《異世界に転生したので楽しく過ごすようです》第70話 武道會が開始したようです
「なんと……!ここは聖地だったか……!」
「おいしそーなのいっぱい!」
「ちょっと、ミルとゼロ落ち著いてくれないか……?周りの目が痛いんだが……」
俺達が今いるのは會場へ続く道。そこは行きう人で賑わっていて、出店が立ち並んでいる。端的に言ってお祭り騒ぎだ。
この世界にも飴はあるようで、リンゴとブドウを合わせたようなリンドウとか言う果に飴をコーティングしたリンドウ飴がある。
なんだよリンドウって。ちょっとかっこいいじゃないの。
出店は他にも焼きそばみたいなやつとか焼きとうもろこしに似たやつとかあった。
そのどれもが味しそうな匂いを放ち、自然と足を運んでしまうようなものだった。こんなのを出されてしまうと誰もが興味を引かれる。特にミルとゼロは自重とか知らないから、もう大変。何が大変って超大変。
今だって周りから、あんな子に近づいたら駄目よ!ってなじの聲が聞こえるもん。俺そんなのアニメの世界だけだと思ってたわ。
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だがまあ、出店の食べに引かれるのも分かる。だって味しそうだし。
「マスター!あれ全部食べたい!ダメ?」
そんなにきらきらした目で見つめないでくれ!そんな事されたらおじさんなんでも買ってあげちゃう!
まあ冗談はさておき、確かにしなら食べてもいいかもしれん。
「別に買ってもいいぞ。だが、武道會にこれから出るんだから程々にしとけよ。腹三分目……いや二分目くらいが丁度いいな」
「マスターありがとー!」
「あたしも」
「分かってるよ、ミルもな。この際だ、皆の分も買うか」
「あ、じゃあ私リンドウ飴で!どんな味するのか楽しみだなあ」
俺が言った途端にこれか。神お前遠慮というものを知らない様だな。こんなんだから駄神とか言われるんだよ。まあ別にいいんだけど。
「神はリンドウ飴な。他は?」
「私もリンドウ飴でいいわ」
「私もリンドウ飴というものでお願いします」
「わ、わたしも……」
「わたしはぜんぶがいいー!」
「あたしはコンプリートする……!」
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「よし!全員リンドウ飴だな!オーケーじゃ行こうか」
ゼロとミルが全部とか言っているがそんなのは知らん。それに全員リンドウ飴って言うのも間違いじゃないし。
當然ゼロとミルからは反くらった。しかし、俺はあの手この手で納得させることに功。皆をその場に殘し、リンドウ飴を買いにいった。
俺含めリンドウ飴を全員分買って皆の元に戻ると、男複數人にナンパをされていた。
いつしか見た景だな……。いや、あの時は既にやられてたか。あ、絡んだ方がね。
んー。これは俺が助けた方がいいんだろうか……?もちろん助けるのは絡んでる方だぞ?あのままいくと絡んでる方が可哀想なことになりかねんし。
悩んでても仕方がない。助けにいくか。
「おーい。買ってきたぞー」
俺は自然を裝い、皆と男達の間にり込む。
「あぁん?なんだてめぇ?」
うっわー。がら悪すぎでしょ。早くも助ける気失せてきたんですけど……。だが、そこを堪える大人な俺。全く我ながら甘いぜ。
「あ、俺?俺はこいつらの連れだけど?」
そして、俺は皆の方を指さしながらちらっと顔を見る。
……え?なんで皆そんなに殘念そうな顔してんの?舌打ちとかするのやめようね?どっちが悪いのか分からなくなるから!
「お前みたいな弱そうなのがかぁ?噓を付くのは大概にしとけよぉ。あんまり見栄張ってもダサいだけだぞぉ?」
「まあまあ。ここは俺に免じて他をあたってくれない?」
馬鹿にされても優しく対応する俺を褒めてしい。しかし、この気遣いこいつらの為なんだけどなあ。
するとナンパしていた男のうちの一人が怒りに満ちた顔で俺に摑みかかってきた。
「あぁ?てめぇ何様のつもりだ?お前みたいなクソの言うことを聞くと思ってんのか?ガキはお母ちゃんのおっぱいでも飲んでな。チューチューってな」
それを聞いて笑するナンパしてた男達。
俺の後ろにいる奴らから出てる殺気に気付かずに笑っているとか、なんて哀れなことか。
俺が目の前の男達を哀れんでいると、ジュリが前に出てきた。
「え?なになに?怒っちゃった?ごめーん!こいつの間抜け面見てたらつい口がっちゃった」
こいつジュリの殺気に気付かないとかどんだけあほなんだよ。こいつの人生が心配なんだが。
「……貴様等。黙って聞いていれば暴言ばかり。覚悟は出來てるな?」
えっとジュリさん?口調が変わってません?それに何その尋常ではない程の殺気。
「な、何もそこまで怒らなくてもいいじゃん。ちょっと馬鹿にしただけだって!可い顔が臺無しだよ?」
「お前達のようなゴミ蟲が気安く話しかけるな。殺すぞ」
怖い。超怖い。ジュリめっちゃキレてる。こんなの初めてなんだけど。殺気がどんどん膨れ上がってる……。
さすがに男達も尋常ではない空気を読み取ったようだ。青い顔をして後退りしている。
「う、うわぁぁ!」
男達の一人が奇聲を上げながら逃げ出した。するとそれに続くように男達全員が同じように逃げていく。
それが賢い選択だ。このまま他に何か言ってたら確実に殺されてたな。いやさすがにそこまでやろうとしたら俺が止めるけど。
「ふぅ。行ったわね」
ケロッとしたじのジュリ。先程までの殺気はいずこへ。
「ジュ、ジュリちゃんが怖かった……」
「リン安心しろ。近くにいた俺も怖かったぞ」
「全然安心できませんよぉ!」
「ごめんなさいね?こうでもしないと本當に殺しかねない人が居たから」
ジュリがちらっと皆の方を見た気がしたかが誰を見たかまでは分からなかった。
まあいっか。そんなに気にすることでもないだろ。
「それにしてもさっきの口調といい殺気といいめっちゃ怖かったんだけど。ガクブルもんだぞ」
「あれは演技よ。ちょっとした渉に必須でしょ?」
「演技とは言わんぞあれは……。真に迫っていたんだが」
「本音が8割くらいあったからだと思うわよ?」
「それって演技じゃないぞ?自分で言ってる意味わかってる?頭どこかにぶつけた?」
「別に頭がおかしくなった訳じゃないわよ。演技をしてた事で実際に行に起こさなかったってことでもあるのだからね。ま、実際に行に起こしたとしても半殺しくらいかしらね」
それでも十分にやばいのだが……。
いつになったら脳筋卒業出來るんだろうな。出來ないとかそういうのないよな?俺はいつか卒業出來るって信じてるぞ。
俺が皆の將來を案じていると、會場の方で號砲がなった。
これは武道會がもうすぐ開幕するという意味だ。會場に急ぐか。
「皆行くぞー」
「その前にリンドウ飴」
「ミルお前ほんと食い意地はってんな!」
俺はそんな軽口を叩きながら會場へと向かった。
◇◆◇◆◇
會場はほぼ満席。多くの人がこの日を待ちんでいと言うような事を言っていた。
これは神に聞いたのだが、この武道會というのは四年に一回開催されるらしい。まさにオリンピック。
しかし、オリンピックと違う所はこの武道會で帝王を決めるところだ。帝王となれるのはこの武道會の第一回に參加していた、この帝國に元々いた六種族だけなのだそうだ。
第一回目は優勝した種族が帝王として君臨した。それから以降は、六種族以外の參加者が來るまでそうやって帝王を決めていたらしい。
しかし、今は俺達のような六種族以外の者も參加している。その場合は一番良い績をとった種族が帝王になる資格があるようだ。
そして、その武道會に參加する俺達は控え室だ。神は一人で観客席にいる。
神は俺達との別れる時に頑張ってね、と軽く行ってそそくさと行ってしまった。全く薄なものである。
さて、これから始まるのは競技ではなく、開會式。どんな世界にも始まる時には開會式があるものだ。現在、リング上に一人の男が登っている。
「お前らぁ!!この時が待ち遠しかったかぁ!!」
「「「わあぁぁああ!!」」」
おっ、早速始まったか。
「四年に一度の白熱したバトル!!強者と強者の戦い!!手に汗握る先の読めない武道會が今始まろうといている!!」
「「「うぉぉおお!!!」」」
「今年の優勝者は誰なのか!!そして気になる帝王の座はどの種族が手にするのか!!それが今日決まる!!」
おぉ。それっぽい。このに轟く観客の歓聲が武道會が始まったのだと告げてるじがする。
「さらに!!今年は特別な解説者をお呼びしました!!冒険者初のSSランカー!!エルシャさんだぁ!!」
「「「わあぁぁぁあ!!」」」
エルシャさん?エルシャさんてあのエルシャさん?
「エルシャさん一言お願いします!」
「どうも。私がエルシャだ。今年の武道會は大荒れになる予がしている。どんな強者が現れるのかが今からとても楽しみだ。期待している。以上だ」
この聲はあのエルシャさんで間違いない。まさかこんな所で巡り會うとは。
「エルシャさん、ありがとうございました!!」
エルシャさんに後で挨拶に行ってみよう。
「早速競技を始めたいが、その前に注意事項だ。初めに競技者は配られた一から八の番號が書かれた札が配られたはずた!その番號札は予選の組番號になっているぞ!各組の中で殘れるのは二人までだ!」
俺の番號札は七。つまり七組目だ。
「參加者約320人の中から勝ち殘れるのは十六人!この狹き門をくぐり抜けたものが本戦への切符を手にすることが出來る!」
まあ妥當か?しかし、勝ち殘りのシステムはどうなってるんだ?
「予選は一組約四十人で戦ってもらうことになる!その中で最後に立っていた二人が本戦に上がれるぞ!死んでも勝手に蘇生される式が闘技場にかかっているからどんな手を使っても構わないぞ!」
それはなんとも。言わる殺しを許容しているということだからな。
「一応戦う場所を説明しておこう。戦うのは縦50m、橫50m、高さ1mのリングの上だ!場外に出てしまった場合は失格とするので注意するように!」
ドラ〇ンボールの天下一〇道會と大同じか。わかりやすくていい。
「注意事項は以上だぁ!質問は近くの係にしてくれ!!ではこれより武道會を開催する!!!」
「「「うおぉぉおお!!」」」
こうして武道會の幕があがった。
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