《三人の霊と俺の契約事プロローグ

「 アーサー様あ。ケーキ食べたいよお」

「アーサー様あ。お出かけしたいの」

「ふふふ。是非、私も」

「ーー 行かねえよ!!!」

「何で?!」

「なの?!」

「ですの?!」

このヘンテコな會話は日常茶飯事。

俺の名前は、アーサー。不幸にも人間一人に一人の霊しか契約出來ない筈なのに、何と不慮の事故で三人同時に契約してしまったーー。

よりにもよって、これがまた三人ともポンコツな上に個が強いーートホホ。

★ ★ ★

俺は先祖代々続く魔法使いの家系の筋で一応、第ニ皇子にあたるらしいが魔法が全く使えない。

人間なのに魔法が使える筋はほとんど例がなくそれがこの家系の自慢だ。

兄と姉は、まさに貴族といったじで毎日忙しくいろんな國の會食やら外やら忙しなく過ごしてる。

そんな中、全く魔法が使えない俺は恥曬しの除け者扱いされてきた。

自分で言うのも何だけどーー格も捻くれてるし歪んでる。

人との関係を拒み、家族ともほとんど顔を合わせず暮らしてる。

夢や希を抱くことさえなくただ毎日をボーッと過ごしてきた。

魔法が使えないのを呪ったこともあった。

何とか使えるようになりたいと足掻いたこともあったーー結果はいつも一緒だった。

だから諦めた。

そして悟ったーー。

俺には存在する価値なんかないってことに。

空っぽの俺は楽になった。ーーだけど、あの日、あいつらと出會って、 俺は変われた・・・。

    人が読んでいる<三人の精霊と俺の契約事情>
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