三人は、アーサーの魔法に対する憧れや強い思いを知っている。最初からこの想いを知っていたらきっと無理矢理に契約しなかっただろう。彼たちもアーサー同様に霊界の落ちこぼれだ。

アーサーは全く魔法が使えなくて、みんなに馬鹿にされ無視され辛い日々を過ごしてきた。彼たちも霊界でみんなから馬鹿にされてきたのだ。アーサーの気持ちが痛い程分かってしまうから余計に期待をさせて裏切ってしまった後悔に今、心を痛めている。

「ごめんね。 アーサー様・・・リサが魔法をいっぱいれる普通の霊だったら良かったのにね・・・契約したのがリサじゃなかったら良かったのに」

リサの目から一筋の雫がこぼれ落ち次第に溢れていったーー

「エルザ知らなかったの。 アーサー様の気持ち・・・エリザも必死だったの。みんなに馬鹿にされたくなかっの・・・だから・・・けいやくしてほしかったの。騙したんじゃないの・・・」

エリザは、顔を涙でびしょびしょにしていた。

「契約解除出來るなら、他のパートナーと代出來るなら、今すぐにでも変わりますわ。昨夜、 私たちのことをかばってくれたあんな心優しい方を裏切ってしまった。私たちのことを大事に思って下さっていたのに。私なんか・・・アーサー様のパートナーにふさわしくないですわ」

シルフィーも聲を震わせて必死で涙を堪えていた。

リサ、エルザ、シルフィーは、自分たちを責めた。 一番傷付けたくない人を傷つけ、失させ悲しませてしまった。

永遠の契約の筈が、パートナー失格だ。

ーー ごめんなさい。 アーサー様 ーー

アーサーは、ドアの向こうに立っていた。霊たちの必死の心のび聲はアーサーに屆いていた。

実際は、聞こえてなかったのかもしれない。ただ、お互いの気持ちの意思疎通で屆いたのだろう。

アーサーの心には、今まで験してきた彼たち一人一人の記憶も脳裏に浮かんできていた。霊の落ちこぼれで自分と同じように扱われてきた彼たちに、 自分の姿を重ねていた。

それと、同時にあいつらの事を分かってあげられるのは自分だけだと決意した。あいつらのパートナーは自分だけだと。何があってもあいつらを守ると。

ガチャン

「ーー アーサー様・・・」

三人は、アーサーを真っ直ぐ見ることが出來ずにいた。何と話して良いのか分からず、言葉が出なかった。

「ーーお前たちの気持ちはスゲェ伝わってきたよ。逆にこれだけ思ってもらえて俺は幸せ者だよ。こんなに誰かから思われたことなかったから・・・・嬉しいよ」

「アーサー様・・・」

霊たちは、思い思いに言葉を口にする。

「私たちのこと、嫌いになった」

「わたしたちと、いたくなくなったの」

「私たちに、失なされました」

ーー 私たちパートナー失格ですか ーー

「俺は、お前たちの主人だ。だからお前たちのことは俺が守る。だけど、俺は弱いし一人では魔法すら使えない。だからお前たちは俺を支えてくれ。 一緒に支え合っていくそれがパートナーだろ」

ーー アーサー様 ーー

「俺も、お前たちも同じ落ちこぼれだけど一緒に足りない部分を補って行こう。 お前たちのパートナーを出來るのは世界中の人間探しても俺だけだ。 俺が一生お前たちの側に居てやる。だから、もう自分を責めるなよ」

「「「 アーサーさまああぁぁぁ」」」

霊三人は、アーサーにしがみ付き泣いた。 ダムが決壊したように涙が止まらなかった。アーサーの優しさが心にどんどん伝わってきてそれがだと知った。

「リサ、エルザ、シルフィー並んで」

まだ、泣いてる三人を並ばされてーー

三人のにキスをしたーー

ぽかーんとする三人。

「一日一回の毎日のキスだよ。やらないと死んじゃうからな」

顔を膨らませてリサが。

「してるのキスかと思ったよお」

「ーー 言ってろーー 」

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