パチパチと燃える焚き火の音が優しく響く。

そよそよと吹く夜風が寒くじる。

「これが、私とアクセル様の出逢いと別れよ」

ルナは、涙に聲を詰まらせながらに話してくれた。

三人の霊達も哀れなに浸りを痛めていた。

そして、三人共俺の顔を見ながら涙を流した。

( おいおい、俺を殺してはいないよな？)

「そういえばサタンって前に俺らが追い払った悪魔だよな」

「ええ、そうですわ。まあ、あの程度のダメージならサタン程の悪魔なら既に完治しているころですわね」

「あなた達がサタンを・・・」

ルナは、口を半開きにしてしばらくそのままけないでいた。

「ってことは、クルセダーズの殘黨しかホーエンハイムには殘ってないのか」

「いいえ。その後、私達は何とか大天使 マリアの加護により助かりました。 サタンは長期戦になると踏んで自分の手下を殘していったのです。それがメフィストという悪魔です」

「メフィストという悪魔が厄介にゃん。人間の弱みに付け込みマインドントロールするにゃん。混や錯を発させる能力を持っているにゃん」

「ねえねえ 、りりすはまだ寢てるの」

エルザが、難しい顔で問いかける。

「うん。 アクセル様のこと何て話していいか分からなくて。本當は彼魔だから魔法にかかったフリしてるだけかも」

エルザの方を見て優しく微笑むルナ。

「さっ、もう遅いですし今日は寢ますにゃん。 明日にはホーエンハイムに著きたいですにゃん」

荒野の星空は銀砂を散りばめたように煌めいていた。

何だか騒ぎがするにゃんーー。

★ ★ ★

幸いにもその後のホーエンハイムまでの道のりは何も問題なく進んで行った。

しかしーー ホーエンハイムの國が後もうしで見えるかというところでメルルの嫌な勘が當たってしまう。

「煙？まさか加護がーー」

「予定より早いわ」

黒煙がしずかに絶え間なく國の人々を脅やかすように流れている。

加護がられているならば、敵が進することはまず不可能。黒煙が上がっているという事は確実に何らかのトラブルがあった証拠で間違い。皆の顔が居ても立っても居られないもどかしさで溢れている。

「メルル急いでーー」

馬に鞭をれ全力で風のように空気を切り裂き荒野をかけて行く。

ホーエンハイムの王宮の頭が見え、徐々に國の全貌が明らかになってきた。

見えてきた現実に言葉を失ったーー。

城門は、ビスケットを砕いたかのように々になり城下町は積み木でも崩したかのように瓦礫が散している。

まさに、奈落の底に突き落とされた覚だ。

クルセダーズが次々波のように國に進して行くのが見える。その度に音と砂ぼこりが舞い上がる。

國民は無事なのか、キャットハンズのメンバーは、 王宮は、 國王は・・・。

不安と焦りが差しを締め付ける。

メルルの後ろ姿からでもアーサーにはたび重なる不安が絶の風船のように膨らんでいるのが分かった。

そして、アーサーもまた怒りを腹の底に溜めこんでいて今にも破裂しそうだった。

ーー 薔薇十字ぃぃぃーー

アーサー達は、今ホーエンハイムに辿り著いたーー。