《三人の霊と俺の契約事S・また明日で終わる今日

バスルームに湯気が立ち込める中、人影が一つ、更に小さな人影が三つーー。

「あたま洗ってよお、りさ」

「毎日 毎日、そろそろ一人で洗えるようになりなさいよお」

ため息混じりに言葉を返しながらエルザの背後にまわり湯船のお湯をすくいエルザのふわふわウエーブの髪のを濡らす。

「エルザちゃんは、いつまで経っても甘え坊さんね」

二人の景を見ていたミーナがを洗いながら微笑ましく見ている。

ここは、ミーナの喫茶店の二階にある自宅のバスルームだ。

霊たちは、そのまま湯船には浸かるには大き過ぎるのでミーナのお兄さんが専用のお風呂桶を作ってくれてそれにお湯をれて浸かっている。

「シルフィーちゃんって眼鏡取ると本當、人よねえ」

「えっ・・・そんなことないわよ」

湯船に顔を半分沈めて照れる

「本當よ。それにも大きいし」

「みーなもおっぱい大きいの」

「エルザちゃんも、形なのに意外にもがあってビックリ」

「えっへん」

頭をリサに洗ってもらいながらをゆさゆさ揺らすエルザ。

「ーーーー」

一人、エルザの頭洗いながら面白くない顔をするリサ。

「りさ、おっぱいぺったんこなの」

リサの顔が真っ赤に染まる。

「うー、 今から大っきくなるんだからね!これ以上言ったら頭洗ってやらないぞお」

ワザと力強くごしごしエルザの頭を洗う。

「ごめん、ごめんなの。痛いの」

「リサは、可いし面倒見も良いからね。の子はの大きさより中しさよ」

ミーナは、リサに微笑みかける。

「ぶーっ、せめてもうしかったよお」

そう言いながらエルザの頭にお湯をかけてシャンプーの泡を洗い流している。

むと大きくなるらしいですわよ」

背後からシルフィーがリサの小さなを鷲摑みにしてむ。

「きゃーやめてよお」

「良いでわないか、良いでわないか」

どっかの悪徳代のような口調で顔をニヤつかせて小さなみ続ける。

「あらあら」

ミーナは、そんな二人のやりとりを湯船にゆっくりと浸かりながら笑って見ていた。

エルザは、しゃがみ込み込んで髪のを洗い流し終わるのをまだかまだかと待っていた。

「りさあ、もう目を開けていいの?」

バスルームの響く聲は外まで聞こえるんではないかと思う位賑やかだった。

★ ★ ★

ミーナは、いつもこの瞬間が嫌いだーー。

霊たちと出逢ってから今日までの時間が凄く楽しいし、充実した毎日を過ごしている。

小さな頃から友達と遊ぶよりも喫茶店の手伝いをしたミーナにとっては初めてと言ってもいい友達が霊たちなのだ。

霊たちが帰ってしまうこの瞬間がミーナにとって一番悲しい時間なのだ。

隣に住んでいて、何時でも會えるのに何故か凄くが痛む。

「ミーナまた明日ねえ」

「バイバイなの」

「お邪魔いたしましたわ」

霊たちは笑顔で手を振り家へと向かう。

ミーナは、手を振りながら去って行く三人の霊たちを見送りながら寂しさが溢れ出してきた。

凄く平凡な毎日だけどかけがえのない一日。

明日も明後日も毎日一緒に笑っていようね。

ずっと、ずっと大切な友達だよ。

「また明日ねえ」

ミーナは、三人の霊たちに手を振った。

おわり。

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