《三人の霊と俺の契約事アーサー登場

予選は波もなく順調に円卓の魔導士たちが勝ち上がっていく展開だ。

魔法騎士団を夢見てアヴァロンまでわざわざ出向いた人たちにとっては今回のこのサプライズゲストは予想外以外の不運な展開だ。

Dグループは円卓の魔導士が唯一いないグループ。 気合のる選手たちここでの注目選手はアーサーではなく白馬の騎士と呼ばれている魔法騎士団に一番近いと言われているトマス・モルドレッド。

トマスは金髪のイケメン騎士でに大人気だ。

いつもファンのに囲まれている。

當然ーーDグループの斷トツ人気で勝ち抜け候補だ。

「ランスロットは流石だな。 無傷で余裕の予選突破で誰一人傷つけずに勝つのは圧巻だな」

観客もランスロットの圧巻の戦いの余韻に浸っている。

「お待たせしました! 再び実況はマイアです。宜しくネ」

選手以上に人気者の実況のもふもふ姉妹。

「Dグループの注目選手はトマス選手ですね。 今回から解説をお呼びしております。円卓の魔導士の一人メイザースさんにお越しくださっております。 トマス選手に対抗出來そうな選手はDグループにいるでしょうか?」

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「そうですねえ、 いると言えばいるのだよ。楽しみにしていましょう」

意味深のある言い方をするメイザース。

「ーーでは、Dグループ試合開始!!」

バァァンとドラの音が會場に響きわたったーー

★ ★ ★

アーサーは霊たちをに隠している。

エンペラーアイを使っている間はルナもれてリンクテレパシーも使えるのだ。

Dグループの選手たちはトマスに夢中になりアーサーには眼中にない様子だった。

「あんなにデカデカとアーサー・ペンドラゴンと選手名が出てるのに無視とはーー」

キルケーは首を傾げる。

「無理も無いわよ、トマスのあの人気は異常だからね」

トマスコールが地響きにように會場を後押しするーー の悲鳴にも似た聲援をけてトマスは次々に相手を倒していくーー

「どこがカッコイイのか私には分からん」

キルケーは呆れ顔で會場を見つめる。

「私も全然興味ないわ。あんなみたいなモヤシ男ーー」

メーディアも目を細くして興味なさそうに會場を見つめている。

アーサーはステージの隅で未だボーッと立っている。

「アーサー様、全然相手戦って來ませんね」

リサがリンクテレパシーで話しかけてきた。

「ああ、完全に無視されたじだな。 まあ、これはこれでこっちも都合が良いな」

「暇なの」

「この程度の相手なら一撃で仕留められますわ」

エルザ、ルナもヤル気満々だ。

「出來れば手のを見せずに勝ちたいと言うのがアーサー様の考えですね」

シルフィーが悟った。

「その通りだね。 徐々になくなってきたよ」

アーサーも構えて戦況を見守っている。

「さあ、Dグループも大詰めになって來ました! トマス選手が次々に攻めてくる選手たちを倒してついに殘り選手も僅かになって來ました。解説のメイザースさんここまでの戦いにいかがでしょうか? 」

「今のところ何もしてませんね」

「はい? 」

キョトンとする解説のマイア。

「私の注目選手はまだ何もしてないってことなのだよ」

マイアはその言葉頂きましたと言わんばかりにマイクを手に取ったーー

「おっと!メイザースさんから弾発言が飛び出したあーー何とメイザースさん注目選手が未だ殘り選手の中にいるそうです」

湧き上がる會場ーー次第にざわめきが起きてくる。

殘り選手の中にペンドラゴンの名ーー

「會場の人たちもようやく気付いたみたいね」

メーディアもし鼻を高くしたーー

「何だい? 僕に太刀打ち出來る選手がいるってーー」

トマスも解説の聲に反応しあたりを見渡した。

しかしーーそんなじの魔力を持った選手がいる気配はじなかった。

「面倒だな、炙り出してやるよ! 」

トマスの魔力が高まるーー

「エルザ準備してくれ」

「任せてなの」

トマスの輝くーーファンから溢れんばかりの歓聲が上がるーー

「星屑の流星ライトニングスターダスト」

天空より無數のの矢が降り注ぐーー次々と倒れる選手たち。

中には障壁をるがそれを突き破るトマスのの矢ーー

注目選手の名は伊達ではなくほぼ勝利とみて拍手が贈られていたーー

濛々と砂けむりが上がり倒れている選手たちーー立っている選手は一人も居ないと確信しているのかトマスは観客に向かって手を振っていた。

しかしーー

「おっと! トマス選手まだ勝利のガッツポーズには早いぞ。 まだ一人余裕で立っている選手がいますーーアーサー・ペンドラゴン選手だあ」

騒然とする會場ーーキルケーやメーディア、リリス、メイザースは當然といった表で見ていた。

「ーーペンドラゴンだって? 君がかい。全く魔力をじないんだが」

トマスはイラっとしているーー勝利を確定と勘違いして恥じをかかされたからだ。

「あいにく魔力は全くなく魔法は使えないんだよ」

アーサーは肩をすくめて笑って余裕をみせた。

それを見て更にイラつくトマスーー

「マグレでたまたま生き殘ったのに何だその余裕な笑みはーー次で決めてやる!」

トマスの手が輝き魔力が高まるーー

「再びトマス選手が仕掛けるーー アーサー選手太刀打ち出來るのか? 」

熱い実況に応えるように盛り上がる會場ーー

「喰らえーー の衝撃波シャイニングフォース」

の輝く特大な流星がまるで隕石のようにアーサーに向かって落下した。

吹き上がる砂けむりと衝撃音に會場は騒然となったーー

「これは決まったかあ? アーサー選手に直撃だ」

「いやいや、全然でしょ。 アーサーきゅんはまだ実力の1パーセントも出してないのだよ」

メイザースは不敵な笑みを浮かべたーー

しやり過ぎたかーー悪く思うなよ」

トマスは砂けむりの向こうに向かって呟いたーー

背を向けて去ろうとするとーー

「何がやり過ぎたんだ? 俺は全然無傷だぜ」

「なんだとーー!!」

振り返り砂けむりが晴れたステージを見つめると金の瞳を輝かせたアーサーが無傷で立っているーー

そしてーー現化した霊が四人アーサーの周りで輝きながら浮いていたーー

「何とアーサー選手の周りに霊が四人!」

騒然となる會場ーー

「ーーさて、こっちから仕掛けさせてもらうよ」

顔を歪めるトマスーー

アーサーがパチンと指を鳴らすとシルフィーが前に出て魔力を高めたーー

「大いなる大地に流れる風の民よ 我にチカラをーー アサルト グリフィン」

シルフィーから現化した風の化の大きな鷹が放たれるーー

「ーーーー!! 」

まさに一撃だったーー

風の鷹に飲まれたトマスは會場の壁にめり込んで気絶したーー

會場から割れんばかりの拍手とトマスへの悲鳴とブーイングなどんなモノが飛びったーー

「Dグループ勝者はアーサー選手です」

アーサーはし照れ臭そうに頬を掻きながら會場を後にしたーー

會場の中二階から戦況を見ていたマーリン。

「金の瞳エンペラーアイの持ち主、シーサーの息子で間違いわね」

マーリンは納得したような何かを悟ったような表をして消えて行ったーー

Dグループでの波は大きな話題となって會場を大いに盛り上げたーー

そして、アーサーがシーサーの息子だと全員が確信したのだった。

ーー 余裕の予選突破 ーー

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