いたらうちの商品を買っておくれよ?」
「ええ。こんなに味しそうな果を買わないわけないですよ」
「はっはっは!あんたわかってるじゃないか!」
おお。適當に言ったらなんか軽い雰囲気になったわ。自分でもびっくり。
『あなたっていつもどこか適當よね…』
『うっせ!』
ジュリには適當に返したのがバレてたか…。
「それじゃこの商店街で何が起こっているのか教えてあげるよ。その前にあたいはグレプルていうんだよろしくたのむよ」
「はい。よろしくお願いします」
「まずこの街にはギッシュという領主がいるんだ。ギッシュは1ヶ月ほど前に領主になった奴さ」
あ、展開が読めてしまった。どうせこの後、稅金がどうたらとか言うんでしょ。
「ギッシュはこの街の稅金を上げ、気にらない奴は武力行使で黙らせる。そしてたまに自ら街に繰り出して、自分の気にったをさらって、自分のものにしてる許せない奴さ!」
ほらやっぱりな。でもこの話が本當ならギッシュって奴は最低だな。さすがにをさらうのはやりすぎだわ。
ちなみにこのテンプレ展開に目を輝かせるジュリが俺の隣にいます。俺は嫌な予しかしないがな…。
ジュリは話を聞き終わってすぐに、こう言った。
「私達でその領主をぼこぼこにしちゃいましょうよ!」
予は當たってしまったか……。まぁ今回に限ってはいいんだけどね……。
「ギッシュはあたしが殺す…!」
「いやいや!殺したらダメだから!」
「わたしが絶対突き殺す!」
「リンは俺の話聞いてた?殺したらダメだよ?」
「なら半殺しにしておきます」
「レンも何言ってんの!?お前そんな奴じゃなかったでしょ!?」
「でもマスター。の子をさらうって聞きたらみんなこうなるんじゃないかなー?」
「…………。確かにそうかもしれんな」
「そうそう。だから私達でギッシュをボコボコにしてあげるわ!」
「お、おう」
ああ。言い負けてしまった…。このままだと本當にめんどくさいことになりそうだよ…。
「あっはっは!あんたは嫁さんにに敷かれるタイプだね!」
「ははは…。そうかもしれないですね…」
「それでどの子が正妻なんだい?」
ブフッ!グレプルさんは何を言い出すんだ!
「な、何を言ってるんですか。正妻はおろか好きな人すらいませんよ」
「でもの子全員左手の薬指に指をはめてるじゃないか。あんたにとって大切な人達なんだろ?」
「………そう…ですね」
なんだろうか。このムズムズは。みんなにガン見されてるからだと思いたい。
というか、さっきまでギッシュを殺すとか言ってたのになんでこんな話の時だけ俺の方をじっと見るの?恥ずかしいんだけど。
でもまぁ俺の言った言葉に満足したのか分からんが皆嬉しそうだしいっか。
俺達が和んでいた時だった。外から馬車のガラガラと音が聞こえ始めた。
「…奴だ。ギッシュが出てきたんだ」
グレプルさんのその一言で俺以外の5人が眼を強くして、俺をチビらせる。
ほんといきなり殺気だたないでほしい…。びっくりしてちょっとチビっちゃったじゃん。
俺が下らないことを考えているうちに5人は外に出ていた。
おっと!俺も行かなければ!
「グレプルさん。また戻って來るので1萬G分の果を用意しておいてください。果はグレプルさんのオススメでお願いします」
「はいよ!ちゃんとみんな護ってやるんだよ!」
「もちろんですよ!」
俺は皆の元へ急ぐ。
俺が著いた頃には5人が戦隊ヒーローのように並んでギッシュの道を塞いでいた。
なにそれカッコイイ!俺も混ぜて!
ちなみにギッシュは脂ギッシュのおデブちゃんでした。
「なんだお前達は!そこをどけ!」
「ふん!嫌よ!」
「生意気言っていいのか?俺の騎士団がお前達を殺すかもしれないぞ」
「騎士団ごときでは私達はやられません」
「あっかんべーだ!」
「ギッシュを殺す…!」
「突き殺すっ!」
おいおい。お前達本音がもれてるぞ。
「…ぬ?お前ら結構いい容姿をしてるじゃないか。殺すのはやめて私のものにしてやろう」
おいこら。お前も本音をダダもれにしてんじゃねーよ。
「ちょっとまて。こいつらは俺の連れだ。お前にはお引き取り願おうか」
「なんだお前は?私に楯突くというとこは死を意味することが分からんのか?それとも自殺願でもあるのか?まぁどちらにせよお前は殺すがな」
「俺はお前ごときの戦力じゃ死なねぇよ」
「何を馬鹿なことを言っているんだ。おい。あの男を始末してしまえ」
「「「「ハッ!」」」」
ギッシュの付き人をしている4人の騎士が馬車から出てきて俺に向かってくる。
ふむ。さすがに騎士と言うだけあってきは洗練されているな。なんで従っているのか分からんが。
俺は戦うのがめんどくさかったので威圧を最大にして放った。
放ったのはいいがコントロールが効かず俺を中心として、ゼロ、レン、ミル、ジュリ、リン、ギッシュ、騎士4人の全員が対象になってしまった。
「く、くるしぃ…」
「あ、主様…!」
「…くぅ…!」
「ち、ちょっと…!こ、これはやばいわ…!」
「あぅ…」
 5人は何とか耐えれたみたいで良かった。俺は急いで威圧を切る。
「すまんみんな。ちょっとコントロールミスった」
皆息が荒くなっている。俺の威圧が相當きつかったのだろう。
「ま、まぁいいわ。それであそこにいる5人はどうするの?」
ジュリが、気絶してしまったギッシュと騎士の4人を指さしながらそういってきた。
ちなみに今回はらす暇もないぐらいで気絶しているので、その辺の心配は要らない。
「起きるまで待つつもりだ。騎士達には聞きたいこともあるしな」
それから起きるまで待った。初めに起きたのは騎士団の一人だった。
「わ、私は一?」
「あ、おきたー」
「お、ホントだな。起きてすぐで済まないがちょっと聞きたいことがあるんだがいいか?」
「ええ、私にわかる範囲であれば」
「記憶がどこまではっきりしているか教えてくれ」
「そうですね…。領主様が変わられた所でしょうか」
「やっぱりそうか…」
 これは要するにテンプレの1つという訳だ。
「どういうこと?」
「たぶんギッシュは洗脳系のスキルを持ってる。気絶したせいでスキルの効果が解けたんだろうけど、ギッシュの屋敷の方では今頃大変なことになってるだろうな」
ちなみに確認した所、ギッシュには暗示と思考導の2つのスキルがあった。逆に言えばそれ以外は何も無かった。
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〔暗示〕
自分以外の知があるものに対して暗示をかけ、言いなりにすることができる
〔思考導〕
相手の思考を自分の都合のいい方へ導する
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スキルの容がバレなければとても使い勝手のいいスキルだ。
「こいつのスキルは俺が消しておくか」
《スキル封印を獲得しました》
消滅じゃなくて封印か。まぁいいだろう。
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〔スキル封印〕
相手にれた狀態で、スキル名を言ったあとに封印と唱えるとスキルを封印することができる。解除も同じようにスキル名を言ったあとに解除と唱える。
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なにこれチートですやん。ただれないといけないし、スキルの名前も知らないといけないっていう條件がめんどくさいな。
俺は人差し指の先で出來るだけギッシュの脂ギッシュになってない所にれた。
「えーっと?暗示、思考導、封印」
おっ?何かれてるところがった。
見てみると何か紋の様なものができていた。多分これが封印の印なのだろう。
「これでもう大丈夫なはずだ」
「じゃあ殺す…?」
「ミルさん?話聞いてました?もう大丈夫なんですよ?」
「でも今までやってきたことは変わらない」
「た、確かに…!」
「だから殺す」
「そうだな。……じゃあねーよ!あぶねーあやうく釣られるところだったわ」
「ちぃっ!」
「ミル!お前今舌打ちしたろ!」
「ふ~ふふ~」
「口笛吹けてないぞ…」
どうにかミルを止めた俺偉いわー。だけどほかの4人も殺気をたててるんだよね。
「お前達は殺気をたてるな。こいつはとりあえず衛兵さんに預けて、今までやってきたことをきっちり吐かせたあと、死刑にするから」
ほら、騎士さんたちも頷いてるでしょ?
「それなら許す」
「何を許されたのかわからんが、分かってもらえて良かった」
こうして領主の好き勝手してた時代は終わった。
人類最後の発明品は超知能AGIでした
「世界最初の超知能マシンが、人類最後の発明品になるだろう。ただしそのマシンは従順で、自らの制御方法を我々に教えてくれるものでなければならない」アーヴィング・J・グッド(1965年) 日本有數のとある大企業に、人工知能(AI)システムを開発する研究所があった。 ここの研究員たちには、ある重要な任務が課せられていた。 それは「人類を凌駕する汎用人工知能(AGI)を作る」こと。 進化したAIは人類にとって救世主となるのか、破壊神となるのか。 その答えは、まだ誰にもわからない。 ※本作品はアイザック・アシモフによる「ロボット工學ハンドブック」第56版『われはロボット(I, Robot )』內の、「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則「ロボット工學三原則」を引用しています。 ※『暗殺一家のギフテッド』スピンオフ作品です。単體でも読めますが、ラストが物足りないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。 本作品のあとの世界を描いたものが本編です。ローファンタジージャンルで、SFに加え、魔法世界が出てきます。 ※この作品は、ノベプラにもほとんど同じ內容で投稿しています。
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