私たち霊は、 世界樹の木から生まれる。その後、 霊の掟や魔法のこと、パートナーの人間のことなどを世界樹の木の中にある學校で勉強する。 卒業後、 一年以にパートナーを見つけて人間のにれられない霊はこの世から消えてしまうのが霊の決まりなのだったの。 その期限まで殘り僅かだった。三人一緒にいるなら消えても良いとさえ思っていた。

だって、 一人ぼっちで消えたくなかったから・・・霊學校でも誰にも相手にされないで初めて出來た友達と一緒なら消えても良いと思ってた。

ーー 私たちなんて消えても良いと思ったーー

けれど、私たちは運命の出會いをした。

あの日あの時あなたに出會わなければ今の私たちはいなかった。

本當は、私リサはアーサー様を獨り占めしたかった。

私だけのアーサー様になってほしい。

エルザとシルフィーがいない方がいいとか思っている時もある。

わたしは、ドジで鈍間でいつもみんなに迷かけてるの。

そんなわたしでもアーサー様はいつも優しくしてくれるの。

アーサー様がわたしだけの特別な存在でいてほしい。

私は、あまり言葉にしたり素直になれない。けれど、アーサー様の前では素直な私になれる。

本當はもっと甘えたいしこの想いを伝えたい。

三人それぞれにめた想いがある。

今日は、何としてもそれを伝えたいと思っているようだ。

今日は二月十四日、バレンタインデーである。

★ ★ ★

「あなたたち、今日が何の日か知ってるわよね？」

ドキっ！！

三人はこくりと頷いた。

「今日こそ自分ののの想いを伝えるのよ！私もあなたたちのためにチカラを貸すわよ」

いつもながら霊たちよりも張り切ってるミーナ、霊たちは目を輝かせ尊敬な眼差しをミーナにおくった。

「お兄ちゃん、 今日はお店お終いよ」

奧のキッチンで派手に転ぶ音が店に響いたーー

☆

「あなたたちがいなかった時に私は他國に新しいデザートを調べに出かけたのよ。その時に見つけた子力高いお菓子を見つけたのよ」

三人の霊は食いつくようにミーナを見つめる。

「それはマカロンよ！！」

・・・・・・

「まかろん・・・なの？」

聞いたことも食べた事もない霊たちはキョトンとしている。

「あらら？あなたたち馬鹿にしてるわね。見た目の可さ+味しさで男の子のハートを鷲摑み間違い無しよ！！」

その言葉に飛び跳ねて喜ぶ霊たち。

「さあ、頑張って作っていきましょう」

☆

「時間がかかってしまうから下準備はしておいたわよ」

チョコを細かく刻んでおく。

卵白は冷蔵庫にれて冷やしておく（メレンゲを作るとき泡が立ちやすくしっかり立つ）。

絞り袋に丸口金をセットしておく。

糖、アーモンドパウダーは合わせてふるっておく。

オーブンは130℃に予熱しておく。

「ボウルに卵白とグラニュー糖をれ、泡立てでしっかりとしたメレンゲを作る。

食用素を量の水で溶き、メレンゲができあがったらしずつ加えるのよ」

マカロンは小さいので霊たちには丁度良い大きさなのもミーナは計算していたのかも知れない。

霊たちは一生懸命、泡立てでかき混ぜている。

「かき混ぜたら類を2～3回に分けて加え、ゴムべらでその都度、っぽさがなくなるまで混ぜ合わせるのよ」

「混ぜてばかりで疲れるの」

早くもエルザから愚癡がこぼれた。

「アーサー様には私が手作りマカロンを渡しますわ。エルザは無しね」

「むうう！ 頑張って作るもん」

「今かき混ぜた生地を丸口金をセットした絞り袋にれ、オーブンシートを敷いた天板に直徑2cmの円狀になるように絞り出して、後はそのまま室溫に30分以上置き、表面をっても手に生地がつかなくなるまで乾かすわ」

やり終えるとミーナと霊たちにはひと息ついた。

アーサー様に食べてもらいたい。

ただその一心だけで彼たちは頑張って不慣れな手作りをしている。

ミーナは、そんな彼たちの一生懸命料理する姿が大好きだった。

かつて自分が親の後を継いでガムシャラに料理の勉強をしている時のひた向きな姿と被って見えているのかも知れない。

そして何より一人のの友達として彼たちのチカラになりたいのだ。

「乾かした生地を130℃の石窯で20分、170℃に溫度を上げて3分焼いたら石窯から出さずに天板にのせたままあら熱をとるのよ」

撒きを加えたり、火を消したりと炎の火力調整が難しい。

見兼ねたミーナのお兄さんが炎の調整をしてくれた。

「ありがとう。ミーナ兄さん」

ミーナのお兄さんは照れ臭そうに手を上げて奧へと去って行った。

「さあ、最後はマカロンを2枚1組にして、クリームをサンドして完よ」

★ ★ ★

「ただいまあ」

可い聲が家中に響いたーー

「おかえり、遅かったね」

アーサーが二階からゆっくり階段を下りきた。

玄関のり口で顔を赤くしてモジモジしている三人がいる。

「どうした？そんなとこにいないでこっちに來なよ」

「えっと、、その、、今日ね」

リサは心臓が発しそうなほどドキドキが止まらなかった。

「アーサー様に渡したいものがあるの」

エルザは、満遍の笑みを浮かべている。

「あ、あ、アーサー様のために一生懸命作りました。お口に合うか分かりませんが」

シルフィーは、恥ずかしいのを我慢し聲を絞り出した。

アーサーはじっと三人を見つめている。

せーのっ！

三人は呼吸を合わせ後ろに隠していた手作りマカロンを差し出した。

「「「アーサー様大好きです。け取って下さい」」」

アーサーは、目を大きくしていた。

三人は下を向き目を閉じている。

アーサーは三人に近づき小さな三人をまとめて抱き締めた。

「ありがとう。俺もお前達が大好きだ」

完