《三人の霊と俺の契約事報収集

月明かりが照らす夜の港街。心地よい波の音をかき消すように酒場は冒険者や船乗りが大騒ぎして活気付いている。

晝間のうちにある程度の店の目星をつけていたアーサーだが、いざ店の中にってみると報屋の検討が全くつかなかった。

「んんー、全然分かんねえ・・・」

『一人、一人に報屋ですか?って聞いてみたらどお? 』

リサがリンクテレパシーで話しかけてくる。

三人の霊はアーサーに同化している。

一緒にいると余りに目立ち過ぎるので三人には申し訳ないが同化してもらっている。

『それでは怪しまれてしまいますわ』

「ーーだな、逆に警戒されてそうだとしても違うと言うだろう」

シルフィーの意見に賛だ。あまり目立つ行は極力避けたい。

報屋の報を聞いてみたらどうでしょうか?』

報屋についての報収集か・・・あまり目立ちたくはないが聞いてみるか」

アーサーは目星しを付けていた店とは違い活気付いている居酒屋の店へって行った。

「いらっしゃいませえ」

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には冒険者や船乗りが酔っ払い大宴會でもしているように大騒ぎしている。

アーサーは適當に空いている席に座ると店員のの子が注文をとりにやって來た。

「ーー何になさいますか?」

今がチャンスかもしれない。店員のの子はかなり若いのでアルバイトだろう。

上手くいけば・・・。

アーサーは目を合わさずの子の手を握った。

「えっ?」

店員のの子は一瞬驚いたがアーサーの次の言葉で表を変える。

報屋について何か知ってることがあったら教えてほしい」

店員のの子はアーサーから貰ったチップをポケットに丸め込み、そっと耳打ちした。

「向かいのBARのカウンター席に毎日同じ席に座っている男がいるらしいわ。その人が報屋じゃないかって冒険者の男たちが話してるのを聞いたわ」

「ありがとう」

「お兄さんチップありがとうね!」

店員のの子はまた忙しそうに店の奧に消えて行ったーー

の時計は深夜二時を過ぎていた。

「今夜はもう出直すか・・・」

アーサーは席からゆっくりと立ち上がると未だ熱の冷めない居酒屋を後にした。

★ ★ ★

晴れたの反が一層眩しくじる朝、

カーテンの隙間から線のようにが差し込む。心地よいさざ波の音とスヤスヤと聞こえる寢息・・・ん?

アーサーが目を覚まし左を見るとリサが耳元で寢ている。右を向けばシルフィー。

「・・・一人足りないぞ。それになんか腹がっぽいじがする」

起き上がるとお腹の上でよだれを垂らしお腹を出して大いびきをかいているエルザがいた。

「お前ら起きろおおお!!」

その聲でリサとシルフィーは眠い目をりながら起きた。

「ふぁぁあ、あーさーしゃまおはようございましゅ」

リサの真っ赤な長い髪はボサボサだ。

「おはようございます、アーサー様」

シルフィーは寢ぼけながら一生懸命メガネを探している。

未だ一人、全く無反応でぐーぐーいびきをかいているエルザ。

アーサーはため息を吐きながら耳元で囁いた。

「エルザ、朝ごはんだよ」

一瞬で目を開き立ち上がるの。

「お腹すいたの。 ごはん食べるの」

立ち上がったエルザの可い小さなおへそが丸見えだった。

「やっぱりな。 昨日もし気になっていたんだよ」

夜まで時間があるのでアーサーは、港街を散策していた。レンガ調の石畳の道を歩いている。

『何が気になるのお?』

『帝國兵、いいえ帝國騎士ですわね 』

リサの問いかけに即座に答えるシルフィー。

アーサーはシルフィーの答えに頷いた。

「昨日の酒場にも他の客に混じって數名の帝國兵がいたのが分かった。 今日のじを見ても俺らを追ってとかそういうじじゃない。しかも、今そこに立っているのは兵ではなく騎士だ」

『帝國兵と騎士では何が違うの?』

リサは疑問を問いかける。

またも即座にシルフィーが答える。

『まず階級が違いますわ。歩兵・ 兵士、衛兵・闘士・騎士・聖騎士・勇騎士の順となります 』

「その通りだよ。 わざわざ帝國騎士団の人間をここに配置してるって事はこのローズクラウンは帝國軍の配下になってるのかもしれない」

『えっ! そうなのお』

『アーサー様の言うとおりですわ。 まだ帝國とはかなり距離のあるローズクラウンに意味もなく騎士を配置するあたり何か理由があるのですわ』

「この前、ミランダ姉さんが參加していた帝國議會で何かあったに違いない。俺らの指名手配だけでなく帝國が有利になる何かがね」

『ーーですわね。 何にしても余り出歩かない方が良いですわ』

『何言ってるかわかんないの』

首を傾げているエルザの姿が目に浮かんだ。

ーー 再びローズクラウンに夜が訪れるーー

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