《異世界に転生したので楽しく過ごすようです》勇者編第5話 彼らに出會いました

すいません。投稿遅れました。

俺達は寶召喚をし、それを纏ってから聖都を出た。ここから大東に向かえば帝國との國境がある。そこを目指して旅をする。

は俺の時空魔法による転移で行う。魔力切れを度々起こすので、那由多の復活魔法で俺の魔力を復活してもらう。

復活魔法は壊れたもの、失われたものを復活させることが出來る。だが人の生命だけは、蘇生魔法でしか復活させることが出來ないらしい。

俺の魔力が切れる頃には那由多の魔力は回復しているのでループで使える。

森の近くまで來て、今日何回目の転移か分からなくなっていた時、俺は目眩がした。

「拓真さん、大丈夫ですか?」

「すまない皆。ちょっと目眩がした。し休憩させてくれ」

「拓真に負擔をかける訳にはいかないわ」

「そうそう!出発してから今までずっと働きっぱなしだったんだもん!」

「拓真さん、水です。魔法で出したものですが…」

「ありがとう。助かるよ」

ふぅ。…確か街を1つ飛ばして來たよな。ってことはあと街を2つ飛ばせば著くか。そうなると今日はもう夜になるな…。

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すると森から何者かが俺達を狙っている事が俺の知で分かった。

「皆。ちょっと集まってくれ」

俺の掛け聲に応じ、1箇所に集まる。

「今森から何者かが狙っていることが俺の知で分かった」

「…魔ですか?」

「いや、知ではそこまで分からない。だが、集団なのは分かる。それもかなり數が多い」

「それで私達を呼んだという事は襲ってくる気配があるということね?」

「そうだ。那由多はし辛いかもしれないが支援魔法を俺達に掛けておいてくれ」

「分かった!」

そうして俺達はそれぞれ武を構え、森からの何者かに警戒する。

那由多の支援魔法が掛け終わった頃、森から狼らしき魔が明らかに俺達を狙って襲いかかってきた。

俺はすぐさま鑑定をする。

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フロックウルフ

Lv.15

HP:1500

MP:200

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襲ってきてるので時間的にここまでしか見ることが出來なかった。

しかし、名前から集団でいるということが分かった。

森から複數のものが狙っていたのは全てこいつらだろう。

1匹出てきてから次々と襲いかかってくる。襲いかかってくるのは軽く30匹以上はいるだろう。

「數が多いわ!拓真どうするの!?」

「迎え撃つしかない!このまま逃げても追いつかれるだけだ!俺と逢奏は那由多と海雪を守りながらだ!」

「了解!」

「海雪は出來るだけ広範囲に魔法を放ってくれ!殺れなくても牽制にはなる!」

「はい!」

「那由多は傷ついた人を回復してくれ!さっき魔力を使った後で悪いが頼んだ!」

「分かった!」

そうしているうちにフロックウルフは目の前に來ていた。

目の前に來たウルフは俺に飛びかかり、牙を向いてを削ごうとしてくる。あれにやられたらひとたまりもないだろう。

「はあぁぁあ!」

俺は向かってくるウルフに全力で剣を突き立てた。突き立てた剣が刺さったのはウルフの開けていた口の中だった。

ウルフに深く刺さった剣はその命を一瞬で狩りとった。死に際にウルフの斷末魔が聞こえた。

俺は初めてこの手で魔を殺した。剣を突き立てた時のを割くは何とも言えない不快があり、ウルフの最期の斷末魔は俺の耳に殘った。

俺は吐き気がした。

生きているものを殺すという事はこんなに気持ちの悪い事なのか。…だが、この世界で生き殘るためには相手の命を狩ることは普通なのだ。

命を奪われる前に奪う。弱強食という言葉の意味を真に理解した気がした。

それからは一心不に戦った。

ウルフを何匹も殺した。その一匹一匹が上げる斷末魔はいくら聞いてもなれることは無かった。

戦いが終わった後は俺達4人と、ウルフの何十という死と、腥い臭いだけが殘った。

俺はそこで初めて吐いた。耐え切れなかった。と同じ形をした魔を殺し、あまつさえ苦痛で死んで行く姿を見ているのだから。

それは皆も同じようだった。特に逢奏は俺と同じで、直接槍で刺しているはずだ。俺と同じ思いをしているだろう。

しばらくは無言の時間が続いた。どうしていいか分からなかった。

だがその靜寂を破ったのが那由多だった。

「……ここにずっといても無意味だよ。私達はこんな所で終わる訳にはいかないんだから…」

「そう…だな…。那由多の言う通りだ…。逢奏と海雪も、もう分かるよな。これからはこんな事をずっとやっていくんだ。覚悟を決めるしかない」

「覚悟を決める…か」

「そうですね…。止まることは許されないんですもんね」

「私も含めて皆大変だと思う。でも私は元の世界に戻るためには何でもやるって決めた。たとえそれが命を奪うことでも…」

那由多は強いの子だ。俺よりも強い心を持っている。

「…私はなゆの親友よ。なゆが覚悟を決めてるのに私が決めないでどうするのよ…!」

逢奏は獨り言のようにそう呟き、その目に信念と決斷を宿した。

「私も、もう決斷したわ。何でもやってやるわ。周りから非難されることでも、命を奪うことでも。それが元の世界に戻る事に必要ならば」

「皆さん…。これは私も覚悟を決めないといけませんね。元の世界に戻るためなら、どんなに殘酷な事でもやります。それが自分を殺すことになっても…」

皆、覚悟を、そして決意を固めていく。

皆の覚悟や決意を聞いた俺は…。

「俺は、皆の責任を全て負う。もちろん元の世界に戻るためになら何でもする。だけど、君達みたいなの子には責任を負わせることは出來ないからね。拒否してももう無駄だ。これは俺が決めた覚悟だ。もう曲げない」

そう。元の世界に戻ってあいつに會うまでは。

「それじゃあ、もう出発した方がいいよな?」

「ええ、そうね。ここで思ったより時間を取ったわ。急ぎましょう」

覚悟や決意を固めた、俺達はダンジョンに向かった。

◇◆◇◆◇

ダンジョンに潛り始めてもう1ヶ月近くなった。

ダンジョンからは1回も出ていない。文字通り潛り続けた。

そのおかげで俺達のレベルは相當なものとなり、各個人のスキルも増えた。さらに魔以外にも無慈悲になり、簡単に命を奪うことが出來る様になった。

果たしてそれがいい事なのか、それともよくない事なのか。俺達にはもう判斷すら出來ない。

俺達にあるのは元の世界に戻るという思いだけだ。その為に強くなって、魔王を倒す。それだけをこの1ヶ月見てきた。

そして俺達はダンジョンを約1ヶ月ぶりに出る。

久しぶりに外に出ると太が目に刺さり、瞼を上げることが出來なかった。

「もうすぐだ。もうすぐ元の世界に戻れるぞ」

「魔王を倒せばいいだけだものね」

「ようやく報われるんだよね…」

「はい。あとし頑張りましょう。私達には新たな力もあります。この力があれば魔王も倒せるでしょう」

魔王をがいる所は帝國だった。俺達は転移よりも走る方が早いになっていた。

そうして2日走り続けた。

そして、ようやく魔王城に著くことが出來ると思った時だった。

俺達の目の前に6人、立ち塞がる者が現れたのだった。

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