《三人の霊と俺の契約事Iグループ予選

グループ予選もいよいよ大詰めとなってきた。

円卓の魔導士の圧倒的強さだけが際立つ大會となっているが楽しみなのが本戦である。

本戦では円卓の魔導士同士の対決になるので今か今かと待ちんでいる魔法武道會ファンたちーー

「Iグループの予選を開始します! 試合開始」

ドラの音が會場に響き渡ったーー

「リリスの戦ってるところ見たいことない」

ルナは思い出したかのように呟いたーー

「リリスはホーエンハイム出ではないと聞いたけど彼はどうしてホーエンハイムに?」

アーサーはずっと気になっていたことを投げかけてみたーー

アクセルと出會う以前の彼の行や出地など不明の點が幾つかあったのだが聞いて良いのかどうか分からなかった。

一つ分かっていたのはクリスタルパレスの魔の生き殘りと言うことだけだ。

は母を知っているのか?

「彼はあまり自分の事を話たがらないけど、リリスはクリスタルパレスの姫よ」

「お姫さまなの」

エルザが目を輝かせ姫という言葉に食いついた。

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「彼の妹が魔狩り以降行方不明になっているのよ。 彼はその妹を捜す旅の途中にホーエンハイムに立ち寄ったのが事の始まりだったのよ」

メーディアはステージに立っているリリスを見ながら話を続けたーー

「きっと一人では辛くなって馴染みのアクセルに相談しにホーエンハイムに立ち寄ったのかな。 その後を悪魔族に付けられていてあの騒になってしまったのかもーー馴染みを失った悲しみ、帰る場所さえない彼にとっては行方不明の妹が唯一の希になっているの」

「リリス・・・」

アーサーはリリスのチカラになりたいと思った。

シルフィーがアーサーの側に寄って來て小さな聲で囁いたーー

「ーーまた面倒なこと考えてません? 俺が妹を捜してやるとか」

アーサーは目を丸くしてシルフィーを見つめたーー

やっぱりと、肩を落とし眼鏡を拭きながらまたみんなの所へ戻って行った。

★ ★ ★

Iグループ予選は意外にも苦戦を強いられていたーー

殘り人數はリリスを含めて六人ーーしかし、五対一の関係だ。

その五人は同じ國出の魔法騎士で素晴らしく連攜が取れているので円卓の魔導士のリリスと言えども簡単には倒せないでいたーー

「ーー隙がない。 一瞬だけいいから魔力を練ることが出來ればまとめて倒せるのに」

敵に囲まれて攻撃を避けながら隙を伺うリリス。

「障壁をっても良いのだけどーーやはり演唱するのに時間がかかる」

五人に囲まれて中央でいろんな方向から魔法が飛びってきているのを必死に避けている狀況だ。

「リリス選手思わぬ苦戦を強いられています。解説のメイザースさん現狀いかがでしょう」

「アルスマグナ王國の魔法騎士の五人の連攜が素晴らしいですね。相手に魔法の演唱する時間を與えていないのは良いと思います。しかしーーそれがいつまで続けられるのか?

決定打を考えているのか? がポイントではないのでしょうか」

メイザースは戦況を見つめながら真面目な解説をしたーーすっかり解説が馴染んでいる。

「あまり使わない手だけどーー」

疲労困憊な顔をしている、リリスの力も消耗してきていたーー

アルスマグナ王國の騎士たちの魔力も殘り僅かになってきていた。

それでも攻撃の手を止めないーー

リリスの攻撃の避け方が先ほどよりもぎこちなくじる・・・

実況席で観戦しているメイザースの口元が緩んだ。

「考えましたわね」

メーディアもそれに気づいたようだ。

「私なら空に逃げたんだけどね」

みんなそれが出來れば苦労しないとツッコミをれたくなった。

リリスは手に地面から腰までの銀の杖を取り出した。収可能の便利な杖のようでおもいっきり振るとびるようだ。

その杖を地面にりつけるように相手の攻撃を避けている。

「リリス、何か地面に描いているようなーー」

アーサーはリリスの不可解なきと杖を引きずるような仕草に注目した。

「良く気づいたね。 魔法陣を描いているんだよ。私みたいな天才なら演唱なしで魔法を打てるけどね。普通の人は必ず呪文を唱えて魔力を練る一連の流れを作らないと魔法は発しないのさ。この試合の様に演唱させてもらえない狀態に陥ったら萬事休すさ」

苦笑いを浮かべキルケーは両手を上げて見せた。

「ーーただね、唱えて練るだけが魔法じゃない。今からリリス彼がお手本を見せてくれる。時と場合、狀況に応じて対応する判斷力が戦闘に大切なことだよ」

キルケーはアーサーを橫目で見ながらニッコリと笑った。

リリスの力もすでに限界にきていたーー

攻撃を避けては魔法陣を描いての繰り返し、そしてやっと描いた魔法陣ーー

「ふうーーやっと出來たわよ。弱い者イジメ良くもやってくれたわね。 覚悟しなさいよ」

リリスは描いた魔法陣の中心に立ち地面に銀の杖を突き刺すーー輝く円陣と紋様。

たまらず攻撃を繰り出すアルスマグナの騎士達だが魔法陣のの壁の前に消滅したーー

「本の魔法をお見せしてあげるわよ! 運不足を解消さけてくれたお禮をさせてもらうわ」

に輝き出すの壁ーーステージ場の空間が歪む。

「 永久凍土の裁きをけよ 」

リリスが手を天空にかざしたと同時に魔法陣より神が浮かび上がったーー

き通るような青白いしい神が現れたと同時にコロッセオの溫度が尋常じゃない程に下がったーー

ステージ場の床は凍り出したーー

神はゆっくりとアルスマグナ王國の騎士たちにフゥッと息を吹きかけるような仕草をすると五人の騎士たちは一瞬で凍りついた。

神はそのしい姿とは対象敵に冷たい冷酷な笑みを浮かべて消え去った。

「ーーあ、あ、Iグループ勝者はリリス選手です。 アルスマグナ王國の騎士たちは大丈夫なのでしょうか」

実況のアルキュオネが慌てて心配していたーー

「あれが本の魔法さ。 純筋は神や神すらもる。さすがの私も真似は出來ないよ」

キルケーはピンクの髪を人差し指にくるくる巻いて笑っていた。

J、Kグループは順當にライラとミランダが勝利し予選最後はお待ちかねの今大會の主役は登場するーー

會場のボルテージが最高に達した。

まだ、選手が見えていないのにも関わらずリンスレットコールが沸き起こる。

今までのどの試合よりも凄まじい熱気だ。

會場自がまさに一つになりリンスレットを応援している。

アーサー達だけでなく他のメンバーもこの異様な盛り上がりに戸っているーー

「何この異様な盛り上がり方はーー今までの大會では考えられない」

呆気にとられるメーディア。

「完全アウェイな雰囲気ーー」

キルケーにとっての最大の敵は観客のようだ。

「お待たせしました本日予選最終組Nグループの選手はステージに集まって下さい」

ーー 大會の主役登場 ーー

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